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NFT発行のチェーン選択

NFTを発行する際、基盤とするブロックチェーンの選択は重要なポイントの1つです。現在、NFTの発行に主に利用されているのはイーサリアムチェーンとPolygonチェーンの2種類ですが、それぞれ特徴が異なるため、発行するNFTの性質や目的に合わせて適切なチェーンを選ぶ必要があります。


イーサリアムチェーンの特徴と利点 

イーサリアムチェーンは、NFT発行において最も利用されているブロックチェーンの1つです。イーサリアムは、スマートコントラクト機能を備えた分散型アプリケーションプラットフォームであり、複雑な取引や契約を行うことができます。 イーサリアムチェーンでNFTを発行する利点としては、高いセキュリティと信頼性が挙げられます。イーサリアムのブロックチェーンは改ざんが極めて困難であり、NFTの所有権や真正性を担保できます。 また、イーサリアムは仮想通貨の中でビットコインに次ぐ時価総額を持ち、多くのユーザーに利用されているため、発行したNFTの流動性も高くなる傾向にあります。 ただし、イーサリアムチェーンではトランザクション手数料が高額になりがちなため、NFTの発行や取引にコストがかかるというデメリットもあります。


Polygonチェーンの手数料と速度 

Polygonチェーンは、イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして開発され、イーサリアムの抱えるスケーラビリティ問題を解決することを目的としています。Polygonチェーンでは、トランザクションの一部をサイドチェーン上で処理することで、イーサリアムの負担を軽減し、処理速度の向上と手数料の削減を実現しています。
実際の数値で見ると、イーサリアムのトランザクション処理数が毎秒10~15件であるのに対し、Polygonチェーンは毎秒6,000~7,000件の処理が可能です。それでいて、平均的な取引手数料は0.00002ドルと非常に低く抑えられています。 この高速かつ低コストな取引が可能な点が、NFT発行においてPolygonチェーンが選ばれる大きな理由の1つとなっています。


他のブロックチェーンの選択肢 

イーサリアムとPolygonチェーン以外にも、NFT発行に利用できるブロックチェーンはいくつか存在します。例えば、Flowは高いスケーラビリティを実現しつつ、ユーザーフレンドリーなNFT発行環境を提供しています。 また、Binance Smart Chain(BSC)は、イーサリアムとの互換性を保ちながら高速かつ低コストな取引を可能にしており、NFTプロジェクトにも採用されつつあります。
この他、WAX、Tezos、EOS、Tronなども、NFTの発行と取引をサポートしているブロックチェーンです。 それぞれ独自の特徴を持っており、例えばWAXはゲームアイテムのNFT化に特化し、Tezosはアップグレード可能なスマートコントラクトを備えています。

NFTを発行する際は、これらの選択肢の中から、プロジェクトの要件に合ったブロックチェーンを選ぶことが重要です。発行コスト、取引速度、セキュリティ、相互運用性など、様々な観点から検討し、最適なプラットフォームを決定する必要があるでしょう。