友人をウマ娘に沼らせるのに失敗してむしゃくしゃしてる話

 劇場版ウマ娘 新時代の扉、公開されてしばらく経ちましたがいい映画ですよね。自分はアニメでウマ娘を知りアプリを少しするくらいで史実(競馬)を知らない程度のにわかなのですが、ライブに行ったりしてすっかりウマ娘というコンテンツに魅了されています。

 Twitter(現:X)でも劇場版の評価はとてもよくウマ娘新規さんにもおすすめ!なんて言われてたりしました。
自分は2回観たのですが次観に行くならせっかくだしウマ娘未履修の人を連れてって反応を見てみたいなーなんて思い、そこそこオタクな友人を誘いました。
友人は乗り気でないもののチケット代は出すからというと話は進みました。
(私がムビチケ余らせてたってのも理由ですが)
友人は某アイドル作品に推しがいたり音ゲーやってる程度ですが世間的には十分オタクなのでまぁ、はまらなくても楽しんではくれるだろうと踏んでたわけです。
今作はスポ根要素も強いので中学まではオタクの道を知らず運動部で邁進してた友人にはピッタリなんじゃないか、魅力的なキャラも多いので推しの一人もできれば今後は語り合えるんじゃないかなんてホクホクと一人で盛り上がってたんです。まぁ、結局徒労どころか友人としての付き合いを考え直すほどの気分を味わうのですが。

 観に行く予定の日、後から買いものも行きたいということで朝イチの回を選択。友人を車で迎えに行ってから劇場に向かう予定だったのですが友人は寝坊。そこまで待たされたわけではないものの事前に時間の連絡もしていたのにも関わらず寝坊。俺は朝早いからと楽しみにしていたガルクラ一挙放送を途中で切り上げたのにこの仕打ちは少し堪える。
映画館には無事到着し普通を観る流れに。地方都市なのでアニメ映画の朝イチの回なんてガラガラ。自分たち以外の席は1,2ほどしか埋まってない。

 無事視聴終了。寝坊した友人が寝落ちしてないかなと心配してたがドリンクも飲んでたし大丈夫だったようだ。
劇場が明るくなる。こういうときってどっちが先に口を開くか、何言おうか、感想を早く聞きたいなんていろいろ考えちゃう。俺はうまぴょい伝説の余韻でほほに涙を流しながら友人の出方を待った。が、無言で離席。まぁ、そういうパターンもありがちなので特に俺も何も言わず離席。余ったポップコーンをほおばりながらロビーへ向かう。食べ終わったところで友人にどうだった?と聞いてみた。内心うっきうきであった。実にあさましい。

「ウマ娘が好きな人にとっては面白い映画だったんじゃないかな」

 …まぁ、予備知識なしならそんなもんかと自分を納得させようと思ってると彼の二言目は「展開は面白いところもあったがウマ娘の要素が邪魔だった」
時間が止まったようなショックってああいうのを言うんだろうな。何言ってるんだお前は。お前に観てもらったのはウマ娘の映画だぞ。そのあとも彼なりの気に入らない理由を聞いたするがあんまり覚えてない。

・自分もスポーツやっていたからスポコン展開はアツかった
・が、盛り上がってきたってところでウマ娘らしい描写(※)が出てきて覚めてしまった。
※ヒールシューズで走ってるのがスパイクとか使ってる彼からすれば受け入れがたかったらしい
・スポーツやったみからするとそういうファンタジックな部分が気になってしょうがない
・(ソシャゲらしく)キャラが多くてメイン以外のキャラが覚えられなかった
・最後のライブが一番いらなかった

などなど。
そうかぁ…アニメコンテンツに触れててもこういう人間もいるんだなぁって。自分みたいに単純に描写や展開、音楽に魅せられて涙を流しちゃうような人間には信じがたい感想だった。
極めつけは自身は邦画が好きで実写の魅力がどーたらこーたら。こっちがウマ娘関連のフォローを入れたりしたものの聞く耳もたず、というか彼は自分の語りを始めると他人の話題転換も遮って話し続けるタイプだった。

 心底がっかりした。ウマ娘に興味がないフラットな感情だと思ったからチケット代まで出して送迎付きで誘ったのに。これではまるで軽くアンチではないか。ウマ娘らしい要素だけをピックアップして俺好みじゃない、と言い放つ彼にはがっかりした。金や時間が惜しいわけじゃない。俺が勝手に彼の時間を借りて映画を観せただけだ。それに対し彼は彼なりの感想を言ったまで。話はそれだけ。

 なのにとても悔しい。自分の好きを否定されることなんか小学生時代にオタクだった自分は何度も経験してきた。アニメを見てるだけで馬鹿にされ、この作品が好きだというと指をささて遠くから笑われる。そんなの普通だった。時代もオタクに寛容になってきた。彼とも好きな作品で語り合ったり遠征してイベントにも行ったりした。以前から自分の好きを挙げるために他作品を下げたりもしてたけど、何度も同じような話を聴かされたりもしたけど、オタクとして心を許していた自分が愚かだった。人のことを言えないが自分でお金を出していないコンテンツには割と上から目線で品評してしまうもんで。きっと彼はお金をかけなかったから、朝早く起こされて観させられた映画だから「楽しもう」って感情が生まれなかったんじゃないか。劇中のカラッとした勝負の世界に没入させることができなかったんじゃないか。
そもそも誘ったのが間違いだったのだろう。あわよくば沼に落としたい、そう思った俺自身のエゴを悔やむ。

まるっと一日経った今でも感情の整理がつかない。ウマ娘は相変わらずコンテンツとして輝き続けている。4DXは観に行けてないのでそちらも行きたいがなんだか映画館に足が向かない。ぼっちざろっくの映画も観に行きたいんだけどな。アニメコンテンツに感情を揺さぶられ涙を流す、そんな日々を楽しいと思える。コンテンツを生み出すクリエイターの皆様に感謝。配信コンテンツも充実しれいる現代が素晴らしい。

なのに現実の言葉でもろく崩れる感情にまた振り回されていく。

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