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「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2020年10月号)

会報誌に短歌を投稿している。
10首まで投稿できる。採用は5首前後の人が多い。
歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。

今回は、7/20締切の投稿分。5首採用。

採用された歌(記載順)

炊きたてのご飯にバターを乗せてみる少し蒸らして醤油を垂らす
声に出し戯曲を読みし土曜日は心地よさあり目も開かれる
久々に授業を受けてノート取る 蠅の背に文字書くかのように
出社日に愚痴の聞こえる席座り 自宅思って幽体離脱
会報誌届くのを待つ火曜日に窓辺の葉っぱの水を入替え

選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと

選ばれなかった歌は、前提や背景がないと理解されにくい気がする。それでも、詠んでいる時、選んでいる時は、気分だけでも伝わる気がしていることが問題。客観的に自分の歌を見ることができてないのもあるけど、そもそも詠む時に、もう少し伝わりやすい表現にできないものか。伝わりやすい イコール よく見かける言葉に直すこと、と思ってしまっているので、それをやってしまうと毎度似た表現になり、それも問題。いろんな人の歌をもっと読んで、表現に触れてみよう、といういつもの結論に至る。

投稿した歌

(日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)

6/18木
炊きたてのご飯にバターを乗せてみる少し蒸らして醤油を垂らす
6/20土
声に出し戯曲を読みし土曜日は心地よさあり目も開かれる
6/27土
けものたち調べと重なり絵の中で 聴き慣れぬ音されどしっかり
→けものたち調べと重なり絵の中で 聴き取れぬ音されどしっかり
6/29月
歌たちを仕事の合間書き写す 苦く苦しい恋したくなり
→歌たちを仕事の合間書き写す 苦く苦しい恋したくなる
7/1水
久々に授業を受けてノート取る 蠅の背に文字書くかのように
7/2木
出社日に愚痴の聞こえる席座り 自宅思って幽体離脱
7/4土
TODOのために土曜を空けまして やる気が起きず二十時間寝る
→TODOのために土曜を空けまして やる気はなくて二十時間寝
7/5日
薄明かり甘い言葉を掛け合って肌を滑らすされどそれだけ
7/9木
打ち合わせ乗り切って後眠気する 待てよ原稿終わらせてから
→ 打ち合わせ乗り切った後眠気する 待って! 原稿終わらせるまで
7/14火
会報誌届くのを待つ火曜日に窓辺の葉っぱの水を入替え

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。