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野菜市場価格の予測 2022年8月

野菜の2022年8月の月間平均単価を気象データをもとに予測します。品目は「ブロッコリー」,「レタス」・「キャベツ」・「ほうれんそう」・「なす」・「きゅうり」です。

※1 過去(7月まで実績)と将来(8月の予報)の気象データを使用して機械的予測を行います。

※2 予測する価格は農林水産省の発表する青果物卸売市場調査の主要卸売市場計の価格です。したがって小売価格とは異なります。

※3 予測するのは月平均値(図中の点)です。約7割の確率で入る範囲を変動範囲(図中の赤網掛け)として表示しています。

7月の実績

※7月下旬の実績集計結果は公開日現在では出ていません。

①ブロッコリー

7月の予測範囲341~415円/kgに対して実績は中旬にかけて下落したものの,下旬は持ち直し,7月30日の実績では408円/kgとなり,平均的には予測範囲内となりました。前月とは異なり予測精度は良かったです。

②レタス

レタスの7月予測価格115~169円/kgに対して実績は上旬~中旬は予測下限レベル推移しましたが,下旬にかけては上昇傾向となっています(7月30日:129円/kg)。なんとか予測範囲内となりました。

③キャベツ

キャベツの7月予測価格80~94円/kgに対して上中旬は予測範囲中心付近で推移しました。しかし下旬は下落傾向です。(7月30日の価格71円/kg)。下旬の下落はあるものの,キャベツとしては比較的良い予測結果でした。

④ほうれんそう

ほうれんそうの7月予測価格556~666円/kgに対して実績は上昇トレンドに入っており,中旬以降700円/kgを突破しています。(7月30日:731円/kg)。急上昇を再現するのは難しく,予測精度としては低くなりました。

⑤なす

なすの7月予測価格298~358円/kgに対して,上旬は下落し、予測範囲以下,中旬は反騰して予測範囲内に入ってきましたが,下旬にかけては再度下落傾向です。(7月30日:285円/kg)。予測精度は低くなりました。

⑥きゅうり

きゅうりの6月予測価格226~306円/kgに対して,実績は予測範囲内での推移とりました(7月30日:244円/kg)。予測精度としては完全に予測範囲内での推移となり,良かったと言えます。きゅうりの予測精度は4ヶ月連続で良好です。

7月予測結果の検証

精度良く予測できたのは,ブロッコリー・レタス・キャベツ・きゅうり,低かったのはホウレンソウ・なすでした。

7月の気象条件としては,全国的に気温が高いことが特徴です。日照時間はだいたい平年並み程度でしたが,降水量は場所によってばらつきが大きくなりました。
これは異例の早さで梅雨が明けたことにより暑い日が続きましたが,湿った空気の流れ込みが続いたことで,局地的には大雨が降ったという結果の現れです。

7月の各品目の値動きを見ると,例年夏季に価格がかなり上がるほうれんそうを除いては,比較的変動の少ない値動きでした。これは気温は高かったものの,変動は少なくずっと高いまま推移したことが影響していると考えています。気温の高低よりも変動の方が野菜の市場価格には響いていそうです。

したがって7月の予測精度は比較的良好となりました。ただなすの予測精度が低かったことがちょっと解せません。あまり価格変動はなかったのですが,予測範囲から外れて安値圏です。作付けが急に増えたのでしょうか??

8月の予測

予測手法が持つ誤差に加え,次月の気象条件を予報値でインプットするため,誤差要因はさらに広がります。

本予測値をご利用した結果については責任を負いかねますのでご了承お願いします。

変動の傾向(最新7月30日との比較)
①ブロッコリー:408円/kgと比べ大幅下落 ↓ 
②レタス:129円/kgと比べ大幅上昇 ↑ 
③キャベツ:71円/kgと比べ大幅上昇 ↗
④ほうれんそう:731円/kgと比べ横ばい →
⑤なす:285円/kgと比べ大幅下落 ↓
⑥きゅうり:244円/kgと比べ横ばい → 

以下(有料150円)は変動範囲の具体的金額と推移図を掲載しています。


①ブロッコリー
 316~390円/kg

②レタス 
 140~192円/kg

③キャベツ
 80~96円/kg

④ほうれんそう   
 693~805円/kg

⑤なす
 204~262円/kg

⑥きゅうり
 214~294円/kg


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