旅日記1

すごく堕ちていた。頭が重く心は鈍い痛みのような苦しみのような感覚だった。世界は無機質にあるいは霧のようにぼやけていた。何もかもが普段より重力を増している。私はその無機質な世界に意味を見出せることが上手く出来なくなっていた。

大きめのバックにビールと水と財布とスマホと大量の薬を入れ、突発的に家を出た。頭で考えていることは一つ、死ぬことだった。今すぐこの世界を降りたい。もう、生きていたくない。同じではないか。死にたいと絶望して堕ちて、何度同じことを繰り返せばいいのだろう。何も変わらない。

私が頭に描いたのは薬を酒で大量に流し込み近くの線路に寝そべるのだ。私は、その様子を浮かべてみた。まず、大量に薬を飲むのは気持ち悪かろう。先々週に30錠ODをしたばっかりだ。その時は気持ち悪かった。一日中吐き気がし、体はだるく食欲が湧かなかった。それでも死のうと思った。誰にも見つからないように線路まで歩いた。此処で見知らぬ人に怪しまれてはいけない。踏み切りには何度か車が通り、過ぎていった。それでもここは田舎なので誰かに見つからないように線路に入ることは難しいことではなかった。