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農産物卸売市場調査データ分析④~単価その1~

今回は,各品目の単価(1㎏あたりの金額)を見てみます。

 下の図は各品目2019年の1年間平均単価です。単価の高いものでは,1000円以上のものもありますが,いくつかのグループに分かれるように見えます。大きく分けると①600円~800円くらいのグループ,②300円~400円くらいのグループ,この2つがあります。各グループでの品目の特徴はあまりありませんが,単価の低い品目は,1つあたりの重量の大きい品目(はくさい,だいこん,キャベツなど)が目立ちます。

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 下の図は,単価の2008年~2010年の平均値に対する2019年の平均(2008年~2010年÷20019年)です。2019年の方が単価が高ければ1以上の数値になります。2008年~2010年と比べて2019年の野菜(・海藻)の消費者物価指数は1.11倍となっているので0.11をマイナスしています。

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 単価の変化率と2019年の市場規模を同時にグラフにしました。左上がりの傾向で,市場規模の小さな品目ほど単価の上昇が大きくなっています。市場規模の小さな品目では希少性が単価上昇に影響していると思われます。

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 市場規模の変化率と単価の変化率(いずれも2008年~2010年に対する2019年の比率)を同時に描いたものが下図です。先ほどのグラフのような傾向はみて取れません。市場規模と単価両方とも上昇している品目は「ブロッコリー」,「カリフラワー」,「かんしょ」です。一定の市場規模を維持(市場規模の変化率0.9以上)し、単価も上昇している品目は「スイートコーン」,「さやえんどう」,「なす」,「アスパラガス」,「にんにく」,「きゅうり」,「れんこん」です。これらの品目は,市場規模が減少する中でも単価は上昇していて一定の需要があります。よって安定した品目と見ることができると思います。

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