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【ブロードウェイ観劇】 Kinky Boots

これを書きたくて見終わってからうずうずしていたのだが、なかなかまとまった時間が取れず、こうしてやっと文字にできるのが嬉しくてたまらない。文面だけ見るとそうでもないが書きながらニヤニヤが止まらないのである。

というのもこの作品が個人的にかなり好きなブロードウェイショーの一つであるからだ。愛して恋してやまない作品なのである。
というわけで終始テンション高めで書いていく。

劇場について

Stage 42
こじんまりとした小規模の劇場。


チケットについて

TodayTixから購入。キンキーブーツのウェブサイトに抽選サイトの案内もあるが、FacebookまたはLinkedinのアカウントと連携しないと申し込みできないようで、どちらのアカウントも持っていない身としてはわざわざ作るのは億劫で、普通にウェブサイトから購入。


座席について

今回は抽選チケットではないので、チケット購入時に座席を指定した。席の番号は忘れてしまったが、2階席左側だった。小さめの劇場なので、2階席でもステージとの距離はそこまで離れていないように感じられたのがよかった。



あらすじ

イギリスの田舎町ノーサンプトンの老舗の靴工場「プライス&サン」の次期社長として産まれたチャーリー・プライス。彼は父親の意向に反してフィアンセのニコラとともにロンドンで生活する道を選ぶが、その矢先父親が急死、工場を継ぐことになってしまう。
工場を継いだチャーリーは、実は経営難に陥って倒産寸前であることを知り、幼い頃から知っている従業員たちを解雇しなければならず、途方に暮れる。従業員のひとり、ローレンに倒産を待つだけでなく、新しい市場を開発するべきだとハッパをかけられたチャーリーは、ロンドンで出会ったドラァグクイーンのローラにヒントを得て、危険でセクシーなドラァグクイーンのためのブーツ“キンキーブーツ”をつくる決意をする。チャーリーはローラを靴工場の専属デザイナーに迎え、ふたりは試作を重ねる。型破りなローラと保守的な田舎の靴工場の従業員たちとの軋轢の中、チャーリーはミラノの見本市にキンキーブーツを出して工場の命運を賭けることを決意するが…!

http://www.kinkyboots.jp/


Kinky Bootsの魅力① 魅力あふれる楽曲

このミュージカルの作詞・作曲を担当したのはあのシンディ・ローパーである。これを書くために彼女について調べていたら、出生地はブルックリンとのことで勝手に少し親近感が湧いた。(心底どうでもいい笑)
一曲一曲がとても際立っているので、Kinky Bootsのプレイリストについて語るだけのnoteを1本書きたいくらいである。

中でも個人的に好きなのは、主人公ローラの登場シーンで使われる、
Land of Lolaだ。プレイリストではオリジナル・ブロードウェイキャストのBilly Porterが歌っており、彼の歌声とローラのキャラクターがぴったりとハマっている。


実際のLand of Lolaが歌われるシーン。Billy Porterの綺麗な映像がなかったのでこちらはMatt Henry演じるローラで。(ネタバレ嫌な方は実際のブロードウェイでお楽しみを。)


Kinky Bootsの魅力② セクシーで見応えのある衣装

主人公、ローラがドラァグクイーンということもあり、役者さんたちが着ている衣装もセクシーだ。初めてこのショーを観た時には、ドラァグクイーンという世界についてあまり知らなかったことと、まして普通に日本で生活しているとなかなか目にすることがない肌の露出具合に、頭の片隅で「おおっと〜?これは目を向けていいものなのか〜?でも見たいなあ、いいですかね?」とすけべ野郎みたいな実況中継を繰り広げていたが、ショーを観続けていくうちにそんなことも気にならなくなってくる。笑

ローラ自身もLand of Lolaの歌詞の中で
"No need to be embarrassed, I like being looked at. And you like to look. I know a way to make us both happy."
『恥ずかしがることないわ、わたしは見られるのが好きなの。あなたは見るのが好き。どちらも嬉しくなる方法を知ってるわ。』
と歌っているので遠慮なくがっつり見るとしましょう。笑

むしろそんなセクシー満載の衣装を着こなしている男性役者さんたちに尊敬すらする。女であるわたし以上にきっと彼らの方が着こなせるし、それでいて女をより誇張してくる。とにかく女以上に色気満載なのだ。

https://www.nytimes.com/2022/08/25/theater/kinky-boots-review.html

Kinky Bootsの魅力③ 主人公ローラのキャラクターに惚れる

ブロードウェイ・オリジナルキャストのBilly Porterがローラというキャラクターを作り上げたと言っても過言ではないと思う。きっと彼なくしてこんなに魅力的なローラというキャラクターは生まれなかっただろう。願わくば彼が演じるローラを見てみたかったが、他の役者さんたちの作り上げるローラも素晴らしい。
あらすじからもわかるように、ローラというキャラクターはなかなか個性的だ。ダークスキンでドラァグクイーン、一見変わり者の彼女だが、底なしの明るさとユーモアを持ち合わせており、真っ直ぐに自分を表現している姿は観ていてとても気持ちがいい。ショーが進むにつれ、そんなローラの影の部分に触れる場面もあり、ローラという人物の人間らしさにぐっと引き込まれる。

Kinky Bootsの魅力④ 笑顔にさせてくれる作品

ブロードウェイショーで素敵な作品はもちろんたくさんあるが、この作品に関して言えば、間違いなく観た人を笑顔にさせてくれる作品である。キャラクターたちの人生の光と影、諦めずに立ち向かう姿、恋愛要素など、どれをとっても魅力的なストーリーが一つの作品に織り込まれていて、豪華な楽曲とともに展開していくから目が離せない。
そしてショーが終わる頃には、キャラクターたちの生き方に観客側もパワーをもらったり、少し大袈裟かもしれないが、何か生きる希望みたいなものを与えてもらったりする。


観劇前に知っておきたいこと

1.  写真撮影スポットがたくさんある
劇場内にアンティークのポスターやミュージカル内に登場するブーツがパネルとして設置されているので、観劇前後に余裕をもっておくと写真撮影などして楽しむことができる。

2. 劇場には余裕をもって向かう
開演ギリギリに行くと劇場内に入るまでにかなり並ぶことになるので、余裕を持っていくことをお勧めする。


観劇を終えて

初めてこのショーを観たのはシカゴだったが、2回目となる今回の観劇は初回をさらに上回る感動があった。初めて観た時には観劇した席がかなりステージに近かったこともあり、役者のパワーに圧倒され、推しのライブを見に来たファンのように、かなり興奮していたのをよく覚えている。同時に、圧倒されすぎて人物を目で追うのに必死になってしまっていて、全体をしっかり見ることができていなかった。
今回はステージから少し離れたところから見たので、ショーを全体から見ることができた。ミュージカルは席によって見え方が全然違ってくるとよく言われるが、本当にその通りだと思ったし、こればっかりはどちらがいいとは言い難く、その人の好みの見方による。好きな作品だったらこうしてその都度違う席から見てみるのもありだと感じた。
ミュージカル鑑賞、なかなか奥が深い。

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