同人誌の装丁覚書⑥ 格安のコミックモール
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同人誌の装丁覚書(マガジン)
はじめに
前回記事から間が空いてしまいましたが、今回は2018年10月のスパーク併せで刷った新刊のうち2冊を紹介します。
新刊を同時に3冊も出すとなると、当然ですが印刷代も嵩みます。そんなわたしの救世主となってくれたのがコミックモールです。フォロワーのすすめで知った印刷所ですが、本当に格安です。特に分厚い小説本を少部数刷りたい人にとってはかなり敷居の低い印刷所だと思います(今回の本は2冊ともページ数少ないですが)。
①1冊はCCC初登場時から推していたメルトリリスについて、FGOを経た上で自分の願いを籠めた本。②もう1冊は、当時ツイッターに掲載していた画像SSの再録集です。
仕様①
FGOのメルトリリスの衣装が淡くキラキラ輝くイメージだったので、キュリアスにマットPPをかけてみました。
実物写真①
少し黄みがかってしまいましたが、実際はもう少しピンク寄りにうすーく発光をしています。と言ってもマットPPをかけているため輝きはよく目を凝らさないとわかりません。PPなしでもよかったかな? と思いつつも、このPPがかかっているが故の輝きも気に入っています。
表2・3はPP加工を施していないので、元の上品なパール調の輝きがよく見えます。
クラシコトレーシング星くずしはこんな風に白いもやもやが全体的にかかったトレーシングペーパーになっています。「そのいたみはほしのように」という名前の宝具を使うメルトリリスに似合うな、と思って用いました。
本文用紙は淡いクリームがかった薄い紙です。62kgの薄さだとかなりめくりやすいので、分厚い本を出される方には特におすすめです。
体裁についてはこちら。
キアラ本と殆ど同じ体裁ですが、行数だけ若干こちらの方が多いです。どうして増やしたのかよく覚えていないんですが、そちらの方がページ数の収まりがよかったのかな? やはり字が大きい気もしますが、行間の余白がそこそこあって個人的に好きな段組です。
仕様②
Fateシリーズの画像SSを突っ込めるだけ突っ込んだ雑再録集ですが、サークル名の「残夢」(=明け方に見る夢、目が醒めてなお心に残る夢)を「蒐集」するというタイトルはなかなか気に入っています。英語タイトルの「the dilettante」はALI PROJECTリスペクトです。
実物写真②
ヴィンテージゴールド紙に印刷するとこんなに風合いが違うんだ……! と感動した一冊です。月やタイトルのうす黄色の部分ではラメっぽい紙の地がよく透けています。薄い紙のため端っこなどすぐ折れちゃうのですが、一度は使ってみてほしい表紙用紙です。
表紙の裏側はラメがなく、クラフト紙のような色と質感です。遊び紙がついていなくても寂しい印象がありません。
swan songと同じく62kgの書籍用紙を使用しているので、大変めくりやすいです。淡クリームキンマリと比べるとこちらの方がより茶けたクリーム色のように見えます。
何故か元の原稿データが残っていないので体裁については省略します。フォントはいつもの筑紫明朝Rです。
感想まとめ
短いですがこんなところでしょうか。コミックモールにはこの後も再版でお世話になっていますが、小説本を出されるサークルさんには一度は使ってみていただきたいと感じる印刷所です。ぜひ選択肢の一つにどうぞ。
次回はプチオンリー併せで出したブックケース付きのオフセット本の記事を書きます。
サポートが何なのかわかってないですが、していただいたらメチャメチャ感謝します。