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読書力

ルロワ=グーランの身ぶりと言葉 (ちくま学芸文庫) を読む。これはおもしろいと、他人にも勧めたくなる。そこで、ふと思う。思い浮かんだ人のうち、この本を自分のように興味深く読める人は、全員ではあるまい。

本を面白く読むにも、「読書力」と言ったものが要る。

単純に学力が高いからと言って、読書力も高いというわけではなさそうである。

現代文の読解問題が解けるから読解力があるかと言えば、そういうわけでもない。

読書というものは、自分の感性や知識をさらに拡げたり、つなげたり、また深める物だろう。

読書の楽しみの一つとして、普段から、自分で考えていることの解決を見るという事がある。

それも、読書力の一つだと思う。

読書力がある人は、読んだものを自分なりに解釈して、他人に教えられるレベルにもある。

知識のハブというか、ニューロンのような役割も果たせるのだと思う。

次に、非常に大雑把に読書力のレベルを示ししたいと思う。

読書力 7 幅広いジャンルの専門書が読める

読書力 6 特定の専門書や古典が読める

読書力 5 近代文学が読める

読書力 4 エンターテイメント系の小説が読める

読書力 3 タレント本や雑誌のエッセイが読める

読書力 2 新聞等を読める

読書力 1 活字はネットくらいしか読まない

読書力を上げるには、どの程度のレベルなのかを把握したうえで、少しずつ上げて行けば上がるのではないかと思われる。

書評のコツは、本の内容を端的にまとめることと、新たな提案をすること。

個人的には、といっても書くことすべては個人的なものであるが、幼いころに紙を触りながら覚えたためか、今でも、本の形でないと、頭に入ってこない。
それは、紙の手触り。紙から反射された光による情報、情報そのものではなく。
ディスプレー上の情報は、栄養だけの食事に近い。
叡智(えいち)は、私ではなく、相手のほうにある。私がそれを汲(く)み取って、いただいているのである。自分なりの編集で。
編集は自分なりの解決法を示している。

気楽に読む

ハードカバーだって、雑誌感覚で読んでいる。
全部読まなくていい。目次を見て好きなところだけでもいい。
わたしはハードカバーだって、編集ネタ探すために読んでいるだけ。それを全部読めとか、わからない語は、辞書を引けとか、メモしろとか、そんな形式はわたしのSTYLEではない。

今や、なんであれ、ゆるく、というか、バッハの曲で盆踊りとか、合唱だって、地声で好きに歌うとか、もっと自由なやり方がふさわしい。

読書をしないのは、わからないものを読むのがいやなのか。 
「わかる」必要があるのか。わからないままでいいんじゃないの。

教養を深める。
本を読む。
そこに知能的コンプレックスがあってはならない。

自分の知識に曖昧さを残す。
曖昧にするために読書をするようなもの。
どんどん雑種化していく気がする。


物語というのは、因果関係を示すことで成り立っている。何か出来事が起きたり、登場人物が目的を持って行動したりするときに謎が示される。解きたがる人には読んでいて楽しいだろうが、それをやっていくとコミュニケーションは成り立たなくなる。
それでこうなる、それでこうなる、いや、それではこうはならないだろうと思う。

本と言うのは、私を励ましてくれるのか、慰めているだけなのか。

本を読むときも、いつ、何があったか、というのよりも、なぜ、それがそうなったのかを見るとよい。

図書館のいいところは、借りれば読むということ。
自分で買うと、買ったままで、読まないことが少なくない。

また、気軽に好きなところを読める。小説でも、学術書でも、それを仕事にしているわけでもないのに、頭から真面目に読む必要はないでしょう。

多くの小説を読むタイプもいれば、特定の作家の小説を読むタイプもいる。
それが普通の読書家であり、読書が趣味と言う人なのだろう。
電車で小説を読んでいられる方々もそのタイプなのだと思う。
自分は、数少ない小説を繰り返し読んで、今の小説も含めて、その他はほとんど読まない。
嘗ては読んでいたが、今は、数少ない小説だけで十分になってしまった。

海外SF

銀河ヒッチハイク・ガイド
砂の惑星
エンダーのゲーム
ハイペリオン
ニューロマンサー


やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
与謝野晶子「みだれ髪」

君待つと我が恋ひをればわが屋戸のすだれ動かし秋の風吹く
額田王「万葉集」

君かへす朝の敷石さくさくと雪よ林檎の香のこどくふれ
北原白秋「桐の花」

君恋ふる心はちぢにくだくれどひとつも失せぬものにぞありける
和泉式部「後拾遺和歌集」

あひみてののちの心にくらぶれば昔はものを思わざりけり
権中納言敦忠「後拾遺和歌集」

山を見よ山に日は照る海を見よ海に日は照るいざ唇を君
若山牧水「海の声」

世の常のわか恋ならはかくはかりおそましき火に身はや屋久へき
有島武郎

好日日記 季節のように生きる
ネオンと絵具箱 / 大竹 伸朗
就職しないで生きるには / レイモンド マンゴー
考えの整頓 / 佐藤雅彦
3652―伊坂幸太郎エッセイ集 / 伊坂幸太郎
ターン / 北村薫
ふたつめのボールのようなことば。 / 糸井重里

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