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【ブロードウェイ観劇】 ハリーポッターと呪いの子

長文、ネタバレありのため注意!

劇場について

Lyric Theatre


チケットについて


抽選方式で購入。一枚$40。
ニューヨーク時間で月曜午前0時から金曜午後1時の間に、以下URLから翌週分の上演の抽選にエントリーできる。最大8公演ほど一気に申し込むことができ、チケット枚数も各公演2枚まで抽選にかけることが可能。当選した場合、ニューヨーク時間金曜午後1時から5時の間にメールまたはメッセージが届くので手順に沿って個人情報やカード情報の登録が求められる。支払いはオンラインだが、チケットは実際に劇場横のチケットボックスに出向き受け取る必要がある。


座席について


ロタリーチケットのため座席の選択はできず、チケットを受け取って初めてどこの席か知ることができる。今回はorchestra V12, 14だった。かなり後ろで見づらいだろうと予想していたが劇場がそれほど大きくないからか全体がしっかり見え、個人的には満足。キャストの表情は頑張れば見える程度。

大まかだが赤で示したあたり。
orchestra V12からの眺め。


ハリーポッターと呪いの子魅力① 劇場に入った瞬間から楽しめる

劇場内がハリーポッターの世界観なので、上演が始まる前から写真を撮ったりして楽しめる。映画でもお馴染みの守護霊(パトローナス)が壁一面に描かれていたり、インスタグラムのストーリーズからカメラをかざすと動く肖像画など、魔法の世界が体感できるのも魅力だ。

ハリーの守護霊、牝鹿。他にも様々なキャラクターの守護霊が描かれている。
インスタグラムのカメラをかざすと動き出す肖像画。

また、グッズの販売も充実しており、販売ブースは2箇所ある。他の劇場でもグッズの販売はあるが、どこもかなり小規模のためこれには驚いた。さすがハリーポッター…
お菓子や飲み物の販売ブースも別にあり、映画でも登場するカエルのチョコレートに加え、杖型のチョコレートも販売されている。
上演開始30分前頃から混雑し始めてくるので、写真を撮ったりグッズを購入したい場合は少し早めに行くのがおすすめ

ハリーポッターと呪いの子魅力② 成長したハリー達や映画でもお馴染みのキャラクター達を見ることができる

物語の主役はハリーの息子アルバスと、マルフォイの息子スコーピウスだが、映画内のキャラクター達も登場する。
ハリー、ロン、ハーマイオニーはそれぞれ成長した姿で登場するが、ホグワーツの先生達やヴォルデモートも見られるのでファンは大興奮だ。個人的にはディメンター嘆きのマートルにぜひ注目してほしい。

左から成長したハーマイオニー、ロン、ジニー、ハリー、マルフォイ。


ハリーポッターと呪いの子魅力② ストーリーがおもしろい

ハリーポッターシリーズの作者、J・K・ローリングとその他2名による原作を元に脚本が書かれているため、なんといってもストーリーがおもしろい。
魔法界に平和が訪れてもなおヴォルデモートが残した爪痕は深く、それがハリー達家族を苦しめている様子や、それぞれの家族の親子関係に苦悩する姿が描かれている。少し長いが以下あらすじ抜粋。

舞台は、シリーズ第7作目の「ハリーポッターと死の秘宝」から19年後(2017年)のイギリス・ロンドン。
ハリーポッターは19年前のヴォルデモート卿との闘いに勝利し、魔法界では一躍有名な存在となり、妻ジニー(ロンの妹)と3人の子どもと争いのない平和な日常を過ごしていました。

物語の主人公となるのは、3人の子どもの中で唯一、父ハリーポッターの緑の目を受け継ぎ、容姿そっくりに生まれてきた次男アルバス・セブルス・ポッター(ミドルネームのセブルスは、尊敬するスネイプ先生の名前からとられた)。ハリーポッターと瓜二つの彼は、英雄と呼ばれる父の息子であることにプレッシャーを感じていました。

そんなアルバスがホグワーツ魔法学校に入学するのをきっかけに、物語が動き始めます。
望んでもいない「ハリー家の伝説」という世間からの重圧と、魔法学校に入学をすることによって、今まで知らなかった過去の事実を目の当たりにし不快に感じ始めるアルバス。

ある日、魔法省(ミニストリー)で働くハリーポッターのもとに、車いすに乗った老人:エイモス・ディゴリーが訪ねてきます。彼は、かつてホグワーツ魔法学校で行われた「三校対抗試合」で亡くなったセドリック・ディゴリーの父親で、魔法界において使用禁止とされている「逆転時計(タイムターナー)」を使用し、息子セドリック・ディゴリーを蘇らせて欲しいとのことでした。
ハリーポッターは勿論拒否をするのですが、噂を聞きつけたアルバスが、過去の事実を知りたいがために「逆転時計(タイムターナー)」を盗み、ドラコ・マルフォイの息子:スコーピオと、エイモスの姪っ子:デルフィーニと一緒に、過去へとタイムスリップしてしまいます。

タイムスリップにより過去と現在が不吉に融合し、時空と並行世界を股にかけた父と子の闇は、果たしてどんな方向へと進んでいってしまうのか…。

https://www.at-broadway-musical.com/%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%82%AB%E3%83%AB%E4%BD%9C%E5%93%81%E4%B8%80%E8%A6%A7/%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9D%E3%83%83%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A8%E5%91%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E5%AD%90_harry_potter_and_the_cursed_child/#two

ハリーポッターと呪いの子魅力③ 演出から目が離せない

あの映画の世界観を演劇でどう表現するのだろうと上演前から楽しみにしていたのだが、驚きの連続だった。
特に魔法を使ってのバトルシーンが見所だ。キャストの動きに合わせて炎や光が出る演出に圧倒される。これでもかってほど炎を出すので劇場燃えないか心配になる…まあその辺りはしっかり安全基準に則っているのだろう。
場面転換ではキャストが舞台装置を動かすことが多いが、みんな黒いローブに身を包んでいる。ローブが黒子の役割を担っているのは少し面白かった。黒子のキャストが舞台から去るときに、バサっと音を立てながらローブをひるがえす瞬間も格好いい。
演出で気に入ったシーンはアルバスとスコーピウスの思いが交錯するところだ。動く階段を使い、互いの気持ちがすれ違う様子が現れていたのが素敵だった。また、逆転時計を使って時空間を移動する場面では、プロジェクションマッピングのような演出で空間が歪んだり、キャラクター達のセリフにエコーがかかったりと驚きだった。まあこの辺は実際に見てもらった方が早いということで以下YouTubeから。


ハリーポッターと呪いの子魅力④ 自分の座席で飲食物を注文、受け取りができる

多くの劇場では販売ブースに自分で出向き、時には並ぶ必要もあり、開演時間が迫っていたりすると間に合わないかもしれないという気持ちからかなり焦る。また、大抵ブロードウェイの劇場は席と席の間がかなり狭いので、移動するだけで一苦労だ。通路側の席ならまだしも奥の席だと座っている人たちに一声かけてわざわざ立ち上がってもらう必要があったりする。
しかしこの劇場では、自分の前の座席の背もたれにQRコードが貼り付けられており、スマートフォンのカメラで読み取ればオンラインで自分の欲しいものを購入することが可能だ(上演開始前と幕間のみ)。しかも劇場スタッフが袋に入れて自分の席まで注文したものを届けてくれる。わざわざ立ち上がって移動する手間が省かれるって素晴らしい。劇場側もお客さんに長蛇の列を作られるより楽なのではないか。これは他の劇場でもぜひ取り入れてほしい。


観劇前に知っておきたいこと

魅力満載のハリーポッターと呪いの子だが、いくつか予め上演前に知っておきたいことがある。

  1. 上演時間が3時間半とかなり長い。第一幕は開始から1時間半を過ぎたあたりで終了し、15分の休憩を挟んで第二幕が始まる。幕間の15分はトイレに並ぶ人が劇場内に溢れるので、できれば上演開始前にお手洗いを済ませておくと無難だ。幕間にトイレに並ぶ場合は第一幕終了後すぐにお手洗いへ向かうことをお勧めする。(特に女性!)

  2. ストレートプレイと呼ばれる、歌唱を含まず、セリフを中心に物語が進んでいく演劇のため、音楽や歌を楽しみたい人には少し物足りないかもしれない。BGM程度にそれぞれの場面ごとに一応音楽はある。サウンドトラックの販売もあったが、よほどコアなファンでない限り手に取らない気がする…ちなみにSpotifyにもあったから気になる人は聞いてみてもいいかもしれない。(以下参照)

  3. 英語が苦手な人や映画をしっかりみていない人は予めストーリーを予習していくことを強くお勧めする。主人公達が逆転時計を使って過去や未来に行ったりする内容は意外と複雑なので、予習しておくと理解しやすい。また、映画の内容とつながっている部分も多々あるので、観劇前に見直しておくとより楽しめる。せっかく観劇するから事前に内容を知りたくない!という人もいるかもしれないが、ストーリーを知っていても演出に驚かされること間違いなしなので、退屈に感じることはないだろう。


観劇を終えて

上演開始前は長いなと感じていた3時間半があっという間だった。映画の中の世界が3Dでこの現実世界に現れていて、目の前であの魔法が繰り広げられる。ブロードウェイ作品の中でもずば抜けて特殊効果が素晴らしかった。ショーに対する満足感は100%だが、残念なことに前の席に座っていた人たちが上演中に立ち上がって移動したり、スマートフォンをチェックしたりすることが何度かあった。自分のためにも、周りの人のためにも観劇の際にはきちんとマナーを守ることを肝に銘じておこう。大切な瞬間を奪わないように。

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