見出し画像

ADHDっぽい人におすすめの本

ADHD関連の本で、個人的におすすめの本を何冊か紹介します。

「できないこと」をやろうとする際の方法の1つに、うまくいかなかった場合(怒られる、失敗する)を想像して自分を追い詰めるアプローチがあります。

追い詰めるアプローチも必要だとは思います。ただ、このアプローチばかりで乗り切るスタイルはしんどいです。乗り切ってしまうと追い詰め方がどんどんエスカレートし、乗り切れなければ強い自責の念に駆られます。

そこで今日ご紹介するのは、他のアプローチで「できないことをできるようになりましょう」というスタンスの本達です。

誰しも大なり小なりはADHDっぽい筈なので、大多数の人にとって何かしら生活改善のヒントになり得る本達なのではと思います。ADHDというキーワードにピンと来ない方もぜひどうぞ!

「判断するのが怖い」あなたへ 発達障害かもしれない人が働きやすくなる方法/佐藤恵美

この本では、ADHD(発達障害)は特性により、「判断する」ということが苦手で、それが生きづらさの要因であるとしています。なので、自分を適切に知り、工夫することで「生きやすく」なりましょうという本です。

この本は、読者の方が、うまくいかない「わけ」を適切に知り、対処法にヒントを得ることによって、今感じているつらさを緩和し、うまく進んでいける助けになるために書いています。(p18「この本で伝えたいこと」より)

まずは「判断する」ということがどういう思考プロセスで行われているのかの丁寧な説明があります。次に、障害特性により、なぜ判断が苦手なのかの解説があります。そして、判断できるようになるにはどうすればいいか、不安を軽減するための工夫を紹介してくれています。

また、判断が苦手なことにより陥りがちな心理や不適切な行動についてと、その対策についても書いてあります。「なぜ」なのかを紐解きながら、ではどうすればコントロールできるのかが書かれています。

怒りのコントロールについても言及があり、アンガーマネジメントについて学ぶのにもよい本だと思います。

バレットジャーナル 人生を変えるノート術/ライダー・キャロル

ADHDである著者のライダー・キャロルさんが編み出したノート術の本です。

バレットジャーナルはよくタスク管理法として手法のみが紹介されがちですが、それは本質的ではありません。バレットジャーナルは、マインドフルネスを通じて生産性を上げる手助けのツールです。

バレットジャーナルを活用していれば、なにが重要で(What)、なぜ重要なのか(Why)、そうした目標を達成するにはどうするのが最善か(How)をしっかりと考える習慣が自然と身につく。(p43「本当に意味のあることに集中する」より)

この本は、ノートの手法(How)の解説と、何が重要(What)でなぜ(Why)やるのかの解説のパートに別れています。「今」に集中し時間の質を上げる方法について書かれており、マインドフルネス解説本としてもおすすめです。

バレットジャーナルはパソコンやiPadで実践しているという人も見かけるのですが、最初は本の通りに手書きで実践する方がよいと思います。
ノートに手書きで行うことにより、下記の効果があります。

・情報を捨てる訓練になる。(ToDoを書き写して移動することが面倒なので)
・記憶に定着しやすい。
・アナログノートの方がパラパラとめくることができるため、振り返りやすい。

とはいえ、全て手書きでのスケジュール管理は面倒で、私も少しずつデジタルの併用を試しているところです。私自身のノートの試行錯誤については、気が向いたらご紹介します。

発達障害サバイバルガイド 「あたりまえ」がやれない僕らがどうにか生きていくコツ47/借金玉

ADHDである「日本一意識の低い自己啓発本作家」借金玉さんによる、意識低い系ライフハック本!

このサバイバルガイドは、あなたを鋳型にはめて、社会に適応できる形に成型しなおすためにあるのではありません。この本に書いてあるのは、ただの「こうやったら便利だよ」程度の、意識の低いノウハウだけです。(p317「あなた自身が変わる必要はない」より)

先述の2冊は「普通のこと」ができるように少しずつ訓練をしていきましょうという方向性の本でしたが、こちらは「普通のこと」ができないんだから「普通じゃない」工夫で乗り切ろう!というアプローチ。

この本に載っているのは「物は箱1個にぶっこむ」「服におしゃれは不要。型をおぼえろ!」などなど、実行ハードルが低いライフハックばかりです。

ライフハックの方法だけではなく、「なぜ」そうするのかについても丁寧に解説があり、ノウハウ自体が合わなくても「ラクに生きるコツ」のヒントを得ることができます。できないことをいかに避けるか、休むことの重要さ、考え方もしっかり書かれています。

借金玉さんはこちらの本もお勧めです。


世界は「ハイスコア自慢」で満ちています。
まるで、ハイスコアを出すことが
人生の目的みたいな気がしてきます。
そんなことはありませんよ。あなたの人生を生きましょう。
僕はもう順位は気にしません、
自分のレースを自分のスピードで走ります。
残念ながら人生はまだ続く。やっていきましょう。(カバー折返しより)


この本の中に『「普通」の強迫観念にとらわれないこと。』という一文があります。私は昔よりはマシになりましたが、大多数の「普通」「当たり前」の圧がしんどいことは、ままあります。

2冊とも、巷の意識高い系自己啓発本にお疲れの方にとてもおすすめです。

---

この記事を書くために各本を改めてパラパラ読み返しましたが、いやぁ私もまだまだ実践できていない・・・。でも、各本から得たヒントを少しずつ取り入れて、よい手応えを感じています。

「できないことをできるようにがんばる」というのは、結構しんどいことです。なので、自分のペース・自分のやり方で少しずつ頑張る。頑張れないときは無理をしない。自分を大事にしながら、少しずつやっていきたいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?