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2022/07/06 漫画が好きなのをバレた時に使える会話デッキを考えよう

 見ず知らずの人に話せる趣味がない。女性声優の追っかけをして服を特定することとか、女性地下アイドルに気持ちの悪いリプライを送ることとか、着て行く機会のない高くてフリフリの服を買うこととか、虫やドブの生き物を捕まえて食べる年下のユーチューバーにガチ恋していることとか、親しくなる予定のなさそうな他人にバレたくない。最近は韓国アイドルにハマったので、多少一般人に受け入れられる趣味が増えたけれど、ハマったばかりなので話せることがあまりない。
 そうなると残る私の趣味は、『ONE PIECE』や『鬼滅の刃』のおかげで市民権を得た漫画を読むことになる。しかしワンピも鬼滅も1巻しか読んだことがないのでインターネットによる偏った知識しか持っていない。「腕が!」コラや漆黒炒飯の話なんて伝わらないし、仮に伝わってもインターネットの出自がバレて恥ずかしい思いをするだけである。

 先日ネイルサロンに行った時、漫画が好きなのがバレた。ネイリストさんが気を遣って「最近好きな漫画とかありますか?」と聞いてくれたけれど何も答えられなかった。『チェンソーマン』が本誌で連載していた頃は大きな声で「『チェンソーマン』が好きです!」と言えたけれど、今連載していないし話しづらいなと思い、「あー……」と言葉に詰まってしまった。チェンソーマン2部、開始まであと1週間!!
『SPY×FAMILY』と『東京卍リベンジャーズ』の話を振ってくれたけれど、いい反応ができなかった。スパイファミリーは全話読んでいるけれど語れるほどの熱量はないし、InstagramやTikTokでアーニャ○○すき〜!と投稿するミーハーニワカオタクだと思われるのが嫌だ。マンリベはアニメをオタクハウスで1話だけ観たけれど殴られてるのが辛すぎて視聴継続が難しいと思った。残酷なのは苦手なんですか?と言われたのではいと答えた。ぷにるの体がバラバラになるシーンやゆ○は好きなくせに……。

 今後似たシーンに陥った時に焦らず落ち着いて、非オタクに対して萌えすぎず、かつサブカルすぎない漫画の話ができるように、ここに記しておく。

メダリスト

 フィギュアスケートのことは何もわからないけれど、オリンピックでも日本人選手がよく活躍している印象があるし、馴染みやすい題材だと思う。一般的なスポ根ものとは違い、夢を諦めたくない子どもと、夢破れた大人がオリンピックの金メダリストという大きな夢に向かっていく様子が描かれているので、漫画を普段読まない非オタクでも読みやすいような気がする。
 おすすめしやすいとか関係なく、本当におもしろくて熱い作品なのでみんなに読んでほしい。

ワンダンス

 ストリートダンス、と聞くと陽キャかよと尻込みしてしまうのがオタクの良くないところだけれど、この作品の主人公は人前で話すことに苦手意識があり、いつも自分の気持ちを抑え、空気を読んで過ごしてきた少年である。高校に入学して、彼を強く惹きつけたのは人目を気にせずダンスを踊る同級生の少女だった。ダンスは未経験、それどころか中学時代の苦い思い出からトラウマになっているけれど、自分を表現するためにダンス部に入部! というような話である。
 現代人はとにかく自己表現が好きだと思う。もちろんそうでない人も大勢いるけれど、承認欲求を持て余してInstagramだったりTikTokだったり、場所は異なれど自分から発せられる何かを誰かに伝えようとしている。その手段がこの漫画では「ダンス」なのである。絵もかっこいいし、実際にある曲名が出てくるので入り込みやすいと思う。

推しの子

 オタク趣味に理解があり、基本的には明るくて友達が多いけれどその反面Twitterのアカウントがいくつもあって、いわゆるメンヘラ系の女性ボーカルの楽曲を好きな女性、横槍メンゴ先生の絵好きがち(ド偏見)。
 それに、原作の赤坂アカ先生の代表作『かぐや様は告らせたい』は実写映画化もされている大ヒット作品なので非オタクに対して作品名を出す時に話をしやすい。
 インターネットを長くやっているせいかもしれないけれど、「推し」という存在を持たない人間の方が少ないのではないかと思う。アニメのキャラ、声優、アイドル、歌い手、配信者、若手俳優、マスコットキャラクターなどなど、多種多様な「推し」がいる。私はそんな「推し」の奴隷でい続けることができるだろうか? どんな姿になったとしても。
 芸能界のことなんて何一つわからないけれど、日々報じられるスキャンダルやご報告のことを思い浮かべると、かなりリアルに描かれているような気がする。
 この作品は連載開始当初からネームバリューがありすぎたからか、逆にオタクが読んでいないというケースを多く見た。オタクは逆張りしていないでさっさと読め!

 他にも色々デッキに入れられそうな作品を思いついたのだけれど、長くなりそうなので割愛。というか、私がつらつらと書かずとも「このマンガがすごい!」とか「次にくるマンガ大賞」に名前が上がっている作品をあげていれば問題ないのかも、と気づいた。

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