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生き損なった夜の音

今日や明日に見えなくなった希望に押しつぶされたとき、どうしたらいいのかわからないまま酒を煽るのは大人になったからじゃなくて、大人になれなかったからなんだろう。聞こえなくなった声、イルミネーションに埋もれた悲鳴、美しさと醜さの狭間が命であって、この世界、現世だった。
真実 とは 見えないフリされた 君や、僕や、お前ら。
愛してましたか、愛せませんでしたか。ピアスの分だけの哀しみや刺青の数だけの痛みがおしゃれに誤魔化せるくらいには生きやすくなったんだろうか。それでも体に刻まれた傷跡は隠さなきゃならない。カフェラテが好きみたいな君の感情が死ぬほど嫌いで、カフェラテみたいな味のする君。
愛せなかったんだ、なにもかも、愛せないままここまで生きちゃったんだ。誰かに愛されたことがあるような子たちで溢れて、醜さを知らないで死んでいく。赤といえば血じゃなくてクリスマスって言える君はきっと可愛い。傷付いたら痛いって言える君はきっと可愛くて、他人の痛みなんて少しも気づきやしない。
偽り とは 見えてるものをかき集めた 君や、僕や、お前ら。愛してましたか、愛せませんでしたか。愛せませんでした。

心の瞬間の共鳴にぼくは文字をそっと添える。無力な言葉に抗って、きみと、ぼくと、せかい。応援してくれる方、サポートしてくれたら嬉しいです……お願いします