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ぐるぐる

夫は元気だ。
元気に見える。悪い体調なりに安定しているというのだろう。
とても死を待つ人には見えない。

介護医療院に移り、まさに看護から介護へと向いたように強く感じる。
看護師の話より療法士の話が多い。
健康体だった頃の趣味に合わせて、楽しくリハビリへと繋げてくれているようだ。
表情も豊かになった。残りの時間を楽しく。

喜ばしい事だけど、その分心がざわざわする。

一見元気にさえ見える彼に、点滴だけで良いのだろうか。
ずっと心にひかかっている。これは正しい状況なのか。
誤嚥性肺炎をおこしてからの絶食期間を入れれば2ヶ月程点滴のみだ。
ポートが入っているので栄養輸液を入れようと思えばできるのだろう。
その提案が無かったのは、そういう体調だったのだと思う。
そういうものなのかと納得しようと思い納得しきれていない。
10㌔ほど減った体重。
このままって、餓死なのか。

看取りに急変は無いと言われる。
例えば今の病状から心不全を起こしても脳梗塞を起こしても、それは想定内の事となる。
それに対して延命は望んでいない。覚悟はできている。

でも、じわじわと弱っていくのは。

不謹慎とは思いつつ。一歩一歩進もうと思っているけれど、最近は立ち止まってばかりだ。ぐるぐるぐるぐる。





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