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データ活用のために勉強した本_2023

この1年で読んだ本の紹介シリーズ、今年でついに5回目。去年いっぱい読んだ結果、読めばいいってもんじゃない、ということに気づいたので今年は厳選した内容になっています。(ただデータ関連は今年もほとんどなかった。毎度ごめんなさい)


1. ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか

気合を入れるために年始に読んだ本。スタートアップとか事業創造における論理や精神について、幅広い観点から触れていて大変勉強になった。ルーティンワークに疲れた諸氏にぜひ読んでほしい、大変パワーをもらえる一冊。

『このビジネスは10年後も存続しているか』(本書 P80より)

事業が生み出す目の前の数字ではなく、定性的に客観的に考えることでその答えに近づける。自分もよく唱えてますが、机上の空論であったとしてもまずは研ぎ澄まされた論理が必要。その論理すら備えていない中で闇雲にTry&goを繰り返してもいたずらに金と時間を浪費してしまう。気を付けましょう。

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2. ネットワーク・エフェクト 事業とプロダクトに欠かせない強力で重要なフレームワーク

前述の「0 to 1」を読んでいる中で、事業拡大における極めて重要な要素に「ネットワーク効果」があるよ、と書かれていたので改めて勉強してみた。ネットワーク効果の仕組み、何に気を付けて組み立てるべきか、などが詳細に語られており、大変実用的で示唆に富む内容。ツール系プロダクトであっても一定のネットワーク効果を見込んで設計したほうが拡大スピードが上がるはずなので、プロダクトの種別や領域問わずぜひ読んでほしい。

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3. マネジャーの最も大切な仕事――95%の人が見過ごす「小さな進捗」の力

マネジメントに悩む人に向けて勉強しようと思ったシリーズ第一弾。タイトルがすべてなのですが、とにかく「進捗」が大事だと全編通して語られている。大規模な実験を通した結果として、何がその人の仕事のモチベーションにつながるかを分析した結果、「着実に自分の仕事が進むこと」が最も重要だったという話。褒めることでも、キャリア形成の動機付けをすることでもなく、とにかく仕事を前に進めてあげること。1on1などの手段もそのために活用するとよい。マネジメントの質を一段階向上させたいというメンバーに紹介した。全部読むと長いけど、エッセンスとしては大変勉強になった。

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4. マッキンゼー CEOエクセレンス 一流経営者の要件

マネジメントに悩む人に向けて勉強しようと思ったシリーズ第二弾。こちらは自分向けにもう少し視座を高めようと思って読んでみた。世界中のパフォーマンスが高いCEOを選び出し、その人たちに共通する考え方や行動様式を紹介していくというもの。現在はミドルマネジメントの立場である自分にはちょっと合わないかなという部分も多いし、体験談が本の構成としては大半を占めることになるが、書かれている範囲は網羅的なので、その中から自分が取り入れたい部分をピックアップして真似してもよい気がする。全員の根底にある共通したマインドセットは「自分にしかできないことをやる」らしいので、これは自分としても刻んでおきたい。

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5. LOVED 市場を形づくり製品を定着に導くプロダクトマーケティング

今年のNo.1勉強になった本。開発側ではなくビジネスサイドでプロダクトや事業と関わることの多い、企画、マーケター、事業開発といった職種の方々におすすめ。プロダクトマーケターという役割の重要性と立ち居振る舞いについて詳細に解説されています。本当にこのシリーズは良著ばかりですね。

この本を読むまでは、PMM(プロダクトマーケティングマネージャー)とか必要なの??PdM(プロダクトマネージャー)が一人で見ればよくない??という感想を持っておりましたが、役割分担することの意味が明確に見えてきました。特にソフトウェア開発においては、PdMはその性質上、顧客から少し距離を置いたポジションに座らざるを得ないことも多いため、PMMがその空隙を補完することで、プロダクトと市場のインサイトをつなぐことができると理解しました。また、施策実行を担うマーケターとの役割分担も明確になったので、今後は自分の役割をPMMと言っていこうかと思います。

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6. SaaSの科学 SaaSビジネスにおけるデータ分析

上場SaaSのIR資料を中心に、SaaS運営における重要な指標やその関係性、ベンチマークなどをかなり網羅的に紹介している一冊。後半はSaaS運営における社内でのデータ分析のポイントについても少し触れている。公開データのまとめではあるものの、しっかりと分析されているので大変参考になった。

特に、中段で出てきた、新規獲得、解約率、獲得効率などの各パラメータを順番に変化させたときのLTVや黒字化に対する影響がどのくらい出るかのシミュレーションは大変わかりやすかった。チャーン阻止がいかに重要か。
また、今までは別個の指標として取り扱っていたPLとUE(ユニットエコノミクス)をマーケ費とLTVでつなぐことで関連させる形で確認することもでき、自分の事業運営にもそのまま活かせた。よき。

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7. LTV(ライフタイムバリュー)の罠

LTVを上げるために気を付けることを著者の経験に基づき紹介してくれている一冊。全編を通して、著者の体験に基づく記述が多く、なかなか納得感を得られづらい点もあったが、流し読みするにはライトでよかった。新規獲得についてもけっこうページを割いて語られており、LTVというタイトルからするとちょっと違和感もあったが、取引がない状態はLTVがゼロであることを考えると、まずそれを1以上にするという意味ではあながち間違いではないのか。勉強というよりは一般教養の入口的なものを求めている方向け。

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数としては7冊。だいぶ絞り込みましたね。ただ、狙い通り打率は上がったというか、読んでためになった本が多かったと思います。しかし、データに関する本はまったくなかったですね。(正確には1冊買ったのに積んである)今の自分の役割がそうだというのもありますが、戦略、マーケティング、マネジメントに関する興味が強く表れた結果と言えそうです。

去年のこの場では「日本をデータドリブンにする」ための大きなリリースをしたいと言っていたものの、いろいろ周辺環境の変化もあり、どれも進めることができませんでした。力不足。残念。ただ、どれもアイディアとしては死んでいないというか、隙を見ては進められるものなので、ちょっと地下に潜りながら、仲間を増やしてじっくりと取り組んでいきたいと思っています。

転職して3年。担当事業は一定の成長を見せ、会社としても合併したりで大きく環境が変わったので、これからどのような一手を打つべきか、考えながら足を貯めている今日この頃という感じです。来年もより一層「ことに向かい」、データと事業の力で日本を前に進められるように励んでいきたいと思います。

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