「保存的治療」における接着治療とは④
みなさんこんにちは
2025年12月東京都杉並区にのだデンタルクリニックを開院予定の
歯科医師の野田裕亮です。
当院の「保存的治療」についてお話しさせていただいております。
前回は「接着治療」の口腔内接着法(直接法)の症例について
お話しさせていただきましたが、今回は「接着治療」の口腔外接着法(再植法)の症例についてお話しします。
外科処置のため出血の場面もあるかと思いますので
ご覧になる方はお気をつけください。
②口腔外接着法(再植法)
歯根破折が起こり、他院で抜歯宣告をされ抜歯の前に接着治療が適応になるか
診てほしいというセカンドオピニオンの初診の方でした。
おそらく前院の診断通り、縦に真っ二つに破折してしまっている一番奥の歯です。
延長ブリッジの土台として使われていた歯のようで、噛み合わせの負担により
破折したと推測されます。ただ歯根の周りの炎症組織による骨破壊が
まだ深刻化していない状況や、全体的な歯周病の治療がされていて口腔内の
清掃状況が綺麗な状態だったことから、直接法の適応にはならないが、
口腔外接着法(再植法)での治療であれば保存的治療が可能なのではと患者さんと話し合い、残せる可能性があるならと治療を開始しました。
これが術前のお口の中の写真
誰が見ても歯が真っ二つなことがわかると思います。
抜歯を行い、破折根についた不良肉芽(炎症組織)を綺麗に除去
医療用接着剤を破折面に塗布し
接着。
余分な接着剤は除去をして抜歯窩に再植をします
(写真は4週間の固定後、固定を外した後の写真)
日々があった部分に薄っすら白いラインが入っているのがわかるでしょうか?
ここが割れていた部分になります。
経過をみて、歯の動揺も腫れもなければ、セラミック治療で治療は完了です。
1度亀裂が入った歯は再度亀裂が入りやすいため、
同じようにブリッジの土台として使うのはお勧めできません。
今回は1つの歯として被せ物を完成させました。
治療後4年以上経過しますが、1度も腫れたり傷んだりした様子もなく、
あの時抜かなくてよかったと今も欠かさずメンテナンスにご来院いただいております。
人の身体とは本当に不思議なもの。
あれほどの重傷を負った歯なのにお食事で困ることなく生活されて
いらっしゃいます。
口腔外接着(再植法)が適応になるケースは歯の状態だけでなく、
患者さんご自身の全身疾患の有無や服薬の状態も可否が分かれます。
適応になる状態のなのか一度ご相談ください。
あなたにはが1本でも多く残せますように・・・
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