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会計係 勝利の方程式〜文章問題の真相〜

問題

1個80円のみかんと1個130円のりんごを合わせて10個買い代金の合計を1000円にしたい。みかんとりんごをそれぞれ何個ずつ買えば良いか。

この問題に秘められた物語
「会計係 勝利の方程式」

「1000円余っているんだけどどうする?」
 地区子供会の夏休み行事「みんなで合宿して交流を広げようプロジェクト」が行われていた。毎年夏休みに一泊二日で行っているこの地区の一大イベントだ。
 二日目の朝、朝食担当の保護者達は1000円余っている予算のことについて話していた。
「みんなに返金しますか」
 すかさず会長が提案した。
「何十円とか返金されてもねぇ」
と反論したのは会計係だ。実際は返金分の計算や細かいお金への両替などの雑務をするのは避けたい、という気持ちが強い。
「何かに使っちゃったら?」
「何かって、何に使えばいいかなぁ?」
 同調する他のお母さんたちも参加しはじめた。

 しめた!
 
 会計係は心の中でほくそ笑みながらも顔色には出さなかった。

 ここでもう一押し!

「例えば朝食に出すヨーグルトにフルーツを入れちゃうとか」

 我ながら会心の思いつき!

「あ、いいね。すぐそこの直売所、もう開いてるもんね」
「あそこ朝早いのよ。助かるわ」
「それにヨーグルトならフルーツの入れ方も適当でいいしね」
「ある程度に切って入れるだけでいいものね」
 みんな賛成ムードだった。
「私、買ってこようか?」
 会計係がこの戦いを決定づけるダメ押しをした。
「ほんと?お願い」
「いいよ。でもフルーツ何にする?」

 やったー!自分の時代キター!

 心でガッツポーズをしながら、あくまで会計係の表情は平然としていた。
「りんごとみかんでいいんじゃない?」
 その場にいるほとんどがうなずいた。
「オッケー。何個くらいあればいいかな?」
「合わせて10個もあれば十分だよね。1000円だから買えるのそれくらいでしょ?」
「確かに。朝食まで時間もないし、早速行ってくるね」

歩いて5分もしない所に直売所はある。
封筒に入った予算の残金1000円を持って直売所に着いた会計係は、りんごとみかんの価格を見た。

りんごは1個130円、みかんは1個80円。買う個数は合わせて10個。残金は残したくない。
ピッタリ買うためには何個ずつ買えば良いのだろう?

ついでに解きますね笑

りんごの個数をx個とすると、みかんの個数は(10−x)個。
130x+80(10−x)=1000
130x+800−80x=1000
50x=1000−800
50x=200
x=4
よって
りんご4個 みかん6個

いつもこんな物語考えたりしちゃうんですよねー。「何でこんな買い方してるんだろう?」って思っちゃうと、色々推理したくなって笑

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