見出し画像

ブロッコリー栽培気象条件の分析

 前回のリーフレタスに続いて,ブロッコリーについても積算気温との関係を見ていきたいと思います。ブロッコリーはポットに播種して自家育苗後,定植しています。


 定植日から収穫日前日までの積算気温と,収穫したブロッコリーの平均株重の関係をプロットしたものが下図です。

画像1


 積算気温が上がるほど,株重が軽くなってしまっています。畑に置いておけば置くほど株が小さくなる,これは何かおかしいです。


 ブロッコリーは花(花蕾)の部分を食用にします。ですから花が咲く条件が整ってはじめて野菜としてのブロッコリーになるわけです。ブロッコリーはバーナリ型植物と呼ばれる特徴を持っていて,花ができるためには,一定の低温にあたらなければならなりません。低温にあたって花芽が分化したのち,花蕾が成長していくので積算気温で評価できる期間は,花ができてからの収穫するまでの期間ということになります。

 花ができる条件を平均気温20℃以下の日が合計14日以上(連続でなくてもOK)になったらとして,花芽分化後から収穫日前日までの積算気温と株重の関係を表したものが下図です。

画像2


 ばらつきが大きいですがなんとなく右上がりの関係になりました。赤い線で示す回帰式も同様に右上がりです。

 上図の赤い点は実は育苗に失敗してしまったので,購入した苗を定植しました。そのため他の点とは栽培品種が異なります。そこで上の図から品種の異なる赤い点を除いたものが下図になります。

画像3


 大きく外れた点はまだありますが,おおむね右上がりの直線に近い形になっています。関係性の強さを表す相関係数も0.45となり,花芽分化後の積算温度と株重には関係があると言える結果となりました。
 

 この方法を使えば,気温の予測データから収穫日を予測することができそうです。ただし,品種が異なると,花芽分化の条件も異なるので同一品種のデータを用いることが必須になります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?