初めて事故に遭った話

僕は今仕事でほぼ毎日車を運転しているのだが、ある日の朝車を運転している時に事故に遭った。人生で初めての事故だ。大通りの交差点で前の車が止まろうとしていたので、僕も前に合わせて止ろうとした、なんとその時後ろを走っていたトラックが僕の乗っていた車に追突し僕の体を物凄い衝撃が襲った。一瞬の出来事だったのですぐに状況を理解出来なかったが、僕の車はトラックに追突された衝撃で前の車に追突し、前後でトラックと車に挟まれるような形になっていた。車内の荷物は散乱し、僕は気付いたら瞼から血を流していた。痛みはさほど無かったが、僕がジーパン刑事の松田優作だったら「何じゃこりゃ!」と大声を張り上げるくらい、痛みの少なさに反して流血が多かった。
実際は松田優作がどうだとか考える間も無く、警察と保険屋に電話をしなければという一心で携帯を手に取り電話をした。
しばらくする…事もなく、体感2、3分程(実際は多分5分くらい)という脅威の迅速さで警察と救急車がやって来て、事故と怪我の状況を聞かれ、軽傷だったが大事を取って救急車で近くの病院に運ばれる事になった。瞼の流血をガーゼで抑え、一応大事を取り首に保護具的な物を巻かれて、人生で初めての事故、初めて乗せられるストレッチャー、初めて乗せられた救急車、シリアスすぎる初体験を短時間でする事になった。
3台の車と数人の大人が絡んでいるので、現場はかなり騒然としてはいたし、自分も日常では滅多に遭遇する事のないシリアスな雰囲気に表現出来ない不安感を味わったが、恐らく警察官も救急救命士もこんな状況は普段からよく遭遇する事なんだろうと思い、少し呆気なさを感じた。何なら人が死んでもいないので、「また事故か」くらいにしか思ってないのだろう。まあその方が信頼できるが
そんなこんなで僕を乗せた救急車は10分程で病院に着いた。病院着くやストレッチャーから降ろされ、これも大事を取って車椅子に乗せられた。これも人生初の体験だ。首に保護具を巻かれ、瞼にはガーゼを付けた男が救急車で運ばれ、車椅子に乗れば見た目は完全に重傷者である。恐らく僕の事情を知らない他の人たちは、とんでもないただ事ではない事になった重傷者がいるとでも思っただろう、しかし実態は軽傷を負った人間が手厚いケアを受けただけの結果なのだ。ただしばらくこの重傷者スタイルでいると本当に重傷を負ったのではないかと自分でも錯覚してしまう程物の1時間程で重傷者スタイルが板についてしまった。
結果診断は打撲で骨に異常はなし、やや大きなケガとすれば流血した瞼の傷が思いのほか傷が深く、結果的に8針縫う事になった事くらいだった。


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