「選」ばれた歌、「選」ばれなかった歌(2022年3月号)※初鍵外掲載→どうやら二度目っぽい
会報誌に短歌を投稿している。
10首まで投稿できて、採用は5首前後の人が多い。
歌はその歌が選ばれる「選」もフィードバックの一つ。何が選ばれて、何が選ばれなかったか、その基準を自分で考えることで歌を見直すことができる。手書きの投稿という面倒さも受け入れて、毎月送っている。
今月は7首採用。
そして驚いたのは、選者に選ばれた歌で、前のほうに掲載されていたこと(鍵マークがついている外側に掲載されているので、鍵外と呼ばれているエリア)。そういう特殊なエリアがあることを知ってから、いつか載ってみたいと思っていたので、まだ短歌の良し悪しもわからず、これから上達しようと思った時期に掲載されるなんて… と驚いている。
※2023年1月16日追記:2021年5月号に鍵外にいました。たぶん二度目、ということになります。
採用された歌(掲載順)
スポットライトを浴びないけれど裏方も脇汗をかく ものすごくかく
休日に仕事を入れる愚を犯す 仕事をせずにさらに愚犯す
もう飲むまい… 二十時間前の決断を新たな俺が上書をする!
飲みすぎで素うどんだけを求めるも 見た目さみしく卵を落とす
なぜだろう?メニューを眺め逡巡し最後はいつも「味噌かつ煮定食」
キラキラの懇親会に参加して 窓の自分と二時間話す
家族では無くなった元義父の死をSNSで知る電車内
選ばれた歌、選ばれなかった歌をみて感じたこと
ちょっと校正がされてた。たぶん初めてじゃないかな。文字数の関係か「上書き」→「上書」に直されてた。短歌という形態とはいえ、送り仮名は、用字用例集に沿った単語を使うので、短歌に現れる単語としては違和感があったのかもしれない。
今回は何より、鍵外という場所に掲載されていた以上の驚きはない。短歌は、始めた時期によらず、センスがいい人がいる。生まれついたものかどうかはわからないけれど、これまで接してきた詩や文学の影響もあってか、始めてすぐ、観点、言葉の選択、並べ方がおもしろく、すぐにいろんなところに掲載される人もいる。私の場合、そういった経験もなかったし、工夫しよう、時間をかけて詠んでみようと思っても、工夫の仕方もわからなかった。とにかく続けて投稿することしかできなかった。それも楽じゃないけれど。なので、短歌を始めて3年、ご褒美的な出来事があって、すごく嬉しい。
ギャンブルや趣味もそうだけど、ほどほどにツイてる、ということは、継続の大きな要因だろう。短歌との相性は悪くないのかもしれない。今後は、「いい歌が詠めたな」という手ごたえのある時に、鍵外に載るなんて経験ができればいいな。今月号は、端から端まで読んでみよう。大変そうだけど、きっとたくさんのことが得られるように思う。
投稿した歌
(投稿順、日付は詠んだ日、太字は採用歌、矢印は投稿時に推敲したもの)
11/16火
スポットライトを浴びないけれど裏方も脇汗をかく ものすごくかく
11/3水
休日に仕事を入れる愚を犯す 仕事をしないまた愚を犯す
→休日に仕事を入れる愚を犯す 仕事をせずにさらに愚犯す
11/30火
後輩と楽しい飲みも明細を見るとこまでが楽しいライン
→後輩と楽しい飲みも支払いを見るところまでが楽しい時間
11/9火
もう飲むまい… 20時間前の決断を新たな俺が上書きをする!
→もう飲むまい… 二十時間前の決断を新たな俺が上書きをする!
11/29月
目の痛みこらえつつ酒を飲みに行く 二時間飲めば痛みは去って
→目の痛みこらえつつ酒を飲みに行く 四時間飲んで痛みは去った
11/12金
飲み過ぎで素うどんだけしか受けつけぬ 見た目さみしく 卵を落とす
→飲みすぎで素うどんだけを求めるも 見た目さみしく卵を落とす
11/25木
なぜだろう? メニューを眺め逡巡し 最後はいつも「味噌かつ煮定食」
→なぜだろう?メニューを眺め逡巡し最後はいつも「味噌かつ煮定食」
11/28日
キラキラの懇親会に参加して ま白い皿と二時間話す
→キラキラの懇親会に参加して 窓の自分と二時間話す
11/13土
充たされていても言葉は出なくなる 言葉なければ何にもない日
→充たされても歌は新たに生まれない 歌がない日は何にもない日
11/6土
家族では無くなった元義父の死をSNSで知ることになる
→家族では無くなった元義父の死をSNSで知る電車内
いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。