梅雨入りと梅雨明けの傾向は全国的に同じ?

 前回に引き続き梅雨の話題です。
 今年(2021年)は東海地方までは,平年よりもかなり早く5月中旬までに梅雨入りしましたが,関東甲信,北陸,東北までは梅雨にならず,6月に入りました。これらの地域の梅雨入りの平年値は6月上旬~中旬です。全国的に梅雨入りが早いというわけではなさそうです。そこで,前回データ整理した九州北部地域と,距離的に一番遠い東北北部地域で梅雨入り/明けの日にちを比べてみました。(北海道は梅雨はないとされています)


 下図は,横軸を九州梅雨入り日,縦軸を東北北部の梅雨入り日として比較した図です。

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 この図では特に傾向は見て取れません。九州北部の梅雨入りが早いからといって,東北北部の梅雨入りも早いということは言えません。図中の赤い線より下の点は東北北部の梅雨入りが九州北部よりも早かったケースです。今回データを調べて初めてそのような場合があることが分かりました。こちらはこちらでどのような状況だったのか興味があります。


下図は梅雨明け日で上の図と同様に比較したものです。

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 梅雨明けも入りと同じで九州北部で早く明けたからといって,東北北部が必ずしも早く明けるとは限りません。梅雨明け日も1~2日ですが東北北部の方が早い年がありました。こちらは雨の上がったタイミングのズレくらいの差ですので,特異的な現象ではないと思います。


 距離的に離れた地域では,梅雨入り/明けは同じ傾向にはなりません。梅雨入り/明けを予測するにはやはり天気図から梅雨前線の動きを見ていくしかないようです。

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