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【回顧録】映画のエキストラ体験

映画の企画の文章を打っている時に思い出した。
とある映画のエキストラで出たこと。



ドラマがヒットすれば映画化という流れはよくある。
某ドラマにどハマりしてグッズやDVD-BOXまで買っていた自分に舞い込んできた情報。


【◯◯町にてエキストラ募集】


なんと車で行ける場所で、その作品のエキストラを募集していたのだ。
地方民には嬉しい情報に飛びつかない訳がない。
都内でのロケではエキストラも抽選になっていたけど、その場所は車がないと行けない不便な場所だったのですんなり参加出来る事になった。



その日は明け方くらいに出発し、朝6時集合だったけど余裕で到着。
ひとりで参加したけど、そこは問題なし。
受付をして待機場所に並べば、同じくひとりで参加していた人達と一緒にドラマの話をしつつ、エキストラの衣装に着替えて待機時間を楽しく過ごせた。
昔からイベントやライブもひとりで参戦する事もあったんで、その辺は慣れかも知れない。
現場に行けば作品や演者が好きな人ばかりだから、会話にも困らないし逆にマニアックな話をしても通じたり共感出来るのもいい。



いよいよ撮影現場へ。
まず驚いたのは、待機場所近くに主要キャストの人達が普通にしゃべっていたこと。
移動中にも主要キャストの人達と普通にすれ違ったこと。
道ですれ違うくらいの距離で、テレビの中の人がしゃべってるよ???めっちゃ近くにいるよ???と早くも脳内がバグる。
大きなライブ会場では表情が認識出来るか出来ないかくらいだったから、バグりすぎて逆に冷静になってこちらも普通に通り過ぎてしまった。



次に驚いたのは、リハから本番まで半日かけてワンシーンを撮ったこと。
映画では数分にも満たないシーンだったけど、こんなに時間をかけて撮るものなんだ…と映画撮影の大変さを少し感じる事が出来た。
エキストラ役はずっと座ったままで時たま応援するガヤをしただけだったけど、演者さんは何回も同じ台詞を言ったり走ったりと大変。
それにスタッフの数も半端ない。
映画って本当に大人数で時間をかけて作ってるんだなぁと改めて知った。



休憩中も勿論カメラ撮影禁止だったんで、和気藹々と話をしているキャストを目に焼き付けたり愛でたり、本当に存在するんだな…と当たり前の事を思ったりもしてた。
最後に主人公役の方がエキストラに挨拶をしてくれて、いいもん観れた…と、記念品のステッカーを貰い大満足で帰宅。



その映画が完成し上映された時に、あのシーンはこうなってたのか…と更に驚き。
周りが田んぼしかないような場所が、まるで都会のような背景になってるし、CG技術って凄いんだな、と。
なんちゃってエキストラの自分もしっかりと写っていて、発見した瞬間は感動のシーンなのに一瞬で涙が引っ込んだ。
映画を観た身内から「よく写ってたね」と報告の連絡も受けた。恥ずかしいやら何やらよくわからない感情だった。


多分、最初で最後のエキストラ体験。
大好きな作品の一部にもなれた事を今でも嬉しく思う。

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