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初めて「書」だけを目的に展示を見に行った土曜日

11月に、東京国立博物館の国宝展で「書」が気になり、
12月、ほぼ日の學校の授業で「書」に関する授業を見て、
同じく12月、ほぼ日の學校の何人もの講師から、ホンモノを見ることの重要性を聞いた。

そこまで言われたら、もう見ないわけにはいかないだろう。幸い、住まいの墨田区のお隣、台東区の根岸(最寄り駅は鶯谷)に、書道博物館があったので行ってきた。


入館料は、5百円。しかし年間パスポートは何と1千円! 二回で元が取れちゃう!!

私でも名前を聞いたことがある王義之と蘭亭序の企画展は次の企画展のようだし、今回、満足しなくても、必ずもう一回は行くだろう。ということで、入り口で年間パスポートを購入。

ほぼ日の學校の授業では、「書」を理解しようとするなら、文字をなぞってみないといけないという。なので、展示を脳内でひたすらになぞる見方をしようと、一階の企画展の展示から、早速、作品の文字をなぞり出す。脳内で… と言いつつ、最初の作品から、もう手で空気の筆を持ち、展示物の上からなぞるスタイル。一階の展示を見だした時間は、まだ人がいなかったので、たぶん問題はないはず。

文字の「点」「払い」も展示物と同じ形になるように、脳内で持った筆に墨をつけ、なぞり、改行して墨をつけ、なぞり、をひたすらにやってきた。文字がつぶれてわからないものは、さすがに飛ばさざるを得なかったけど。

文字の「止め」や「払い」より、一つの点が難しい。単に、トンっと打つだけだと、その形にならない。たぶん、ほぼ日の學校の授業にあったように、トンっと打って、ちょっと筆先の方向を変え、また方向を変えて、筆を離しているように思う。自分なりに、「点」を同じ形になるようになぞってみる。そして、「払い」もやっぱり簡単じゃない。単に斜めに筆を走らせたり、筆先をずらしながら、少しずつ筆を離すだけでできる形ばかりじゃない。

でも、小学生の時に、習字をやっておいてよかったと思う。筆を寝かせればどういう形、ひっくり返せばどういう形、「止め」はどうすればいいか、何となくわかる。それに、崩れた字のそれはもう、漢字でなく、ひらがなだ。元の字がわからなくても、それは「あ」だし「ぬ」だ。書き順はわかるから、なぞることはできる。なるほど、ひらがなは、いい形として、後世に残してくれたんだと、過去の偉人に感謝をする。字は下手だが、ひらがなの形の良しあしなら少しはわかる。楷書の手本なら、日本人ならきっと2歳くらいから何度も見ているはずだ。そして、書き順通りになぞっていくと、それが何の漢字かわかることもあった。まさか、40年前に大して興味もなかった習い事に、感謝する日が来ようとは!

一階の企画展の「書」は、4点? 掛け軸に書かれた「書」もなぞり、約30分。2階の企画展の展示に移動するも、、、展示が多い! 正直眩暈がした。これは全部なぞれないぞ…。それに30分なぞって、もうクタクタだ。

めちゃくちゃ疲れたので、2時間くらいで博物館を出たのだが、合い間の休憩に常設展の石碑・刻石などを眺めたり、疲れて椅子に座ってる時間を除けば、1時間半はみっちり「書」をなぞってきた。小さい字は、細い筆に持ち替えて、こまごまと書くので肩も凝る。

まだ、ほぼ日の學校の授業で聞いたような全体を作品として見ること、作品の音楽性を感じるまではできなかったけれど、字の良しあし、書き手の個性にだいぶ触れることができた気がする。書道博物館を出て、歩いて自宅に帰ってくるまで40分かかった。「書」をなぞる作業はがんばっても2時間というところなので、3時間半くらい時間ができて、「書」に触れたくなった時には、また伺うようにしよう。

おもしろい時間を過ごさせてもらった。また必ず伺います。
次の展示は、1月末から。王義之と蘭亭序の書をなぞる日が楽しみです。

特別展
東京国立博物館・台東区立書道博物館
連携企画
「王羲之と蘭亭序」

2023年1月31日(火)~2023年4月23日(日)
台東区立書道博物館

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