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【ブロードウェイ観劇】 オペラ座の怪人

ニューヨークのブロードウェイでオペラ座の怪人を観劇したので記録としてまとめておく。感想部分ネタバレありのため注意!


劇場について


Majestic Theatre
247 W 44th St, New York USA
タイムズスクエアから徒歩で5分ほど。


チケットについて


ブロードウェイのオペラ座の怪人のホームページ(以下URL)からチケットを購入する場合は2つの方法がある。通常の日時座席指定が可能なチケットを購入するか、ロタリーと呼ばれる抽選方式での購入が可能だ。旅行などでニューヨークに滞在する期間が短かかったり、座席を選択したい場合は確実な日時座席指定チケットを購入するのをお勧めするが、日数に余裕があったり座席に妥協できる場合は、格安でチケットを購入できるのでロタリーをお勧めする。今回はロタリーでたまたま当選したので運よく格安でチケットを得ることができた。


座席について


大抵ロタリーで当たったチケットは売れ残っている座席が多いため、舞台が見えづらいことが多くあまり期待できないのだが、今回は運が良かったらしくオーケストラ(劇場1階)の上手(右側)前から3列目とかなりいいところに座ることができた。
後で調べた結果、座席指定で今回と同じような席のチケットを入手した場合、$170以上するようだが、今回はロタリーで$44で購入できた。以下のURLから席の確認ができる。


あらすじ


舞台は19世紀のパリ・オペラ座。そこでは不可解なことが数多く起き、幽霊『オペラ座の怪人』の仕業だと劇団員の間で囁かれていた。音楽の天使の存在を信じるコーラスガール、クリスティーヌは代役として主演を務めた舞台で大成功を収め、幼馴染のラウルとの再会を喜ぶが、その晩クリスティーヌは楽屋から忽然と姿を消してしまうーーー。


⚠︎以下ネタバレ含むため注意⚠︎



感想


1.役者さん達と歌唱力
歌唱力役者さん達の歌唱力が素晴らしい。オペラの歌い方なのでそう感じるのかもしれないが、今まで観たミュージカルの中でずば抜けて歌の完成度が高かったと感じた。

怪人 (played by Ben Crawford)
ミステリアスな雰囲気を醸し出しつつ、それでいてどこか儚げで孤独な怪人が表現されていた。序盤は割と恐ろしさの方が勝り、恐怖を感じさせるような場面も多々あるが、中盤からクライマックスにかけて、曲によっては歌い方が実に切なく哀愁漂う感じで、クリスティーヌへの淡い恋心が歌に表れている。怪しい反面、そこに色気も感じられるほどだ。人々を恐怖に陥れる恐ろしげな面をもちながら、人の愛を受けられなかった孤独で繊細な面をもちあわせる怪人から終始目が離せなかった。

クリスティーヌ (played by Julia Udine)
役者さんもこれぞクリスティーヌという感じの方で、役にぴったりハマっていたように思う。容姿がとにかく美しく、集団の中にいてもつい目で追ってしまう。
怪人がクリスティーヌをオペラ座の地下へ誘いながら、"Sing for me!" と歌うよう促し、クリスティーヌの美声が劇場内に響き渡るシーンは圧巻だった。

他の役者さん
物語の内容がオペラなので、バレリーナや他の役者さん達の動きも洗練されていた。バレエの動きがとても綺麗で手先からつま先まで動きが作り込まれていたのが印象的で、品があって美しかった。

2.ストーリーと演出
ストーリーが良かった。観劇前にネットでさっとあらすじを確認した程度だったが、内容に理解が追いつかないことはなかった。オペラの歌い方なので他のミュージカルと比べるとセリフからストーリーを追うのは難しいかもしれない。もともとイギリスのウェストエンドで上演されていたものだからかもしれないが、セリフがイギリス英語なことにも驚いた。
第一部は1時間半と割と長めで、物語がゆっくり進む印象を受けたが、幕間を挟んでの第二部からはかなりストーリー展開が早かったように思う。
ところどころで演出に首吊りのシーンや役者が殺されるシーンなども含まれるので大人向けであることは確かだ。自分自身ミステリーやホラー系の話が少し苦手なので、発砲音やバレリーナ達の金切り声など大きな音に毎回ビクッと身を震わせてしまった。
また、シャンデリアが圧倒的な存在感を放つ。オープニングでのシャンデリアの登場シーンはとても印象的で、一気に物語の世界観に引き込まれる。中盤でシャンデリアが落ちてくるシーンは文字通り本当に落ちてきて驚かされた。

3.音楽
誰しも一度は耳にしたことがあるであろうテーマソングは力強く、劇中で何度も登場する。テーマソング以外にも怪人に怯えている様子を表現した不安定な曲もあれば、マスカレードの場面のような華やかな楽曲や、怪人の切ない恋心を表現したものもあり、劇中でそれぞれの場面に合わせて使われている楽曲ひとつひとつがとても印象的だ。今まで観たミュージカルでは男性の指揮者しかみたことがなかったが、今回は女性が指揮を振っており、新鮮で格好良かった。

4.衣装
19世紀のパリを想像させるような伝統的で豪華な衣装ばかりだ。ドレスも細部まで細かい装飾が施されていて衣装だけでも見応えがあった。

5.舞台装置、装飾
オープニングでは舞台装飾が布に覆われているが、シャンデリアの登場とともに布が取り払われ豪華な舞台装飾が登場する。
怪人がクリスティーヌをボートに乗せてオペラ座の地下に広がる湖を進んでいくシーンのキャンドルがとても幻想的だった。怪人の住処の装飾も見事だ。


まとめ


クラシックだから内容楽しめるのか、退屈に感じないだろうかなどというつまらない考えはすぐに消え、観終わった頃には圧倒されすぎて言葉が出なかった。やはり歴史がありロングラン上映しているミュージカルは格が違った。今回の座席が良かったこともあり、やはりミュージカルはいい席で観るに限ると感じた。(前の週にアラジンを観たが席がよくなかったので正直観劇レポートを書くには不十分だった。観直したらまとめたい。)内容が大人向けなのでお客さんの年齢層も全体的に少し高く、落ち着いている印象を受けた。また絶対に見たい作品だ。

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