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「イスラエル支援デモ」をめぐる外国勢力の謀略にまんまとハマってしまうテレビ朝日の愚かさについて。

あまりにもアホらしいので、軽く書いていきます。

昨日(2023/11/12)、東京都内で「イスラエル支援デモ」が開催されました。その様子は例えばテレビ朝日がこのように報道しています。

しかしこのデモは、テレビ朝日がいうように「イスラエルの支援者」が集まって行われたデモでは決してありません。

…いや、そりゃ「イスラエルの支援者」ではあるのでしょうが、極めて特殊な人々です。

論より証拠。まずはこの写真をご覧ください。

この写真はこのデモに先立って行われた集会の案内看板。隠すこともなく「原始福音キリストの幕屋 東京聖日集会」とあります。「原始福音キリストの幕屋」(以下、「キリストの幕屋」)という宗教団体の集会であったことがわかります。

宗教団体「キリストの幕屋」の集会であることを示す案内看板

デモに先立つ午前10時から約1時間半開催されたこの集会では、集会参加者を識別するため、胸に貼るシールが配布されました。

集会参加者に配布されたシール(公安の犬氏・藤倉善郎提供)

そしてこちらが、テレビ朝日が撮影したデモ本体の様子。デモ参加者の胸に同じシールが貼られていることがわかります。

テレビ朝日が報道するデモの様子

集会・デモともに僕も現場で取材しましたが、ほぼすべてのデモ参加者の胸にはこのシールが貼られていました。
シール着用率の高さからわかるように、このデモは、午前中に「聖日集会」に参加した「キリストの幕屋」の信者さんたちが、そのまま行ったものに過ぎないのです。いずれにせよ、11/12の「イスラエル支援デモ」は自発的に集まった市民のデモとは到底言い難い代物です

となると、テレビ朝日が用いる「イスラエルの支援者や在日イスラエル人らが都内でデモを行い、人質の解放などを訴えました」との表現は、あまりにも不正確と言わざるを得ないでしょう。厳密には、「宗教団体・キリストの幕屋が、集団礼拝の後、イスラエル支援を訴えるデモを行いました。」と表現すべきではないでしょうか。

…しかし、ね

これぐらいのことだったら別に何の問題もないんです。
「宗教団体がデモをする」こと自体には何の問題もありません。そのデモの主張が奇天烈なものであってもそんなものその宗教団体の自由です。そして、取材が浅く、テレビ局が宗教団体のデモだと見抜けなかったとて、何の問題もありません。

が、しかしですよ…

例えばこの画像をご覧ください。

今回のデモに関するプレスリリース文書

この画像は、今回のデモの主催者が流したプレスリリース文書のスクリーンショットです。このプレスリリース文そのものには何の問題もありません。「イスラエル救済委員会なる団体が、イスラエル支援のためのデモをやるんだな」という情報しかありません。

が、次の画像をご覧ください。
前掲プレスリリース文書は、メールの添付ファイルの形で報道各社に一斉送信されたものです。以下に掲載するのはそのメール本文のスクショ。
From欄 に要注目。

プレスリリース文書が添付されていたメール本文のスクショ

From: Press-Embassy Of Israel In Tokyo

となっているではありませんか。

氏名および連絡先電話番号が記入されているので公開するのは伏せますが、このメールのいわゆる「署名欄」には、駐日イスラエル大使館報道官の署名がそえられています。署名だけではありません。「取材参加に関してのお問い合わせ先」にも駐日イスラエル大使館の報道官の名前と携帯番号が明記(それも筆頭で)されています。これでは、「デモの主催はイスラエル大使館です」と言ってるようなものではありませんか。

事実、デモの現場でも「イスラエル大使館の広報官」と名乗る人物が取材中の僕に「誰か取材したい?幕屋の人でも、大使でも、インタビューしたければつないであげるよ?」と話かけてくるという珍事(?)も発生しています。こちらがその様子。


プレスリリースの撒き方やデモの現場での立ち居振る舞いを踏まえれば、イスラエル大使館が「自分たちこそデモの主催者である」と考えていたことは明らかです。つまりは11/12に行われた「イスラエル支援デモ」とは、「イスラエル政府が、日本国内での親イスラエル機運の高まりを企図して実施したもの」と言わざるを得ない代物なのです。もっと端的に言えば、「日本国内における外国勢力による世論誘導工作」にすぎません。

そのデモを「イスラエルの支援者や在日イスラエル人らが都内でデモを行い、人質の解放などを訴えました」と報道してしまうテレビ朝日は、まんまと「外国勢力の工作」に引っかかってしまった格好です。

いうまでもなく、イスラエルは紛争の当事者国です。紛争である以上、双方ともに主張は先鋭化しがち。そうであるならばなおさら、報道機関はその主張の取り扱いに注意をする必要があるはずです。よもや「無批判に片方の主張のみを垂れ流す」などということがあっていいはずがありません。テレビ朝日の今回の報道姿勢は、その意味で極めて残念なものであると言わざるを得ないでしょう。

なお、今回のデモの主役≠主催「キリストの幕屋」は、過去にもこうした「情報工作」の片棒をかついでいた”前歴”があります。その代表例が、小林よしのりや大月隆寛などが参画し猖獗を極めた「新しい歴史教科書をつくる会」。そうした「キリストの幕屋の前歴」や「キリストの幕屋とはいかなる教団か」については、メルマガ等でまた稿を改めてご報告します。

今回のところは、ここまで。ではでは。

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