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「普通の性別」なんてない。性別にまつわる個性"SOGI"を知ろう("LGBTQ 性の多様性について考えるナイト 20.06.26"レポ)

はじめに

はじめまして。おのはるかです。

北海道に住んでいる大学院生で、沖縄のフクロウを扱って動物の個性(animal personality)の研究をしています。(分野としては動物の行動生態学になります)

特定の文脈での「個性(≒個人や個体のちがい)」「多様性」の概念は切っても切り離せないもので、「個性があるから多様性がある」とも言えますし、「多様性があるから個性がある」とも言えます。

「個性」「多様性」、どちらも私自身とても大切にしていたい概念です。


しかし人間社会においては、ただ私たちの目の前に存在しているはずの個性や多様性が、「少数者であるから」という理由で無いものとされたり、尊重されないといった事例を目にすることがあります。

その一例がLGBTQ(性的少数者)についてであり、同性婚が非論理的な理由で否決された、同性パートナーが法的にパートナーと認められなかった、といったような悲しいニュースも少なくありません。

あ~~~!!!アライでいたい!!!と、思わずにはいられない状況でした。

アライ(Ally)/ ストレートアライ(Straight Ally): "LGBTでは無いけれどLGBTの人たちの活動を支持し、支援している人たちのこと(一般社団法人 日本LGBT協会)"

でも私は具体的にどうすればいいのだろう…と思案し、先日6月26日に札幌市内のみんたるで開催された「LGBTQ 性の多様性について考えるナイト」に参加して来ました。

また、性の多様性に関するお話の中でも、「性別(セクシュアリティ)にまつわる個性」と言い換えられるような「SOGI(Sexual Orientation / Gender Identity)」という考え方についてご紹介したいと思います。


お話を聴いてみた

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(当日のグラレコ。字のきたなさはご容赦ください)

スピーカーはハシモト ツグミさん

小樽で若者や子ども向けの場づくりにも取り組んでいらっしゃいます。

私はLGBTQ(Xジェンダーのセクシャルフルイディティ)です。
色んな人がフラットに過ごせる社会になればいいなと思い、自分のことを少しずつ発信しています。(上記note記事より)

あらためてLGBTQについて、そして当事者であるツグミさんご本人が今まで経験し、感じてこられたことや、昨年に周囲の方々へカミングアウトに至るまでの経緯もお聴きしました。


多様性をかたちづくる「性の4要素」と「SOGI」


講演の中ではじめて耳にしたものの一つに、以下の「性の4要素」があります。

①体の性(身体的性

②心の性(性自認

③好きになる性(性的指向

④見た目の性(性表現


4要素それぞれが「男性」「女性」と二分できるわけではなく、個人間でグラデーションがあるもの。そしてさらにその要素は生涯固定されるものでもなく、変動性をもつこと。

これらのことからも、「性」はずいぶん複雑で多様なものであることが分かります。


そして上記の4要素のうち、「性自認(Sexual Orientation)」と「性的指向(Gender Identity)」を合わせたものが、頭文字をとって

SOGISexual Orientation・Gender Identity:ソジ / ソギ)」

と呼ばれています。

LGBTQは性的少数者を指す語ですが、SOGIは「個人が持つ、性にまつわる個性」です。男女、普通の性別、少数者…などと括るのではなく、「個人が今持っている性の属性」に着目した言葉です。


アライへの道


では今回のイベント参加の一番の目的。アライでいるために、具体的に自分自身には何ができるのでしょうか。

性の多様性を尊重するために、ツグミさんがおっしゃっていた要点は以下の三つ。


①「LGBTQについて考える」ことは、「様々な平等を考える」こと

 多様な個人の属性にかかわらず、「全市民が平等に権利や機会を得られる(奪われない)社会」をつくることが大切です。

②カミングアウトだけが正しい行為ではない

 LGBTQであることのカミングアウトの有無、相手や時期、すべて当事者本人の意思が絶対です。アウティングは言語道断。

アウティング(outing): 秘密を暴露すること。特に、その人が性的マイノリティーであることを、本人の了解を得ずに言い広めること。(デジタル大辞泉・小学館)

③常に「あなたはどうしたいか」を問うていく

 LGBTQの方々の中でも、自身の性に対する捉え方は人それぞれ異なります。もし周囲の方が自分を信頼してカミングアウトしてくれた場合、独りよがりにならずに本人から「今どうしたいか」「これからどうしたいか」という意思を聴くことが大切です。ゆっくり対話を重ねることで、自分自身が相手にとって「安全な場所」をつくることができるはずです。


まとめ

SOGI(ソジ):個人が持つ、性にまつわる個性(性自認+性的指向)
・「性の4要素」や「SOGI」から構成される性(セクシュアリティ)にはグラデーション・変動性があり、多様である

私たちが意識するべき点
「LGBTQについて考える」ことは「様々な平等を考える」こと
カミングアウトだけが正しい行為ではない
③常に「あなたはどうしたいか」を問うていく

何よりもまずは、LGBTQに関する出来事に関心を持つことが第一歩です。

自分にできることが明確になり、私も気後れせずアライであることを表明できそうです。


また、性の4要素に基づき、自分のセクシュアリティを2,000通りの中からサクッと診断してくれるサービスもある(anone,)ので、是非自分の性が「多様な性の中の一通り」であることも感じてみてください。

(一部紹介すると、私は恋愛指向・性的指向ともに「相手との強い信頼関係」が条件になるデミロマンティック / デミセクシュアルと診断されます)



それではまたお会いしましょう!

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