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父ちゃんの道楽・波乗りについて

今日は私のメインの趣味となっている波乗り(サーフィン)について書きたいと思います。

私が波乗りに出会ったのは、12、3年前のことです。当時の私は社会人になってから始めたスキー(テレマーク)にハマっていて、冬の週末のほとんどの時間を山の中で過ごしていました。みなさんご承知のとおり、スキーは冬のスポーツです。当然、夏はできません(山形県の月山スキー場や海外、室内スキー場は例外ですが)。そんな訳で、夏場に遊べるアクティビティが無いかと探していたところ、職場の先輩がサーフィンをしているという情報を入手。同じフロアで席も近かった先輩に「おれもサーフィン、やりたいッス!」と体育会系のノリで相談し、先輩のサーフボードを借りてサーフィンデビュー。

初めてサーフィンをした日は、2008年6月14日。なんでこの日を覚えているかというと、この日は岩手宮城内陸地震が起きた日で、地震が起きたまさにその時刻に私と先輩は宮城県内の海(仙台新港)に入っていたからです。海から上がった時に、上空を何機かのヘリコプターが飛んでいるのを目にしたことを覚えています。

そんな思い出の日に始まった私の波乗りライフ。サーフィンをやっている方ならお分かりかと思いますが、サーフィンはなかなか上達しません。運動能力が秀でた人ならすぐにコツをつかんで上達できるのかもしれませんが、私の運動能力は悪くないけど良くもない。これまで野球やバスケットボールなどのスポーツを経験してきましたが、それらの陸上スポーツとは違った難しさがあるサーフィンに苦戦しまくりでした。先輩から借りたボードを使って波打ち際でひたすらパドリングと波キャッチの練習。週一ペースの練習でしたが、正直、自分がサーフボードに立つことさえ想像できない日々。それでも、海に行くだけでも気持ちが良く、気分的にもリフレッシュできるので、平日の朝も仕事前に練習したりしてましたね。海にも慣れて来たところで、大きめのマイボードをゲットして海に通い続けました。


波乗りを開始してから数か月。「波乗り合宿」と称して先輩と行った二泊三日の福島県南相馬市へのサーフトリップで、初めてうねりからのテクオフ(波をキャッチして、サーフボードに立って乗ること)に成功しました。波と一体化する感覚、乗った後のスピード感。これを体験した時点で私はもう完全にサーフィンの虜となったのでした。


そんな感じで先輩と楽しんでいた波乗りライフ。しかし、ある日突然波乗りを中断しなければならなくなりました。原因は、2011年に発生した東日本大震災です。


それまで楽しませてもらっていた東北・太平洋側の海岸は、津波により壊滅的な状態になりました。私がホームポイントにしていた宮城県南部の海岸線も、立ち入ることさえ困難な状況。当時は仙台市近郊の岩沼市という場所(仙台空港がある所です)に住んでいましたが、第一子を妊娠して出産を翌月に控えていたカミさんと共に、カミさんの実家のある山形県に移動しました。幸い、長男は山形市内の病院で元気に生まれました。


東日本大震災の発生と、長男の誕生。職場の配慮もあって、山形市内の職場に転勤になったので、拠点は完全に山形市内に移ることになりました。海には入れる状態ではなく、子育て中心の生活となったことで、私の波乗りライフは長いお休みに入りました。


時は流れ。


その後、次男、三男が生まれて、生活の拠点も私の福島の実家に移しました。私の実家は福島県の内陸部に位置するため、海までは2時間近くかかります。その頃は「仕事や子育て中心の生活を考えると、海に行く時間はないなー」と思っていて、もし波乗りが再開できるとしても、仕事を引退してからの老後の楽しみにしかならないかもなーと考えたりしました。

転機は昨年、2019年。異動で福島県いわき市の職場に行くことになり、突然、海の近くで働けることになりました。震災から8年が経過して、東北の海岸線も、元通りとは言えないけど、ほぼ復旧し、いわき市のサーフポイントでも多くのサーファーが海に戻ってきている状況でした。ボードもウエットも持って行かなかったけど、海を見たくて車を走らせ、昔先輩と行った海岸に着く。まだ冷たい風が吹く春の海には、厚いウエットを着た地元のサーファーが波乗りを楽しんでいる。それを見た瞬間、私は波乗りへの復帰を決意し、翌日にいわき市内のサーフショップでウエットをオーダーしたのでした。


そして現在。


1年でいわきの職場から仙台への転勤が決まり、4月から単身赴任。初めての単身赴任が決まった時はけっこう凹みましたが、波乗り仲間の先輩も単身赴任で同じ職場に転勤になるという偶然も重なり、今年はその先輩との波乗りライフも復活することができました。


波乗りは、自然の中で行うアクティビティです。
海で楽しむことができるかどうかは、各個人のマインドも大事ですが、それ以前に、海のコンディションに大きく左右されます。波が無ければ波に乗れない(←当たり前)。

自然災害や家庭環境によっては、海に行けない時期もある。それは短期的にも長期的にも言えます。それでも、良い波を待ち続ける。そして、良い波が来たときは、笑顔で思い切り楽しむ。このシンプルなことの繰り返しが波乗りの本質だと思います。そして、海と関わることで、人間も自然の一部であって、人為と自然を分け隔てること自体が、人間の勝手な思い込みだということを教えてくれます。今は海に行けることだけでも感謝の気持ちでいっぱいです。ほんと、有り難い。


ちょっと長くなってしましましたが、私の波乗りに対する想いを綴った記事はこれでお終いにします。まだまだ書きたいことはたくさんありますが、今後も波乗り・サーフィンについての記事を書きたいと思っています。


以上です。







サポートいただけたら、デスクワーク、子守、加齢で傷んできた腰の鍼灸治療費にあてたいと思います。