見出し画像

YOASOBI「夜に駆ける」ボカロPの曲とタナトスのこと

Twitterで「夜に駆ける」が、ビルボードのストリーミングランキングで12週目の1位というワードが目に飛び込んできました。
12週連続1位と言えばベストテン12週連続1位の「ルビーの指輪」を思い浮かべます。
私は平成生まれですが、昭和歌謡も好きです。

さて、今回はYOASOBIの「夜に駆ける」について書きたいと思います。

YOASOBIの作詞作曲を担当しているAyaseさんはボカロP出身で、現在も初音ミクを使った曲を投稿されています。
平成初期生まれの私はボカロの誕生から今日までをリアルタイムで見てきました。

人気の歌が支持されている理由は、例えば歌詞に共感できるとか、元気が出るとか楽しいとか、たくさんあると思いますが、ボカロの曲においては「歌いたくなる」ことが一番多い理由ではないでしょうか。

Ayaseさんの曲は歌いたくなる。

「夜に駆ける」はボカロの曲ではないけど、ボカロPであるAyaseさんの曲だからこそ、ここまで多くの人に、聴かれているだけではなく歌われているんだと思います。
歌い手さんのみならず、普段歌を投稿しないYouTuberの方や芸能人の方までもが歌ってみたを投稿しているのが興味深いです。

そんな「夜に駆ける」は「タナトスの誘惑」という小説を元に作られています。
私は音楽を聴く時、あまり歌詞を重要視しないので、その小説を読むまで「夜に駆ける」という言葉の意味すらも考えていませんでした。
というより気にならなかったし、男女の単なる別れの曲だと思っていました。

だからタナトスというワードにとても驚いたんです。

私が初めてタナトスという言葉を耳にしたのは2009年に放送していた「ラブシャッフル」というドラマです。
吉高由里子さん演じる美大生の海里ちゃんにはタナトスが見えて、いつも死ぬことを考えている、という設定でした。

なぜ死にたいのかと聞かれて、なぜ生きたいの?と答えた表情がとても美しく、胸が締め付けられるほどに儚い。
「夜に駆ける」の「君」も海里ちゃんのような美しさを持っていたんだろうと考えました。

歌詞を理解して「夜に駆ける」ことの意味を知ると、落ちサビと大サビでの転調も、この騒がしいようで整然としたピアノアレンジにも合点がいきます。
疾走感を感じる程のBPMと潔いサウンドは、死がテーマとは思えないけれど、MVの右上の頁数のように淡々と、どんどん物語が進んでいって小説の中に入り込んだような感覚がする。
夜に向かっていくんだと分かっていてもドキドキします。

ikuraさんの癖のないストレートな澄んだ声はすっと胸の奥に入り込んで、見えない気持ちになって溢れる。
最後の最後の歌い方と歌詞に、絶望と希望を見出すことができた。
今の私にとって、必要な歌です。

以上、「夜に駆ける」を聴いて、考えたことを書いてみました。
よろしければ、スキ、フォロー、Twitterのフォローをお願いします!

Ayaseさんの曲が大好きです。
「夜に駆ける」も大好きな曲です。
「ラブシャッフル」もとても良いドラマなのでオススメです!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?