黒い人

ここを通りぬけて進むと
町を見通せるんだ
僕は偶にこの場所へ来たくなって
何もかも忘れたくなる
そう言った貴方の横顔を見つめていた
私は凄く安らかで 心は温かく
ずっと隣に居たいと思っていたよ
貴方のことを教えて
今は、顔も思い出せない
影だけ残る黒い人

私の周りはとても賑やかだよ
笑い声に包まれながら
貴方の声を思い出す
静かにひとりで何を抱えていたの
もう一度あの場所へ行こうか
貴方は居ないけど

テーブルに食事が並ぶ
「いただきます。」
そう言って、
誰かと食べるご飯は美味しいね