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今月もひとり歌会(2020年8月)

一ヶ月も終わると、毎日詠んだ歌を整理する「ひとり歌会」。
ひとりで詠んだ歌は、誰からのフィードバックもなく。詠んだ歌を見て、ひとり仕事や生活をふりかえる。いつか誰かの目にとまるような歌を詠めるといいんだけど。

近況

先月、子どもが金魚すくいをしたことがないと言ったので、金魚すくいに連れていった。すくった二匹をうちに連れて帰ってきた。決して、水の世話をおろそかにしたわけではなかったが、世話になれない人間がやることには不備もあっただろう。一週間で二匹とも亡くなってしまった。
仕事がうまくいかない。
鬱々とした気持ちを金魚に与えてしまったかもしれないとも思う。

今月の歌(36首)

8/1土
真っ昼間子ども肴に酩酊す火照りを冷ます夜の水風呂
8/2日
ジリジリと日に照らされるバスだって水に飛び込む子の笑顔あり
8/3月
息子とは毎日一緒にいないから「いるときくらい」と思う重圧
8/4火
在宅は誰とも話さぬ一日で息子のために買いし本積む
8/5水
チクチクと鼻の入り口指に触れ鏡を見ても見えぬ白い毛
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/6木
モメる声出勤日にはそんなことコロナ続けよ家に居たいよ
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/7金
銀行の待ち合い場所に三時間 行員ニラむ処理は進まず
8/8土
歯医者行き泌尿器科行き睡眠の外来も行く今日は歩く日
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
医者に「酒、控えますよ」と言った後ビルの階下の店で一杯
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/9日
金魚すくい “案外” おもしろかったよ、とまぁそれもよし、父の俺には
タライから外に飛び出し玄関に横たわる気づきタライに戻す
8/10月
昼過ぎに起きて飯食い一眠り夜に起き出しメール一本
8/11火
在宅の仕事俺には向きゃしない金魚の桶の清さ気になり
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/12水
朝起きて生きた金魚にホッとして一晩寝かせた水と入れ替え
→飛び起きて動く金魚にホッとして よく寝た水を入れ替える朝
(9月のメール歌会に送る)
赤いやつスイスイ泳ぐ黒は口パクパクさせる 何してやれば?
8/13木
濁り水金魚にはどう見えている? 水の替え時 いまか? いつなの?
8/14金
ぬるい部屋桶の金魚の横に座しノンアルの缶傾ける夜
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
生活を保つためには節約を極端だろうバナナ一本
8/15土
出かけてもうちの金魚が気にかかる水の濁りは?水の温度は?
赤と黒元気な赤が横になりぷかっと浮いた念仏を上げ
8/16日
亡くなった赤い金魚のことばかり半日思う昨日通夜なり
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/17月
原稿の書き方忘れゴロゴロと今日も進まず頬伝う水
8/18火
昨日まで数度作った桶の水 隣にあるは金魚居ぬ桶
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/19水
気が滅入る相談すれば相手言う「歩けばいいよ」歩く気温か!
8/20木
定時過ぎいつも仕事は終わらないもう飲むかノンアルでごまかすべきか
8/21金
昼休み部屋を片付け掃除してはぁーもう仕事終わった気分
8/22土
金がない節約せねば浪費すなお得だと聞き桃三つ買う
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/23日
離れ子の我頼る時なぜかしら眼にたまるもの拭く日曜
8/24月
手がつかず原稿の文字一つだに部屋見回して洗濯はじむ
8/25火
鬱なれば毎日やってきたことも高き壁なり作歌一つも
8/26水
夕暮れに半刻歩く滝汗と名付けし人を見事と思う
(「塔」短歌会9/20締切投稿分)
8/27木
ウイグルの実態探る番組に未来の技術と過去の人権
8/28金
もう嫌だ歌一つ詠めず一日は過ぎようとして酒に逃げ込む
8/29土
朝のホームあまりにまぶしい太腿に遅らせたくなる電車一本
8/30日
子といても心動かず震えるのみ何かを押せば涙こぼれそう
8/31月
仕事での目標なくば目標を立てよと言われ 読まれたいだけ

歌について

変化の無いのっぺりした歌が多かったので、時々、一首の中に二つの出来事を織り交ぜるなどして歌に変化をつけようとしてみた。月後半は、鬱々とした気分が強すぎて、一日一首の作歌すら重かった。推敲もままならず。気に入らない歌は何度も推敲したい。

いい歌を詠むため、歌の肥やしにいたします。 「スキ」「フォロー」「サポート」時のお礼メッセージでも一部、歌を詠んでいます。