未来2016年7月号-笹の葉ラプソディ-
笹の葉ラプソディ
はるのひのかすむ渡り廊下からひかり ではない黄色信号
既視感(デジャヴ)とは違和感でなく笹の葉の向こうに南の星座がうるむ
親のいない設定という宇宙(コスモス)に向かい合えばなお寂しいふたり
全力でエンターキーを叩くのはきみの名だけがコマンドだから
変わる気がしたんだ夜の校庭に石灰の匂いぶちまけたなら
きみの指が「禁則事項」とささやいた天の川(ミルキーウェイ)の降りそそぐ夜に
あの夏の地上絵あの夜のぼくの嘘 でも校門の鉄の感触
積乱雲が時の余白を拡げたら終わらない夏休み(エンドレスエイト)が始まっている
「戻れないとこまで行くって言ったでしょっ」そして翻るブルーフラッグ