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【映画制作】試写会は製品PoC

こんにちは。松本悠香です。

現在、私たちが製作した「復讐のワサビ」という映画が、全国の劇場で公開中です。よい機会なので、映画を作り終わってから劇場公開に至るまでのことを書き残していこうと思います。

前回は、公開方法について書きました。今回は、劇場公開前に行った試写会についてまとめようと思います。
前回記事はこちら。

ちなみに、プリプロダクション段階(企画~撮影まで)の色々についてはこちらのマガジンを読んでみてくださいね。

事業立ち上げから製品開発フェーズ(のイメージ)

上記マガジンにある記事でも書きましたが、プリプロは、事業立ち上げに似ています。そして、映画を作った後の公開方法の検討やプロモーション活動は、製品開発に近しいなと感じます。
そういった活動の一環の中で、試写会は、映画制作のPoC(Proof of Concept)みたいなものと言えるかなと思います(IT業界に身を置いているのでこういう例えになっています・・)。

試写会は、映画制作のPoC(Proof of Concept)

PoCというのは、新しい技術や製品が「思った通りに動くんかなー」ということ実証するために検証を重ねることをいいます。
様々なフェーズの製品を何度も試すように、様々な編集段階の映画を様々な方に何度も見ていただき、意見を取り入れながらブラッシュアップしていくのが試写会です。

私たちの場合、計3回の試写会を行いました。1回目は試写室を借りて、本当の制作コアメンバーのみ、2回目はすべての制作メンバーやキャスト、そして日ごろから支援してくださっている取引先や映画・映像関係者の方々に向けて、そして最後は、撮影地でお世話になった地元の方々などに向けて開催しました。

スケジュールや開催場所は?

スケジュール感としては、映画のポストプロダクション(映像編集、音編集、色調整など)が終わってから1-2カ月で2回の試写を行いました。
2回の試写を経て様々なテコ入れを行い、3回目の試写を行ったので、約半年の試写会&テコ入れフェーズがあったことになります。

場所は、銀座にあるTCC試写室をお借りしました。都内に複数の試写室がありますが、インディー映画界隈はTCCさんと渋谷ユーロスペースの下にある映画美学校の試写室を多く使っている気がします。
TCCさんは立席であれば30名ほど入れそうな規模の待合室もあり、上映前後の歓談やちょっとしたパーティーもすることができます(2023年4月当時)。私たちは上映後にパーティーも行って、フィードバックを多くの方からいただきました!

信頼できる人にたくさん観てもらう

試写会を行うことで、「公開できるのかも」と自信になるようなコメントをいただいたり、逆に厳しいフィードバックもいただくことができ、本当に複数回開催してよかったなと感じています。
何より、関係者の方々に御礼もできたし、映画業界関係者の方々に偶然来ていただけたことで、こういう作品ならこういったところにコンタクトしてみてはどうか、とネクストステップにつながる具体的なアドバイスもいただくことができました。

作品ができた段階で、映画データを不特定多数の方に配布して観てもらうという方法もあるようですが、個人的にはもっと自分たちの作品を大事に扱った方がよいかなと思います。
信頼出来て、きちんとフィードバックをくれる方に限定してデータは共有、だれかれ構わず共有したり、うっかり限定公開なしにYouTubeにUPしたり・・は避けるべきだなという所感です。

お読みいただきありがとうございました!次回は映画祭出品について書こうかなと思っています。気になった方はぜひフォローください!


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