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ユーザーを限定することがゲームの寿命を延ばす

 前回の記事の最後に書きました「艦これのアンドロイド対応」のお話です。それに限った話ではなく「ゲーム全体の展開の話」とお考えください。何度も申し上げますけど、別に艦これを悪者にしているわけじゃありません。例えとして使いやすいだけなんですw

 これはゲームに限った話ではありません、様々なものに対して当てはまることですが、そのモノを使える人使う人のすそ野が広がると、当然少ない時よりも色々な声が多くなります。それによって改善されていくものもあれば限界があり進化を止めるものもあります。「使いやすくする、わかりやすくする、簡単にする」という行為は端的に申し上げれば「バカに合わせる」ということです。
 艦これにしても元はPCのブラウザでしかできないゲームとして誕生しました。それが数年前にアンドロイド端末でプレイが可能になり、これによりユーザーは増えた(多分)ことでしょう。サーバーの定員の問題とかは置いておくとして、少なくとも「選択肢が増えたことによりプレイが可能になった層」というのは間違いなく増えたはずです。あの時私としては「あー、やっちまったな」というのが正直な感想でした。確実にユーザーの質は下がるであろうと思っていましたが、当たりましたね多分。ブラウザに限定していたからこそ保てていた民度があそこで一気に下がったと思います。それが先述の斜陽になったという理由です。別にパソコンでやっている人間のほうが何事においても賢くヒエラルキー上位であるなんて傲慢なことは言いませんが、少なくともユーザーを限定するという材料としては揺るがないと思います。現代でパソコンとスマホの所持率を比べれば、それは間違いなくスマホのほうが多いことでしょう。

 それを踏まえて考えてみましょう。元々艦これはサーバーへの着任数が限定されています。そこに空きが出た、サーバーを増強したなどで着任できるようになって人が増える。かく言う私も2014年に鹿屋サーバーが増設された際の着任です。とはいっても他のソシャゲなどとは違い青天井でユーザーを増やすことが出来ないゲームです。ですので、「人口が増える」というのは若干語弊を招くかもしれません。どちらかと言えば「ユーザーの入れ替えが発生する」のほうが相応しいでしょう。というのも艦これには明確にサービスを打ち切るというシステムが存在しません。引退といっても結局データは残っています。運営側からの強制的な削除がされない限りはアカウントは生き続けます。ですのでアクティブユーザーの増減があるということであって、プレイヤー数の内部的な分母はそう変わっていないということです。DMMという土台ありきでのゲームですから完全なアカウント削除は困難かもしれませんが、これは出来るようにしておけば良かったかなと思っています。その方が明確なプレイヤー数の把握や管理としては楽だったと思います。また、それがあったせいで下手に20歳未満はダメという基準まで作られました。パンツ見えるくらいで制限してるわけじゃないですからね。

 結果として私たちのような長くやっていた人が飽きて辞め、そして新規で入ってきたまだやる気に満ち溢れた人たちでは考え方や世代が変わってくるのは当然です。また前述の通りプレイ環境が変わっていることによる様々な見解の違いも生まれます。アンドロイド端末でのプレイは傾向として若い世代のほうが多いことでしょう。おそらく統計を取ればそれは数として示せると思っています。何度も言いますがパソコン組が偉いというわけではありません。ですが、スマホしか持たない層が本来の艦これというゲームの仕組みを理解しているかといえばそうではないでしょう。そして周りにあふれる数々のソシャゲと比較し「なんで艦これにはガチャがないのか、金で解決できないのか」などという、艦これが当初から唱えているあり方に文句を付け始めます。この声が全て間違っているとは言えませんが、少なくともズレた感覚であることに疑いはありません。女性専用車両になんで男は入れないんだ的な発言に近いと個人的には思っています。

 なぜそうなったか、なぜこのシステムなのか、その理屈を知らずに途中から入ってくるのは仕方のないことですが、できればそれを理解する努力はユーザー側にしてもらいたいところです。それもせずにただ自分の都合だけを優先した声をあげる人は、個人的にはクレーマーでしかないと思っています。やれ設計図だカタパルトを課金にしていくらでも改装できるようにしろとかですね。それやったらゲームバランス崩れるって理解できないんすかね?出来ないからそういうこと言うんでしょうけど。結局そういった層が相対的に増えたのはやはりプレイする土台の変化が大きかったことでしょう。アンドロイド悪というわけでなく、時間の進行と技術の進化にゲームがついていけなかったとも言えます。そして艦これがそれについていけないゲームだったんだろうなとも私としては考えています。

 次の世代に譲るといってしまえば簡単ですが、ぶっちゃければ血の入れ替えがあの時発生したともいえるでしょう。新しいユーザーを求めるのは商売として当然ですが、その方向性を誤ったのではなかろうかというのが結論です。それが結果として自分たちの首を絞めゲームの寿命を縮める結果になったんじゃないかなーって、なんかもやもやしながら2期以降はやってた気がします。


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