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なぜ英語学習にAnkiを取り入れるべきなのか

私は大学を卒業してしばらく経ってから英語学習を開始したのですが、それまでの英語経験は、大学受験でのときに勉強した英語が全てでした(大学に入ってからも英語の授業や英語の論文を読んだりなどはありましたが、それで英語力が上がったとも思えない)。高校3年の時に受けたセンター英語の点数が140点くらいで、大学2年か3年のときに受けたTOEICのIPテストが300点台だったのを覚えています。その英語力から、2019年の6月に学習を開始し、1年3ヶ月でTOEIC925点(2020/09/13)、1年5ヶ月で英検一級に合格(2020/11/13)と、比較的短期間で成果を収めることができました。私はその八割はAnkiのおかげだと確信しています(というかAnkiの素晴らしさに感動して英語学習を始めた節すらあります)。今回はAnki未使用の方向けに(特にTOEICや英検などの試験に向けて勉強している人向け)、Ankiを英語学習に取り入れるべき理由を語っていきます。

無料(iOS版だけ有料)

なによりAnkiは無料で利用できます。iOS版のみ有料(25ドル)です。

学習効率が良い

Ankiを利用することで、復習にかかる時間を大幅に短縮でき、またベストなタイミングで復習を行うことができます。その理由はAnkiがエビングハウスの忘却曲線の理論に基づいて、復習するタイミングを決定しているからです。以下はAnki日本語マニュアルからの引用です。

Anki は 物事を憶えるのを楽にするプログラムです。伝統的な学習法と比べて Anki は ずっと効率的なので、あなたは 学習時間を大幅に節約したり 身につける知識量を大幅に増やしたりできます。
SuperMemo (Ankiの前身となるソフトウェア)の 間隔をあけた復習 システムでは、質問に答えるたび、ユーザは どれくらい良く憶えていたかを プログラムに入力します - 完全に忘れていた・少し間違った・どうにか憶えていた・簡単に思い出せた、などです。プログラムはこの入力を使って、この質問を再び出題するのは いつが最適か を決定します。思い出すのに成功するたびに記憶が強化されるので、復習の間隔は しだいに長くなっていきます - 質問を最初に見た日、次は 3日後、その次は 15日後、その次は 45日後、のように。
これは学習の革命でした。最小の労力で 物事を学習し記憶を維持できるからです。SuperMemo のスローガンがこれを要約しています: 間隔をあけた復習があれば、あなたは 忘れることを忘れる ことができます。

復習というのは、しすぎても、しなさすぎてもダメで、適切なタイミングで行うことで一番脳に定着します。その復習のタイミングを自動化してくれるのがAnkiです。英語の学習というのはとにかく時間がかかるものですが、Ankiを利用することで大幅に復習の時間をカットできます。

自分で学習計画を立てなくて良い

これは前項と被る内容ですが、Ankiが適切に復習のタイミングを決定するので、それに従って復習を進めていくだけでよいです。自分で面倒な学習計画を立てる必要はありません。やるのはカードをめくって思い出せたら「普通」思い出せなかったら「もう一度」のボタンを押していくだけです。あとは脳が勝手に単語を覚えていきます。紙の単語帳を使っていて、どのタイミングで復習すればよいか毎回悩んでいる人は、Ankiを入れることでその悩みから開放されます!

半強制的に勉強をさせられる

Ankiは毎日学習しないと復習カードがどんどんたまっていくので、 今日の分は今日片付けようという気にさせられます。その日英語の勉強をしたくなくても、「Ankiだけはやろう」という気にさせられます。そうしてAnkiをし始めると、不思議なもので、脳が勝手に英語の勉強モードになっていて、「文法の勉強でもしようかな」という気になったりします。このように、スムーズに英語学習に移行するための取っ掛かりのような役割を果たしてくれるのがAnkiです。私は今では英語の問題集を解いたりなどの、いわゆる「英語の勉強」のようなものはしていませんが、Ankiは続けています。Ankiが終わると、スムーズに英語の記事を読んだり、英語の本を読んだりという流れに持っていけるので、この効果は今でも実感しています。私のようにサボりぐせがあり、三日坊主で勉強をやめてしまう人には、Ankiは絶大な効果を発揮します!

また、Ankiでの一日の学習量は決まっているので、毎日何をすべきかがはっきりしているのもメリットです。一日の成果は短時間で達成した小さなものですが、学習が終わったときには小さいながらも達成感があります。毎日小さなことをコツコツつみあげて、大きなものにしていく楽しみがあります。学習の結果は、統計欄で詳しく確認することができ、モチベーションの維持に繋がります。

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上の画像のように学習した日を可視化できる機能があります。それを見ながら達成感を味わうのも良いでしょう :)

文法対策や英検のライティング・スピーキング問題対策にも使える

単語を覚えるだけでなく、Ankiは様々な学習に応用できます。

私は文法の学習にAnkiを使いました。私は文法学習にForest(現Evergreen)を使いましたが、Forestには各単元ごとに重要例文が掲載されており、これをAnkiにいれることで文法用カードを作りました。日本語を見て、穴埋めで隠された単語を推測することで、重要な文法項目を学んでいきました(画像参照)。

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また、私はAnkiを英検のライティング対策に使いました。あるトピックに対して、どういったことを想起すべきか、ということを問うカードを作ることで、トピックに対して即座にどのような内容のことを言えばいいのか思い出せるようにしました。これはライティング対策だけでなく、二次試験のスピーキング対策にも役に立ったことです。またスピーキング対策ではそれだけでなく、表面にトピック、裏面に話す内容が書かれたカードを作り、Speed Focus Modeというアドオンと併用することで、スピーキングの2分の感覚を磨きつつ喋る内容を覚えることもできました。その結果英会話の経験はほぼ0の私でしたが、一次試験から二次試験まで2週間という短さ(本当は3週間あったが一次試験の合格発表までなにもしていなかった)で、試験を一発で合格することができました(いずれライティング・スピーキング問題対策についての記事も書きたいと思います)。

また、瞬間英作文をAnkiでやっているという方もいるようです。表面に日本語の文章、裏面に思い出すべき英文をいれてSpeed Focus Modeで時間設定をすることで、効率的な学習を進められるのではないかと思います。

またこれも試したことはないのですが、リスニングの訓練にも使えると考えています。特に発音が紛らわしい単語(right / lightやcards / carsやthink / sinkなど)の音声だけを表面に置き、正しく聞けるか判定を行うことで、リスニング力も上がっていくのではないのかと思っています(試したことがある方がいれば是非感想をお聞かせください)。

ゲーム感覚で学習できる

統計画面で、かかった時間や正答率などが表示されるので、その日の学習の出来具合をチェックできます。カード一枚あたりにかかった時間も表示されるので、私はそれをできるだけ縮めるように、タイムアタックをしている気持ちで毎日学習を楽しんでいます :)

どこに居ても学習できる

同期機能を使うことで、PCやスマートフォンなど様々なデバイスで学習可能です。朝忙しくて自宅でのPCを使った学習が半分までしかできなくても、学習結果を同期することで、その続きを通勤中のバスの中でスマートフォンを使ってできたりします。前述の通りiOS版は有料ですが、Android版は無料なので、無料で同期機能の素晴らしさを体験できます。

テスト前の詰め込み学習にも対応

試験前に単語を全部見返したいというときには、カスタム学習という機能が使えます。詳しくは「フィルター単語帳でAnki学習をカスタマイズしよう」に書かれているので割愛しますが、私はTOEICや英検一級の試験当日、試験開始前にこの機能を使って学習しました。

Ankiは長期的なスパンで学習するというのが基本的な思想ですが、短期的な詰め込み学習にも対応しており、この機能はTOEICや英検などの試験前に大きな効果を発揮します。

学習費用が節約できる

単語学習においては、覚えるべき単語のリストさえあれば、それをもとにスクリプトを使って音声と画像付きのカードを自動で作成できます。中身が見れなくても、単語リストは公開しているという単語帳は結構あるので、それを利用すれば単語帳を買わずとも単語学習を進められます。

またAnkiは(iOS版以外)無料なので、単語学習アプリなどにかける費用を節約できるというメリットもあります。特に単語学習については、学習アプリをAnkiに一本化することで、適切な復習間隔を保ったまま学習できるというメリットもあると言えます。

Ankiでできないこと

Ankiではできないこともあります。その一つが発音の改善です。当然Ankiには発音の良し悪しをチェックする機能はないので、他の発音矯正アプリなどを使う必要があります。またもう一つはリスニングスキルの改善です。単語一つだけや音素などの学習には向いているかもしれませんが、TOEICや英検などのリスニング問題を解くためにすべき学習法は、Ankiではなくシャドーイングやディクテーションなどになってくるでしょう。

英検一級合格後の成果

少し本題からは逸れますが、英検一級合格してから1年が経ち、それからどの程度知っている単語が増えたのか載せておきます。これらはすべてAnkiの賜物です。

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終わりに

今回はAnkiを知らない人や、聞いたことはあるけど使う気になれない方に向けて記事を書いてみました。「Ankiと似たような分散学習型のアプリは色々あるけど、それと比べてAnkiはどう良いの?」という声もありそうなので、次回はAnkiが他アプリ比べてどう優れているかにフォーカスして記事を書いていこうと思います。お楽しみに。

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