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同人誌の装丁覚書⑦ ブックケースを作ってみよう

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同人誌の装丁覚書(マガジン)

はじめに

2019年5月3日、それは2019年のわたしにとって最も幸せな一日でした。もう後にも先にもないかも知れない自カプのプチオンリーが開催された日だったからです。

絶対にこのプチで新刊を二冊出し、自カプ最高!の気持ちを高めよう……そう思ったわたしはまず一冊目、再録本の計画に映りました。2013年から書き溜めたほぼ全ての自カプの小説を再録した分厚い本を出したかったのです。

様々な印刷所を検討し、わくわくドキドキするような装丁をあれこれ妄想した結果、まず緑陽社でこんな本を作りました。

本の仕様

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▼本の仕様(A5二段組み/全222ページ)
セット:小説本セット
表紙:ハイマッキンレーポスト 200kg/ホログラムPP スターダスト
本文紙:クリーム書籍用紙72.5kg
遊び紙:桜ふぶきトレペ 52kg(季節限定)
イラスト:百丸さん

虚数空間の中に灯る天球儀の明かりとそれを囲む自カプ、そしてホログラムPPで輝く星達をイメージして表紙イラストを描いていただきました。

実物写真

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想像通り!!! 星屑のようなラメがキラキラと全体を覆いつくして虹色に輝いているのがめちゃめちゃ綺麗です。色もほぼ画面通りに再現されています。流石緑陽社だな~。

写真 2020-12-31 9 43 09 (1)

今回緑陽社を選んだのは、桜ふぶきのトレペ遊び紙が季節限定の緑陽社オリジナルのものだったという理由が大きいです。作品のテーマと相俟ってすごく綺麗、かわいい。

写真 2020-12-31 9 43 09 (3)

ただし………………組版をミスったまま入稿してしまい、すごく読みづらい本ができてしまいました。お手に取ってくださった方々、今更ですがお詫び申し上げます。元々はもっと字間が詰まっていた筈なのですが、途中で余白などの設定をいじっている内に字間が通常より開いたまま、気がつかずに入稿してしまったみたいです。ずっと同じ原稿に向き合っていると何がおかしいのかぱっと見気がつけなくなるのが恐ろしいですね……。この本以降、組版のチェックはきちんとやるように気をつけています。

▼体裁
字数:47字
行数:22行
フォント:FJS-筑紫明朝 Pr6N R 9pt
上端:25mm
下端:20mm
左端:18mm
右端:23mm

上記のような体裁となっていますが、本来は字数を52~53字程度にして詰めるべきでした。反省。


ブックケースの仕様

そんなこんなで刷り上がった本をプリントオンに送って、この本に合わせたブックケースを作成していただき、会場限定のノベルティとして頒布しました。それがこちら。

ブックケースサンプル

▼ブックケースの仕様
セット:ブックケース - オーダーメイド
タイプ:スリップ縦 A5サイズ
用紙:羊皮紙 白 220kg PP加工なし 内側印刷(裏面印刷)あり
箔押し加工:つや消し金 150㎠まで

本の中身とはがらりと印象を変えて、ざらっとしたアンティークな風合いのケースにしました。ギルガメッシュの蔵の隅っこに忘れられたかのように置いてある宝物みたいなイメージです。

実物写真

写真 2020-12-31 9 43 09 (2)

つや消しのゴールド箔、つやありのもの(エリザベートの本で使ったものです)と比べてよりヴィンテージ感があり、これを選んでよかったなと思いました。どうしても箔抜けが起きること、PP加工をしていないため角の部分のインクが剥がれてしまうことを事前にお知らせされていましたが、それすらイメージ通りで気に入っています。

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裏面も箔押しする予算ほしかったな。

写真 2020-12-31 9 43 09 (4)

ほぼ見えないのですが、内側印刷もしています。表紙の背景を使用し、桜の舞う虚数空間が箱の中に拡がっていることを表現しました。手に取ってくださった方だけがわかる仕様です。

感想まとめ

・組版は最後きちんと確認しろ
・緑陽社の季節限定オリジナル遊び紙はかわいいものが多いので定期的にチェックするのがおすすめ
・物語性のあるブックケースは作ると楽しい

以上。この本がプチオンリーの賑やかしの一つになれていたらいいなと願ってやみません。

次回は同時に頒布した、STARBOOKSで印刷した同人誌の紹介をしたいと思います。よいお年を。

サポートが何なのかわかってないですが、していただいたらメチャメチャ感謝します。