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自由律俳句まとめ 2020
街の片隅に残る平成の文字
喪服でそこまで走るか
殴り書きのメモに存在しない漢字がある
吸って吐いてまた吸ったら咽せた
未だ恥ずかしくてメインと発音する
店員を呼ぶ声が思ったより響いた
見せてもらっている画面の端に傷
部屋着の美人が外にいる
先読みできるほど見直すバラエティ
小声でビートボックスを試す
下を向いた猫ばかりいる
平日は休日を待ち休日は平日を待つ
最新情報が一昨年のホームページ
ヤマトがよく来る郵便の
工夫はしたが同じ結果
外の騒がしい音をただ聞いている
吉夢らしいが気分は良くない
今日は折り畳み傘じゃなかった
面白い人に気を遣われている
怒ってはないが覚えてはいる
同じシーンで同じ蘊蓄を聞く
この景色と合う歌をまだ知らない
冷蔵庫を開けてはみたものの
瞬いて朝
毒されて衝動買い深夜に
去年の花火の写真を見せられている
絆創膏を剥がすタイミング
デザイン性が高すぎて読めない
時候の挨拶がわからない季節
パンクした自転車が来る来る
バーコードが表示されるまでの数秒
母音だからジと思ってしまう
猫を見て猫だと言う一人なのに
過大な想像すら越えた大盛り
雑な字だが誤字なし
なんてバランスの悪い割り箸
時間外で灰皿のない喫煙所
下り坂で空転したペダル
洒落た花壇に花は無く
同じ方向に避けてしまった
いつ使う略称なのだろうか
懐かしいコマーシャルで早送りを止める
落ちている軍手を見ていた時間
ルーティンにはならなかった
気づけば年末気づけば二〇代も半ば
十一月に暖房を切るとは
お金は返してくれないが良い友達
もちろん着る方のカッパだ
デンモクを置いて手拍子
屈んだあの子から骨の鳴る音がした
靴下だけがまだ干されている
こんな感じです
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