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Dota2観戦最初の一歩②「いつ、何が起きるの?」

最初の二歩…?最初の二歩目…?
…うーん、分からん、最初の一歩②で!
というわけでなんだか妙なタイトルに仕上がりました。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか。


前置き

去る5/22、ストックホルムメジャーが無事に…と言うにはちょっとした事件がところどころ発生しながらも、全日程を終了しました。

そしてその最終日に重大発表がありました。

というわけで2022年のTIはシンガポールで開催されることが決まりました。
これすごいんですよ。
何がすごいって、なんと日本との時差がわずかに1時間!
2019年の上海大会以来、日本にとっては最高の観戦環境が再来します。

というわけで私の気合も勝手に高まっています。
高まり過ぎて、まだ目次すら完成してない段階でこの記事の執筆宣言をTwitter上にしてしまいました。ちょっと後悔してます。

前回は観戦画面の見方、特に総資産関係を中心にお話しました。
最初のテーマにしただけあって、とても大事なお話です。
まだご覧になっていない方はぜひ。

今回は「いつ、何が起きるの?」と題して、ゲームの序盤・中盤・終盤にそれぞれどういうことが起きるのか、そして何が見どころなのか、紹介していきます。

序盤・中盤・終盤っていつ?

そもそも試合終了時間すら決まっていないDota2において、序盤・中盤・終盤の区分には厳密な定義はありません。
あくまで「この記事内では」という注釈の下で、こんな感じの切り方をしようと思います。
観戦者らしく、画面の表示に頼ります。

  • 序盤:画面左表示はラストヒット/ディナイ。0分~5分くらい。中心選手がレベル6になる頃まで。

  • 中盤:画面左表示は総資産。5分~30分前後。3rdタワー侵攻前まで。

  • 終盤:画面左表示は総資産orバイバック。3rdタワー侵攻開始~ゲーム終了まで。

5分、30分とかいうのは画面上部に表示されているゲーム内時間です。
"3rdタワー"なる謎の建物については後で説明します。

たとえばこれなら18分57秒、中盤です。

ちなみにとある分析サイトでは、レーニングステージ(序盤戦)は12分までとされていたりします。
実際プレイしている感覚としてはこのくらいなのかもしれません。
決め方は本当に様々という感じです。

「画面左表示」というのはここのことです。
(画像クリックで拡大できます。)

この情報表示の切り替えを含め、観戦画面の操作は
"オブザーバー"と呼ばれるゲーム内カメラマンが担当しています。

なお、現在の仕様におけるプロの試合は、およそ40分程度で決着します。
たとえば先日のストックホルムメジャーでは123試合が行われ、その大半を占める94試合が30~50分で終了しました。

つまり今回の記事で使うこの分け方では、Dotaのほとんどは中盤戦ということになります。
だからこそ、その中盤戦でずっと表示されている「総資産が大事だよ」という話を最初の一歩として紹介しました。

今回はそこからもう一歩前進して、時間帯ごとに大事な要素を見ていきましょう。やっぱり二歩目だわ

と、本題に入る前にもう一個だけ注意書きです。

前回の記事で「メンバー表の1番の選手がチームの中心です」という話をしたことは覚えているでしょうか。

今回の記事ではその部分も一歩だけ進めて、1番~3番の選手が何をしているか、という視点で話を進めていきます。

これら3選手をまとめて、コアプレイヤーと呼びます。
対して4・5番の選手はサポートプレイヤーです。

サポートが重要ではない、というわけではもちろんありません。
しかし「コアが何をしたいか」が分からなければ、
「サポートが何をしたいのか」も分かりにくいのです。

それぞれの時間に何が起こるの?

というわけでDota2の試合を3つに分けました。
それぞれがどんな時間帯なのか、見どころはどの辺りなのか、まずは簡単にまとめてみました。
後の章で詳しく説明しています。

序盤:準備の時間。主な戦場はレーン。
雑魚敵を倒してレベルアップするのが主な目的ですが、もちろん隙あらば相手を倒そうと狙っています。

まだ攻撃力も低く、使えるスキルもアイテムも少ないです。
そんな数少ない選択肢から絞り出すような、クリエイティブなプレイングが魅力の時間帯です。

レーンでよく見る光景。
クリープという雑魚敵が接敵するラインを中心に、
近距離ヒーローはその近くに、遠距離ヒーローは若干離れた位置で戦う。

中盤:1番プレイヤーは引き続き準備の時間。
2番以降のプレイヤーは相手を倒そうとマップを飛び回ります。

マップ全てが戦場となり、タワーと呼ばれる建物もターゲットです。
どのエリアがどちらのチームにとって安全なのか、という陣取りゲームの要素も出てきます。

少人数の奇襲から5vs5の全面戦争まで、Dotaで起こりうる全ての戦闘が見られる時間帯です。

AoE(範囲)攻撃は多人数戦の華。
画像はBlack holeという範囲内の敵を全て行動不能にする大技。

終盤:有利なチームは全員で相手陣地へ乗り込む。逆側は守る。
という展開になりやすい時間。

敵の陣地に入るのはとても難しいため、ロシャンというモンスターを倒してボーナスアイテムを手に入れてから戦うことも多いです。
基本的には陣地周辺かロシャン周辺が戦場となります。

この時間帯のコアプレイヤーは、もし倒されてしまうと2分近いリスポーン時間となることも。
有利な側であっても一度のミスで致命的な逆転を許すことになります。

やるかやられるか、スリリングな戦いが起きる時間帯です。

お金(黄色)・経験値(水色)・AIによる勝率予測(緑)のグラフ。
プロでも、あるいはプロだからこそ、こういう試合もまれに見られます。

では全体の流れを把握したところで、改めて序盤から、詳しく「何が起こるの?」を見て行きましょう。

序盤には何が起こるの?

序盤戦はゲーム内時間で0~5分頃。
主な戦場はそれぞれのレーンの中間地点です。
ミニマップで言うと左上、真ん中、右下の3ヶ所。
この時間帯にプレイヤーがやっていることは、一言で言えば「準備」です。

序盤戦のまとめ。

コアプレイヤー、特に1番の選手が使うキャラは前回解説した通り、「序盤は弱いが、終盤にはとても強くなる」特徴があります。
しかしもちろん黙って待っていても強くなるわけありません。
まずはレーンをノコノコ歩いてくるクリープ(雑魚敵)を倒してレベル上げです。

「レベルを上げて物理で殴る」は別にこのゲームから生まれたミームではありませんが、このゲームの1番プレイヤーの多くが最終的にたどり着く最強の戦法となっています。

TI10の王者、Team Spiritの1番Yatoro。
大会中、様々なヒーローを使いこなすことで話題となりました。
もちろんこの14種類のキャラ性能はそれぞれ違いますが、結局最後は物理で殴ります。

一方で2番・3番のプレイヤーは中盤戦ではスキルを使って戦うことが多いです。
しかしそのスキルを強く使うためにも、結局はレベルが必要です。
特にレベル6で覚えるスキル、通称Ult(ウルト)は試合の流れをひっくり返すことができるほど強力な効果ばかりです。
彼らの最初の目標は相手よりも先にレベル6になることです。

Ultはキャラの特長を最もよく表しているスキルとも言えます。
画像はいい感じの素材ないかな、と思ってdota ultで検索をかけた結果。
いい感じに検索結果がばらけてくれて見映えもぼちぼちだったのでそのまま使っちゃいました。

ラストヒット/ディナイ

さて、そんな序盤戦に画面左に表示されている2つの数字、ラストヒットとディナイは「雑魚敵を倒した数」のカウンターです。

左(ラストヒット)がメインのカウンターで、右(ディナイ)には味方を介錯した数が出ています。
味方を倒しても自分自身の経験値やお金にはなりませんが、敵の経験値やお金の獲得を防ぐことができ、間接的に有利になります。

ラストヒットを取るとお金のエフェクト(左)が、
ディナイを取るとビックリマーク(右)が出ます。

ここで大きな差が付くことは、プロレベルではあまり見られません。
しかしもちろんどこかで差をつけようと常に目論んでいます。
そして差をつける最強の方法がこれです。

相手がレーンにいなければいい

特にゲームの開始時はキャラが弱いので、基本的にはレーン以外の場所でお金や経験値を手に入れることはできません。
そんなレーンに相手がいないということはつまり、その相手は育つことはないということです。
しかも逆に自分は敵に邪魔されることなくラストヒットを稼げます。

敵が近くにおらず、のびのびと雑魚敵を狩れる状況を「フリーファーム」と呼びます。

最初にも言った通り、序盤戦はまだ準備の段階です。
しかし他の時間帯よりも敵プレイヤーとの距離も近いことも多いです。
小規模な戦闘は常に起こり続けています。

その結果、相手を倒せれば最高です。
相手はリスポーン待機のため一定時間レーンからいなくなりますし、こちら側は相手を倒したことによるお金や経験値も手に入ります。

また、仮に倒しきれなくても回復アイテムを使わせたり、回復アイテムを使うために相手が一旦下がったりすれば、それはそれで悪くない結果です。
相手が前に出られない時間は自分がフリーになりますし、回復アイテムもタダではありません。

癖の強い回復アイテムたち。
(中央上)Tangoは使うためにマップに生えている木が必要。しかも効果が非常にゆっくり。
(右上)Healing Salveは効果は速めだが、敵に攻撃されると途中で回復が止まってしまう。
(左下)Clarityはマナ回復薬。Healing Salveと同様に敵の妨害で止まってしまう。

中盤には何が起こるの?

中盤戦は最初に説明した通り試合のほとんどを占める時間帯です。
この時間帯はマップの全域が戦場となります。
プレイヤー同士の戦いはもちろん、タワーと呼ばれる建物を目標としたり、ロシャンと呼ばれる巨大モンスターと戦ったりと、チームの戦略によって様々な戦いを見ることができます。

中盤戦のまとめ。

ギャンク

5分くらい経過すると、中央のレーンで戦っている2番のプレイヤーが最初にレベル6に到達します。
これは先ほども言った通りUltを覚えられる重要なタイミング。
自分だけが必殺技を持っている状況でやることは当然、必殺技をまだ持っていない相手を探して倒しに行くことです。

これをギャンクまたはガンク(Gank)と呼びます。
(この記事ではギャンクと表記します。)
序盤の小競り合いでは、そのレーンにいるプレイヤーだけで戦うのが普通でした。
たまに他レーンのサポートプレイヤーの手が空いていたら手伝ってもらうことはあります。
一方で中盤戦以降のギャンクでは、コアプレイヤーたちもレーンを越えて動き回ります。

赤い蛇みたいに見えるかもしれませんが、これは高速移動中のStorm spirit(左下)とその残像。
この画像では右上から左下に向かって飛んでいます。
マナの許す限り指定した地点まで段差すら無視して真っすぐ突進できる、
ギャンクを得意とするキャラの一人。

これによって今まで均衡が保たれていたレーンでも、パワーバランスが大きく崩れることになります。
もちろんギャンクの最大目標は相手のコアプレイヤーを倒すことです。

ジャングル

どこからともなく突然ギャンクが飛んでくるこの時間帯は、レーンに留まり続けるのが危ないことがあります。

でも大丈夫(?)。
中盤になってキャラが強くなってくると、ジャングルと呼ばれる、レーンとレーンの間の空間でもお金や経験値を稼げます。
ここにいる中立クリープはレーンを歩いていくクリープよりも少し強力で、どちらの陣営にも属していません。

ジャングルクリープはマップの特定の場所で待っています。
倒しても1分ごとに復活します。

中盤戦ではこのように、マップの至る所が経験値やお金を稼ぐための場所となります。

もちろん相手チームのコアプレイヤーが育つのは避けたいですから、相手がどこにいるのかを読み、あるいはワードと呼ばれる監視カメラのようなアイテムで見つけ、そこを襲撃する、ということをお互いに繰り返していきます。

今回は詳しく説明しませんが、ワードはこのゲームの超重要アイテムです。
黄色い方が監視カメラで、置いた場所の周囲を見ることができます。

タワー

そうやって各地で戦いを起こしていき、自軍のコアプレイヤー、特に2番3番あたりのプレイヤーが強くなり始めたら、次なる目標へと進軍します。
それがタワーです。

タワーはそれぞれのチームに所属していて、
味方には恩恵(HP回復や防御アップ)を与える一方、
敵には容赦なく攻撃します。

そういえば今まで言ってこなかったかもしれませんが、Dota2は究極的には相手陣地の建物を壊すゲームです。
敵プレイヤーを倒すのはあくまで建物を壊すのに邪魔な存在だからです。
極端な話、キル数・経験値・総資産などありとあらゆる要素で負けていても、建物さえ壊しきれば勝ちです。

ですがいきなり相手の本拠地に乗り込んで壊すことはさすがにルール上許されません。
本陣からは遠い、端っこの塔から順番に壊していく必要があります。

壊せる順番に番号がついていて、Tier1,2,3,4のタワーとそれぞれ呼ばれます。
Tier4タワーを壊したらいよいよエンシェント(☆)が目標です。
(実際にはTier4タワーは2本並んで建っています。)

ロシャン

非常に重要で強力なモンスターが1体、Dota2のマップ内には生息しています。
それがロシャンです。
タワーとは違い、直接勝利条件には関係しませんが、彼(?)を倒すことで様々な恩恵を得られます。

マップ中央を横断する川の中州にポツンと存在する謎の足場、ここにロシャンは生息しています。
なおゲーム開始時からずっといますし、倒されても10分前後で復活します。

一番の恩恵は、Aegis of the Immortal(イージス)です。
これはロシャンが倒れた時にその場に落ちるアイテムで、効果は一言で言えば「一人だけ残機2個になる」というもの。
これを持っているプレイヤーは、その後誰かに倒されてもその場で即復活します。
しかもHPMPともにフル回復した状態です。

何度でも使い回されるこの画像。
イージスを持っているキャラの下にはアイコンが出ます。(左から3番目)

ちょっと大げさに言えば、イージスを持っている側だけプレイヤーが一人多いようなものです。
それがいかに強力な効果であるかは、ゲームについてよく分からなくとも十分に感じられるのではないでしょうか。

なお今回は省略しますが、ロシャンを倒した回数に応じて報酬も増えていきます。
有用なアイテムをたくさん落としてくれるロシャンは、クリスマスシーズンにはサンタ帽をかぶるという誰得なお茶目な一面もある愛されモンスターです。
サンタロシャンの画像?ありません。

集団戦

タワーはとても重要な拠点です。ロシャンも重要なターゲットです。
当然これらの周囲に多くのプレイヤーが群がり、その結果として大規模な戦闘が発生することがあります。
双方のチームから4,5人ずつ集まって発生する大規模な戦闘を"集団戦・チームファイト"と呼びます。

集団戦では範囲ダメージ、範囲効果(特にスタンなどの行動妨害)をまとめて当てることで優位に立つことがあります。
大技を決めるシーンは実況解説も大いに盛り上がりますし、Dota観戦の一つのハイライトと言っていいでしょう。

また、多くのプレイヤーが参加する戦いになるため、集団戦一回で一気に相手を倒して逆転、ということも結構あります。

先日のストックホルムメジャーでは、戦いの度にきっちり2人を拘束する、
Cebというプレイヤーが操作するWindrangerが話題になりました。

結構いろいろと話してきましたが、これらが中盤戦で起こるできごとです。
長くなったのでまとめましょう。この記事まとめてばかりだな

ギャンク:相手の稼ぎを妨害するための奇襲。
タワー:これを破壊していくことがDotaの勝利条件。
ロシャン:デカいモンスター。倒したときの恩恵がすごい。
集団戦:プレイヤー同士の多人数戦闘。タワーやロシャンなどの重要目標の周囲で発生しやすい。

重要拠点とそれを巡る攻防、この辺りが中盤戦の一番の見どころです。

中盤戦のまとめ②。

この白熱の中盤戦の結果として、どちらかのチームがTier3タワーへと侵攻しようと試みる辺りで、いよいよゲームは終盤戦へと入ります。

終盤には何が起きるの?

終盤戦はどちらかのチームの本陣が戦場となります。
本陣へと入り込みエンシャントを破壊したいチームと、それを守りたいチームの最終決戦です。

終盤戦まとめ。

要塞3rdタワー

終盤戦はTier3タワーを巡る戦いから始まります。
ここはDota2の仕様上、守る側が有利になるように作られています。

・守る側有利の理由①:攻めが段差の下、守りが段差の上
Dota2においては、段差の下から上は"全く見えません"。
逆に上から下は普通に見えます。
敵がどこにいて何をしているのか分かっている状態で戦うのと、全く分からない状態で戦うのとでは当然前者の方が有利です。

しかもその見えない段差を登ってすぐのところには、待ち構えるようにタワーが鎮座しています。
タワーには周囲にいる透明な敵を看破する能力もあり、こっそり近づくことすら許されません。

・守る側有利の理由②:泉(リスポーン地点・回復地点)が近い
"死んでしまっても復活地点が近い"ことと、"戦って消耗したらすぐ回復しに帰れる"ことの2点から、泉が近いことで非常に戦いやすくなっています。

3rdタワー攻略は攻め側にとっては最後の大仕事。
守り側にとっては文字通り最後の砦。

ここまで試合を有利に進めてきたチームが基本的に3rdタワーを攻めることになるのですが、それでも一気に攻略することは難しいです。

複数の入り口から攻める、ロシャンの恩恵を得る、より強力なアイテムを購入するため一旦引く、などなど、様々な手を尽くしてこの要塞を突破する必要があります。

長い長いリスポーン時間

ゲームの進行、キャラの成長に伴って、リスポーン時間は長くなるように設定されています。
終盤戦、しっかりと育ったコアプレイヤーに与えられるリスポーン時間はなんと100秒前後。

死闘の果てに与えられる長すぎるリスポーン時間(右端)。
ちなみにこのようにチームの5人を全員倒してしまうことを
チームワイプ(Team wipe)と呼びます。
もちろん終盤にチームワイプが起きたらほぼゲーム終了です。

これはお互いのプレイヤーが十分に成長し、建物など数秒もあれば消し飛ばせるような状況において、あまりにも致命的な長さです。

したがってお互いのプレイヤーはこれを必死で避けようとします。
当たり前ですがまずは死なないこと。
特にコアプレイヤーはスキル・アイテムはもちろん、時には段差や木の陰など、使えるものは全て使って死なないように立ち回ります。

次にロシャンから得られるイージス。
中盤戦の項目でも説明した通り、これを持っていると一回だけ死ななかったことにできます。

そして最後の最後、本当の緊急手段としてバイバックがあります。
お金を消費してリスポーン時間を0にすることができます。
中盤戦でも使われることはありますが、終盤戦ではもう後がないだけに派手に使われることが多いです。

ただし、バイバックそのものにもクールタイムが設定されています。
お金の許す限り何度でもゾンビアタックを仕掛ける、というわけにはいきません。

バイバックを使うと画面に表示され、音が鳴ります。
ドーンなのかゴーンなのかグワーンなのか、
どう説明したらいいのか分かりませんが、なんとも特徴的な音です。

バラック・4thタワー・エンシェント

既に書いた通り、ここまでの過程で投了していることも珍しくありません。
まだ降伏しない場合、有利なチームは有利を拡大しようと次々に敵陣に入り込み、建物を破壊していきます。

この辺りも詳しく説明すると色々あるのですが、とりあえず観戦の初歩としての解説の枠からははみ出しそうなので割愛します。
とりあえず各建物の画像をご覧ください。

バラック

陣営によってかなり見た目が異なる。
無視して4thタワーへと進むこともできるが、大抵の試合で壊される。
壊すとクリープの強化ボーナスが得られる。

Tier 4 タワー・エンシェント

エンシェントを守るように立っている4thタワー2本。
2本とも破壊して初めてエンシェントに攻撃できるようになる。

この辺りの建物が壊れ始めると、ゲームももう最終盤という感じです。
エンシェントが壊れた場合は終盤すら超えてゲームセットです。

もちろんこの期に及んで投了していないということは、逆に言えば何らかの勝ち筋が残っているということでもあります。
特にバラック3セット(計6つ)が破壊された状態からの逆転劇が起きるとそれはそれは盛り上がるのですが…
すみません、今回はもう説明しきれないので今後の記事のテーマとさせて下さい。

待ちきれない方は"mega creep comeback"などで検索をどうぞ。

まとめ

今回は「いつ、何が起きるの?」と題して、Dotaの序盤・中盤・終盤について解説しました。

序盤はリソースを振り絞るようなこまやかなプレイ。
中盤は地味な陣取りと派手な集団戦。
終盤は逆転を狙うスリリングな一手。
時間帯ごとの見どころを一言で表現するならこんな感じでしょうか。

今回の記事ではどうしてもゲーム内の仕様について説明することが多くなってしまいました。
「本当に初心者向けに書けているのか…?」とひたすら自問しながら書いてきましたが、どうだったでしょうか。

恐らく文字情報(と、ちょっとした画像)だけで全部一気に頭に入れるのは難しいと思います。
概要だけ頭に置きつつ、まずは何試合か観戦してみてください。
試合を見ながら、「そういえばあそこにこんなこと書いてあったなー」なんて思い返してもらえるような記事になっていればいいな、と思っています。

ちょうど今(公開日2022/6/12)、DPCのリーグ戦が開催されています。
毎度オススメしていますが、Liquipediaというサイトでは試合日程、配信サイトへのリンクなどはもちろんのこと、選手やチームの情報も充実しています。(注:英語です)

さて、最初にも触れたとおり、今年のTIはシンガポールでの開催です。
時差はほぼありません。
この大会を機にDota2の観戦に触れる方が一人でも増えればと思っています。

ワールドカップだけ見る"にわかファン"でもいいのです。
TIだけ見る"にわかファン"も、リーグ戦全試合見る"コアなファン"も大歓迎。

なお、私自身がプレイヤーではないこともあってあまり触れていませんが、Dota2日本サーバーの方も最近は色々な方面で盛り上がっているようです。
ゲームは見るよりやるのが楽しいんじゃ!って方はぜひそちらの方も覗いてみて下さい。

さて、今回も例によってかなりの長文になってしまっていますし、オチもつけずにこの辺で終わりにしましょう。
Dotaの記事はいつも気が付いたら文字数になってしまって、なんとかWeb記事として成立する程度まで削っていくのが大変だなと感じています。
改めて、ここまでお読みいただいて本当にありがとうございました。

それではまた。

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