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【小説紹介】思わず混ざりたくなる!理想的な世界観の小説3選

こんにちは。今日は思わず「ぼくもそこに入れて!」と叫びたくなってしまうような世界観の小説を3冊ご紹介します。


①『夜のピクニック』(恩田陸 著)


【あらすじ】

繫ぎ留めておきたい、この時間を。

小さな賭けを胸に秘め、貴子は高校生活最後のイベント歩行祭にのぞむ。誰にも言えない秘密を清算するために――。永遠普遍の青春小説。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。甲田貴子は密かな誓いを胸に抱いて、歩行祭にのぞんだ。三年間、誰にも言えなかった秘密を清算するために――。学校生活の思い出や卒業後の夢など語らいつつ、親友たちと歩きながらも、貴子だけは、小さな賭けに胸を焦がしていた。本屋大賞を受賞した永遠の青春小説。

『夜のピクニック』より


今まで読んできた青春小説のなかでもトップクラスに好きな小説です。

学校行事ってふだんの日常とは違う、非日常感がありますよね。校外学習や体育祭の朝は変なアドレナリンが分泌されてムズムズしてました。

本書は「歩行祭」と呼ばれる、おそらく現実世界には一切存在しなさそうな学校行事で繰り広げられる、高校生たちのドラマです。

「夜」とあるように、ぜひとも本書は、真夜中にほっと一息入れたいときに読んでほしい小説です。


②『オン・ザ・プラネット』(島口大樹 著)


【あらすじ】

「終わったのかな」「なにが?」「世界?」
同じ車に乗り込んだぼくら四人は、映画を撮るために鳥取砂丘を目指す。
注目の新星が重層する世界の「今」を描く、ロード&ムービー・ノベル。

「これからぼくらが話すことは、人類最後の会話になるかもしれない。
そうやって考えるとき、皆は何を話したい?」
記憶すること、思い出すこと、未来に向かって過去をみつけ直すこと。
現実と虚構の別を越えて、新しい世界と出会う旅。

群像新人文学賞受賞のデビュー作『鳥がぼくらは祈り、』に続く、23歳の飛躍作!

『オン・ザ・プラネット』より


ぼく、島口大樹さんの本好きなんですよね。以前、東京のブックカフェでトークイベントが開催されたのですが、実際に行ったくらい。(サインもらった!)

デビュー作の『鳥がぼくらは祈り、』も、最新刊の『遠い指先が触れて』も個人的に好きな文体で、登場人物たちのキャラクターや世界観が自分の琴線に触れるものばかりで。

本書は映画製作のために車で鳥取砂丘を目指す、車中で繰り広げられる狭くて奥行のある、無限の思索が行き来する哲学的な世界。

登場人物たちの発言やその発言に対する別の登場人物の応酬が、なんとも哲学的で、つい自分もその会話の場に入りたくなるような世界観でした。


③『ホワイトカメリア』(MIYAMU 著)


【あらすじ】

SNSで話題のWEB小説家・MIYAMUが2022年2月ついに初の小説を出版決定!

「寝息を感じられる距離にいられた、束の間の朝を

揺れる日々の中、震える指先で求めてくれた夜を

冷たい朝露に濡れて、麗しく咲いていたあなたを

愛しています。心から。

あなたが私の最後の人」――――『ホワイト・カメリア』

SNSにて話題を集めるWEB小説家のMIYAMU×人気イラストレーターyasunaが共作で贈る
2022年最初のラブストーリー。

6人の男女のもどかしく、やるせない恋模様。

私たちは、それぞれに傷を負っている。
その傷を見せないよう、隠しながらもがいている。

誰かを本気で愛した途端、誰かの物語では悪者になる。
正論はときに暴力になる。

恋愛に、正しいも正しくないもないのだ。

これが、複雑すぎる現代を懸命に生きる若者たちのリアルな恋愛のカタチ。

『ホワイトカメリア』より


もう表紙からしてエモいですよね。そうなんですよ、エモいんですよ。

「複雑すぎる現代を懸命に生きる若者たちのリアルな恋愛のカタチ」とあるように、遠回りで、不器用で、下手くそな大人になりきれていない登場人物たちによる、恋愛小説。

主な登場人物は男女6人グループで、一人ひとりのキャラがわりとたっているので自分はどのタイプか感情移入しながら楽しむことができると思います。

「自分も大人になったら、こんなめんどくさい。けど、自分の人生になにか大切なものを与えてくれそうな体験をするのかな(男子大学生のぼく)」

と、漠然と思わせてくれる小説でした。

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