見出し画像

野菜市場価格の予測 2022年5月

野菜の2022年5月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。

※1 過去(4月まで実績)と将来(5月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。

※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。したがって小売価格とは異なります。

※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)として表示しています。


目次

  1. 4月の実績

  2. 4月予測結果の検証

  3. 5月の予測

4月の実績

※4月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。

①ブロッコリー

ブロッコリーは3月に大きく下落した価格に対し,4月は366~436円/kgと反騰する予測になっていましたが,実績も価格は上昇しました。上旬こそ上昇途中でしたが,中旬は予測範囲内に入り後半にかけても範囲内を維持しました(4月30日:395円/kg)。この反騰は予測できており,うまく予測できたと言えるでしょう。

②レタス

レタスの4月予測価格160~218円/kgに対して実績は上旬~中旬は予測範囲内で推移しましたが,4月末にかけて急落しました。(4月30日:127円/kg)下落しました。ただこの下落はかなり急なものでしたから,平均値としては予測範囲内となりました。

③キャベツ

キャベツの4月予測価格90~106円/kgに対して実績は上旬予測範囲以上,中旬予測範囲上限付近で推移,下旬にかけて急落(4月30日:75円/kg)と変動の大きい推移となりました。月平均を取れば予測範囲中央付近になりそうですが月内変動がかなり激しく,月平均を求める予測手法では再現が困難になっています。

④ほうれんそう

ほうれんそうの4月予測価格390~512円/kgに対して実績は完全に予測範囲内での推移となりました(4月30日:467円/kg)。

⑤なす

なすの4月予測価格341~405円/kgに対して,3月からの下落基調が続き,上旬以外は予測範囲外での推移となってしまいました(4月30日:324円/kg)。

⑥きゅうり

きゅうりの4月予測価格208~298円/kgに対して,実績はきゅうりとしては珍しく月内変動が少ないまま推移し,(4月30日:271円/kg)。完全に予測範囲内での推移となりました。

4月予測結果の検証

精度良く予測できたのは,ブロッコリー・ほうれんそう・きゅうり,やや低かったのはレタス,低かったのはキャベツ・なすでした。

4月の気象条件の特徴は,気温のアップダウンが激しかったことです。そして平均的に見ると気温は平年よりも高くなっています。この高温の影響を大きく受けたのはキャベツ・レタスで,成長速度が急上昇し一斉に収穫適期を迎えことから供給過多となり,価格が急落しています。
本手法でも平均的に下落することは予測できていましたが,あくまで月平均で表現するので完全に再現することは困難です。正確性を増すためには,予測期間を短くする必要がありそうです。

4月の気象傾向は3月と似ていました。通常4月は3月に比べると変動が穏やかになるはずですが冬と夏が共存するような天気傾向となり,これが2か月間続いたことで,露地栽培が中心である品目(ブロッコリー・キャベツ・レタス)の価格に影響を及ぼしました。

5月の予測

予測手法が持つ誤差に加え,次月の気象条件を予報値でインプットするため,誤差要因はさらに広がります。

本予測値をご利用した結果については責任を負いかねますのでご了承お願いします。

変動の傾向(最新値4月30日との比較)
①ブロッコリー:395円/kgと比べ横ばい → 
②レタス:127円/kgと比べ上昇 ↗ 
③キャベツ:75円/kgと比べ大幅上昇 ↑
④ほうれんそう:467円/kgと比べ横ばい →
⑤なす:324円/kgと比べ上昇 ↗
⑥きゅうり:271円/kgと比べ下落 ↘

以下(有料150円)は変動範囲の具体的金額と推移図を掲載しています。


①ブロッコリー
 369~443円/kg

②レタス 
 142~198円/kg

③キャベツ
 98~114円/kg

④ほうれんそう   
 411~531円/kg

⑤なす
 337~399円/kg

⑥きゅうり
 185~271円/kg


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?