同人誌の装丁覚書⑤ 初めてのスズトウシャドウ利用
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同人誌の装丁覚書(マガジン)
はじめに
2018年は、おそらくわたしが最も同人活動を活発に行っていた時期です。当時何もかもダメになり休職中だった自分の心を安らかにしていたのは、同人活動だったのだと思います。
2018年10月のスパーク併せでわたしは新刊を3種類刷りました。今回はその一つを紹介します。
数年前から自分の好きなコンセプトでモブとキャラクターが絡み、モブが大変なことになっていく話を集めたアンソロジー風の同人誌を作ってみたいなと思っていました。寄稿してくれる人はいなくても、自分で人数分書けばアンソロジーっぽくなりそうだし……。でもできたらフォロワーにも声かけたい……! と色々フォロワーのご好意甘えさせていただいた結果、禍々しいアンソロジーもどきができました。また、今回初めてスズトウシャドウを利用しました。
仕様
黒い本文タイトル『ダチュラの偶像』の部分にOPTパール箔がそのまま乗るイメージです。実際に印刷されたものはこちら。
実物写真
少し暗い画像になってしまっていますが、実際の色味に近い加工をしています。白い礼装の中に彩られた赤~ピンクが印象的な表紙のため、カレイド印刷でその部分がより強調されたのが想定通りでよかったです。
OPTパール箔が輝くとこのようになります。下の黒いタイトルが透けつつ、箔自体の虹色の煌めきが浮かび上がっています。こういう螺鈿のような箔押しがしてみたかったので、思った通りの箔が押せてよかったです!
また、表紙はベルベットPPを使用しています。これを注文する以前、友人の同人誌(ベルベットPP+箔押し)を見て自分のアンソロもどき本でも絶対にやりたい……! と思った仕様でした。(スズトウシャドウはこちらの組み合わせで印刷できるセットがご用意されていたため使用することを決めたという経緯があります)
ベルベットPPは見た目はマットに近いのですが、触ってみるとしっとりと吸い付くような肌触りのPP加工です。表紙を飾る女、殺生院キアラの肌をイメージしてこのPPを選びました。
表2、3は黒で塗り潰したいなと思い、黒背景にデザインを配置。人魚姫と小夜啼鳥、アンデルセンの宝具イメージの本と羽根ペンを入れました。カラーページは寄港していただいたイラストのため省略させていただきますが、どちらもすばらしいイラストで、カラーの再現率も高いと感じました。
目次や本文はこちら。目次の背景画像がアンティークな本っぽくて気に入っています。
9.5pt!??!!!? と今気がついてびっくりしています。そんなにでかかったのか……ですが筑紫Aオールド明朝の個性なのか、もう1pt小さく字が見えるような気がします。そこそここれも読みやすい組版にできたと思っていますが、敢えて言うなら行数を17~18行にしても大丈夫だったようにも感じますね。
感想まとめ
以上です。次は初めてコミックモールで印刷した本を二冊連続で紹介します。
サポートが何なのかわかってないですが、していただいたらメチャメチャ感謝します。