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小惑星を住宅地に大改造!!宇宙劇的ビフォーアフター

COBRAの2023年9月16日の記事「Situation Update and Thailand Ascension Conference」で紹介された記事「A New Paper Shows How To Change An Asteroid Into A Space Habitat – In Just 12 Years」を翻訳しました。

※翻訳がお気に召しましたら、記事下部からサポートをお願い致します。

”太陽系を植民地化する新たなアイデアが出てきています。”

元記事

AUGUST 8, 2023
BY ANDY TOMASWICK

小惑星を「回転式宇宙居住施設」にしようというアイデアは以前から存在していました。しかし、人類の技術水準はそれに追いついていないため、次第に忘れ去られていきました。「定年退職した後は宇宙に住みたい!」と考えている人がいたら、一緒に計画を立ててみませんか?

デビッド・W・ジェンセンという技術者が最近発表した論文に、そのことが詳しく書かれています。

65ページもある論文を細かく見ていくと大変なので、要所だけ切り取って紹介して参ります。ジェンセン博士の主張は大きく分けて3つのカテゴリーがあります。小惑星の選び方、居住スタイルの選択、そして新たな住処への到達の仕方(すなわち、どんなロボットを使ってそこに行くか)。それでは早速、順に見てまいりましょう。

まずは小惑星の選定。どれを回転する宇宙居住施設に変身させるか?大事なのは、小惑星が何でできているか?地球からの距離は?(到達に必要なエネルギー量「デルタ-V」の求め方)、それと大きさはどれくらいか?こんなところです。

ジェンセン博士は「アティラ」というS型小惑星をオススメしています。直径は約4.8kmと小型ながらも、直径1kmの「月」がついてきます。しかし距離としては地球から月までの距離の約80倍です。軌道で見ると、太陽系の「ゴルディロックス・ゾーン」圏内で、内部温度も安定させられると思われます。

次に、居住スタイルの選択です。博士は「ダンベル型」「球体」「円柱」「トーラス」という4タイプを提示しました。しかし、特に重要なのは求心力による重力、つまり「人工重力」の有無です。低重力だと長期間生活するにあたって支障があるのです。

求心力を得るには、ステーションを回転させなければなりません。アティラはすでにわずかな回転していますが、これを加速させ、地球上の重力を模倣できる適度な速度にしていく必要があります。それと、放射線や微小隕石から身を守るための外壁です。(博士は構造要素に無水ガラスの使用を提案しています)どんな材料をどれくらい必要か計算し、併せて内部の居住面積も考慮していきます。さらに内部に幾つかの階層を設けることで、居住空間を劇的に拡大させることができます。


博士によると、理想の居住形態は「トーラス」なのだそうです。その上で、ステーション全体の質量、巨大な柱で内壁を支える方法、床面積の割り当て方などを計算して見せました。ところで、それはよしとして、そのような巨大なものをいったい、どうやって作るのでしょう?

ジェンセン博士の答えは「自己複製ロボット」です。論文の第3章に、自己複製するクモ型ロボットと基地局の計画を詳述しています。地球から送るのは最先端の技術部品のみとし、岩石粉砕機からソーラーパネルに至るまで、小惑星そのものにある材料を使って他のすべてを作ることの重要性が強調されています。理論的には首尾一貫しており、理にかなっているように思えます。しかしながら、人間にこんなことが可能なのでしょうか?

全体の重量を見てみると、4台のクモ型ロボットと基地局、さらに3000台のクモ型ロボットを作るのに必要な高度電子機器を搭載した「シード」カプセル。以上はなんと重量にしてわずか8.6トン程度に収まるというのです。これをなんとかして小惑星に送れば、これ以上地球から仕送りは必要なくなるのです。

気になるお値段ですが、ジェンセン博士の試算によれば、この計画にかかる費用はたったの41億ドルです。NASAがアポロ計画に費やしたとされる930億ドルよりもはるかに少額です!これだけで10億平方メートルの宇宙居住区が手に入るというのだから驚きです。1平方メートルあたり4.10ドルという破格の土地代です。

建設プロジェクト自体は最短で12年で完了するとのこと。しかしそれは理論上の話であり、居住区に空気と水を満たし、温度調節をしていくとなると課題も多くなるでしょうから、もっと時間がかかるでしょう。それでも夢のある、魅力的な話ではあります。

世の億万長者たちの個人資産なら、十分支払える値段です。そのうち誰かが宇宙居住区の開発に投資し始めたら、個人同士の宇宙開発競争が進むかもしれません。

Learn More:
David W. Jensen – Autonomous Restructuring of Asteroids into Rotating Space Stations
UT – Airbus Designs a Space Station With Artificial Gravity
UT – Blue Origin Announces the “Orbital Reef,” the Space Station they Plan to Build in Orbit
UT – Gateway Foundation Gives a Detailed Update on its Voyager Station Concept

Lead Image:
Blender image of a large rotating space station similar to the one described in the study.
Credit – David Jense, Background credit – ESO / Serge Brunier, Model credit – Doug Ellison

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