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人間の脳はまだ文字に馴染んでいない #ヒューマニエンス

「ヒューマニエンス 40億年のたくらみ」という番組を見た。
過去回の再放送だ。

「“文字” ヒトを虜にした諸刃の剣」

初回放送日: 2022年10月25日

「文字」は「言葉」と一緒に扱われることが多いが、実はまったく違う。例えば、言葉は誰もが生まれながらに習得できるが、「文字」は教育の社会インフラが不可欠だ。脳での処理が違い、話すためには言語野があるが、読み書きのためには専門領域が無く、他の領域を流用している。いわば無理をしているのだ。絵画などで優れた才能がある人の中には、文字を苦手とする人も珍しくない。文字と人類、その出会いと功罪の歴史を妄想する。

ホモ・サピエンスの歴史20万年の中で、文字の誕生は、5~6千年と新しい。人類の歴史の中の97%は、文字無しで生活している。しかも、この3%の期間も、一部の権力者を除いて、ほとんどの人は文字を使ってこなかった。一般の人が使うようになったのは、ここ数百年のことだ。だから、文字を認知することに人はまだ慣れていない。文字が認識できない人がいるのも、さほど不思議ではないという。

文字を書くことを生業としてる、というほどでもないけど、日々、何かを書いているので、だいぶ、生業に近い。文字に関することを知りたく、番組を視聴した。

メモ

文字の誕生

絵から、文字が誕生した。用途は、数を数える、経済活動のためだ。絵に似せて、楔形文字、甲骨文字が生まれた。それが簡素化し、アルファベットの元になった。

一字で、意味を表す漢字のような、表語文字ではなく、音を表す、表音文字の発明が大きかったという。文字数を増やさなくても、どこまでも表現できるようになった。アルファベットは26字だけで、すべてを表すことができる。漢字も表語文字だが、当て字として表音の役割を持っている。欧米の方の名前や地名を漢字で表す時は、漢字も表音の役割をしている(アメリカ:亜米利加、イタリア:伊太利亜、アインシュタイン:愛因斯坦)。日本は、漢字の表語文字、表音文字のカタカナ、ひらがなを一緒に使っているめずらしい国だ。

文字の役割

記録することが文字の役割だ。脳の情報を外出しできるようになった。だから、今でも3800年前のメソポタミアのスープやパイのレシピ、エジプトのパピルスによって3200年前の出勤簿の内容を知ることができる。

文明の発展を助けた一方、負の側面もあったという。
権力者が文字(情報)を独占していたので、社会の不平等や格差が生まれた。話し言葉には、制限を設けられないが、今でも文字は、教育するシステムを作るためにも、権力者側が指定するものだ。世界で、ローマ字が多く使われているのは、ローマ帝国が版図を広げたからだし、東アジアで漢字が使われるのは、中国の影響を無視できなかったからだ。

文字を読む脳

視覚と聴覚をまとめる作業は結構、脳に負荷をかけているという。だから、脳が省力化するために、文字をざっくり理解する。文字を一部入れ替えても、意味のある語に読めてしまうというあれだ(例:ヘリプコター/ヘリコプター)。一字一字を見ているわけではなく、ざっくり理解する。日本語がわかる人には読めないフォントの紹介もあった(カタカナに似ているので、脳がカタカナとして処理しようとして、それをアルファベットとして読めない)

言語は、何万年も使っているので、ほとんどの人が苦も無く話せるが、文字は意図的に学習しないと無理だ。文字だけが苦手というディスクレシアは、海外だと10-15%いるというし、日本でも8%くらいは、いるという。

私も「む」「ぬ」が今でもすぐに出てこない。書いてすぐに違う、ってわかるんだけど、書く時も、打つ時も逆にしやすい。きっとディスクレシアの人は、文字の全体にわたって、こういう感覚があるんだろう。

書くことが困難な人は、役所への書類とかどうしてんだろう…?

感想

文字がまだ人類になじんでいないのであるのなら、やっぱり、記事を書く時に多くの人が使う単語や言い回しを使って書いたほうがいいだろう。変な表現もいらない。普段詠む短歌でも、ひらがなやカタカナで、違和感を多用するのは、伝えたいことが伝わらないかもしれない。普通の使い慣れた単語を、使い慣れた文字で詠むことを基本にしたい。それで伝えたいことを表現できるほど、日本語が得意ではないけれど。人類はまだ文字が得意ではない、ということは理解しておこう。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。