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極限の場所の経済をめぐる旅 エクストリーム・エコノミー

「ユヴァル・ノア・ハラリ」はサピエンス全史でホモ・サピエンス種が躍進するきっかけの一つに「認知革命」があると語っている。
認知革命とは「虚構」を信じることができるようになり、サピエンス同士が協力できるようになった事を言う。

この虚構とは具体的には「貨幣・国・宗教」などがあげられる。
これらを信じる事で同種どうしの結束をすることができるようになったのである。
そんな虚構の中に経済というのも入ると自分は思っている。

虚構の経済であるが、人の生死に関わる重大な問題でもある。

今回紹介する「エクストリーム・エコノミー」はエクストリーム(極限)の場所のエコノミー(経済)を経済学者である著書がめぐる旅を書いた本だ。

この本で取り上げられている場所は「再生・失敗・未来」3つの種類の極限な経済を紹介している。

詳しく記すと以下のようになる。

再生の経済
・インドネシア・アチェ(災害復興経済)
・ザータリ難民キャンプ(拡大する非公式経済)
・ルイジアナ州立刑務所(通貨なき地下経済)

失敗の経済
・中南米ダリエン地峡(無法地帯の経済)
・コンゴ・キンシャサ(賄賂に支配された経済)
・グラスコー(産業なき経済)

未来の経済
・秋田(超高齢社会)
・エストニア・タリン(超IT化社会)
・チリ・サンティアゴ(超格差社会)

著者はこれら3つの種類の極限(エクストリーム)のいずれかが人の暮らしに重大な影響を与えていると言う。
また、世界の人たちの大半は、この3つが交じり合った場所に住むことになるだろうと予想する。
そして、経済の「先兵隊」的なこれらの地域が私たち人類に起こりうる未来の窓となるだろうとも言う。

確かに読んでいくと今後日本でも起こりうる現象が他の地域の事例にあり、なるほどという気持ちにさせられる。

どんな未来になるのが気になった人はぜひ著書と一緒にエクストリーム・エコノミーツアーに参加してほしい。

しかし、この本を読んでいると虚構であるはずの経済が生きているようにみえる。
人の営みの集積が経済だからなのかもしれないが不思議な感覚になった。
そのあたりも、ぜひ確認してほしい。







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