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農産物卸売市場調査データ分析⑥~反収~

 今回は10aあたりの収量を中心に見ていきます。元データは農林水産省の「作況調査(野菜)」を使用しています。この調査では都道府県ごとのデータや季節ごとのデータもありますが,今回は全国平均,年間平均としてみていきます。データの詳細については,農林水産省のWebサイトを参照してください。
https://www.maff.go.jp/j/tokei/kouhyou/sakumotu/sakkyou_yasai/index.html

 2019年の10aあたりの収量を大きい順に並べると下図のようになります。果菜類は一つの株から多くの収穫物が得られるので,収量が多い傾向にあります。収量の下位は豆類が占めています。

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 10年前(2008年~2010年平均)に対する2019年の収量の比率を示したものが下図です。ほとんどの品目で1.0以上となっていて,収量が増加しています。増加上位5品目を時系列の折れ線グラフで見ると,「セルリー」,「にんじん」は継続して伸びてきています。「さといも」,「さやいんげん」,「ブロッコリー」は大きな増加ではありませんが,減少方向の変動幅が小さくなっています。多くの品目で栽培技術が向上していて,より安定して生産できるようになってきていると言えると思います。

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 今度は10aあたりの収量(㎏/10a)に単価(円/㎏)をかけて,10aあたりの収入(円/10a)を計算し分析します(単価はその4・その5で使用したものです)。この値はあくまで収入(売上)であるので,収益で評価するためには生産にかかる費用を除かなければなりませんので注意が必要です。
 大きい順に並べたものが下図です。最大と最小の品目では10倍以上の差があります。やはり収量の多い果菜類は収入も多い傾向があります。また,「にら」,「しょうが」,「セルリー」,「しゅんぎく」と香味の強い品目も上位に位置しています(これは偶然かも知れませんが何か理由があるのでしょうか・・)。収量の少なかった豆類は,この指標にすると中位あたりに入ってきます。重量のある根菜類は下位にあたります。

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