野菜市場価格の予測　2022年3月

野菜の2022年3月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」，「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。

※１　過去（2月まで実績）と将来（3月の予報）の気象データを使用して機械的予測を行います。

※２　予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。したがって小売価格とは異なります。

※３　予測するのは月平均値（図中の点）です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲（図中の赤網掛け）として表示しています。

2月の実績

※2月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。

①ブロッコリー

ブロッコリーの2月予測価格328～402円/kgに対して実績は300円代後半の推移で，ほぼ予測範囲内でした。月内で大きな変動は起きていません。予測精度は良い結果となりました。

②レタス

レタスの2月予測価格216～276円/kgに対して実績は，250～290円/kg程度で推移しました。2月28日の実績は254円/kgとなっています。予測範囲よりやや高く，精度としてはやや劣る結果となりました。

③キャベツ

キャベツの2月予測価格115～131円/kgに対して，実績は上昇トレンドではあったものの90円代後半から110円/kg程度で推移しました。2月28日の実績は109円/kgです。12月と1月に引き続き予想との乖離が大きくなっています。

④ほうれんそう

ほうれんそうの2月予測価格386～519円/kgに対して上中旬はは予測範囲のやや上レベルで推移しました。月末にかけては下落傾向で，2月28日の実績は467円/kgとなっています。平均的に見ると予測範囲内には入る結果となりました。

⑤なす

なすの2月予測価格390～456円/kgに対して，予測範囲の高値側で推移しました。月内でも変動は少なく，2月28日の実績では451円/kgとなっています。精度は比較的良い結果と言えます。

⑥きゅうり

きゅうりの2月予測価格285～377円/kgに対して，上中旬は400円/kg以上で推移しましたが，下旬にかけて急激に下降して2月28日の実績は348円/kgとなっています。下がり始めるタイミングが遅かったですが，下降することは予測できていました。

2月予測結果の検証

精度良く予測できたのは，ブロッコリー・ほうれんそう・なす，やや低かったのはレタス・きゅうり，低かったのはキャベツでした。

2月の気象条件の特徴は，気温は全国的に平年より低く，特にこの時期の主力生産地域の西日本でかなり低くなりました。一方で日照時間は平年よりも長くなっています。この傾向は1月から続くものです。実績と予測に用いた気象予報値に大きな乖離はありませんでした。

気温が低く生育については遅れ気味になる可能性がありますが，日照時間が長いこと，晴天が多いく放射冷却で夜温が下がりやすい＝昼夜の温度差大きいという天候の傾向から，品質には良い影響を与えているのではないかと考えられます。このことが予測している6品目のうち5品目が予測範囲の高値側の推移となった理由の一つではないかと推定しています。

キャベツについては12月から2月上昇の傾きはほぼ予測通りですが，価格は大きく安値側となっています。この予測は過去のデータをもとにしていますので，市場流通構造が過去と大きく変わってしまっていることを示唆しています。夏季以外は安値傾向が続く可能性があります。

3月の予測

予測手法が持つ誤差に加え，次月の気象条件を予報値でインプットするため，誤差要因はさらに広がります。

本予測値をご利用した結果については責任を負いかねますのでご了承お願いします。

変動の傾向
①ブロッコリー：↘　
②レタス：↘　
③キャベツ：→　
④ほうれんそう：↓
⑤なす：↘
⑥きゅうり：→

以下（有料150円）は変動範囲の具体的金額と推移図を掲載しています。

①ブロッコリー
　270～340円/kg

②レタス　
　176～234円/kg

③キャベツ
　96～112円/kg
　（乖離の傾向を考慮すると86～102円/kg？）

④ほうれんそう　　　
　324～448円/kg

⑤なす
　362～430円/kg

⑥きゅうり
　281～371円/kg