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春を歌おう

 昨年の4月に再開したバンド活動は、月一度のペースでスタジオに集まることができていた。そんな中、リーダーのNくんから出てきたライブの話。

 前回までのお話はこちらです。

 ここでも書いたとおり、私個人としては、ライブを最終目標にするのではなく、なるべく長くこのバンドを続けたいというのが希望だった。メンバーみんなで話をしても、その点については賛同してくれているように思っています。今回の記事は、活動開始から半年以上が経った2022年秋から現在までのお話です。

 


メンバーの個性、バンドとしての一体感

 月に一度のスタジオでの音合わせが定着し、課題曲にしている8曲もだいぶ形になってきた。メンバーはみんな家庭を持ち、なかなか練習時間が確保できないと言いながらも、短い練習時間で少しずつ上達している。ギターのTくんは、原曲の雰囲気を出そうと音作りもしっかりやってきて、『ロビンソン』のアルペジオや『空も飛べるはず』のギターソロなど、かなり完成度を高めている。ベースのSくんは、動きの激しいベースラインをこなしつつ、『愛のしるし』でのグルーブ感、『冷たい頬』のソロで存在感を見せ始めている。ギター、ボーカルのNくんは、エフェクターを購入してギターの響きを研究したり、スピッツの音楽の肝とも言えるハイトーンボイスを特訓して、日に日に声が出るようになってきている。私はまだまだ原曲のようには叩けないが、リズムキープを重視しながらも、曲によって強弱を意識するようにして少しでも曲に表情を付けたいと思っている。そして、本家のスピッツと同じように、叩きながらのコーラスにも挑戦している。
 曲によって完成度は異なるものの、バンドメンバー全員の気持ちが入った時の演奏は、言葉で言い表すことができない、何とも言えない爽快感がある。上手くいかなかった時は、みんなで意見を出し合って、その場で改善していく過程も面白い。テンポやちょっとしたノリで曲の印象が変わってくることも、だんだんと分かってきた。ドラムを叩いていると、ベースとのバスドラムのグルーブや、ギターのカッティングとハイハットのリズムの一体感など、楽曲の雰囲気を直接的に感じ取ることができる。これはドラムの特権なのかもしれない。きっと、演奏しているメンバーが変われば、この雰囲気は全く違ったものになるのだと思う。今、このメンバーで奏でる音は、唯一無二なものだんだろうな。


Nくん、動く

 夏ごろに出ていた、年に一度のライブ、もしくは発表会の話。12月の練習の後、区切りにしようと決めた3月に発表会をやらないか、とNくんから提案があった。課題曲も一通り演奏できるようになっているし、会場も何とか確保できそうとのことだったが、3月はみんな仕事が忙しくなる時期でもあるし、私も三男の卒園もあるので、スケジュール調整が困難。3月の開催は難しいということで、再調整することになった。年明け、私は父が他界したこともあって月一の練習に参加できず、発表会の話ができないまま時間だけが過ぎていった。
 私もやっと練習に参加できるようになった2月中旬、Nくんから4月の発表会の打診があった。Nくんの案としては、5月の連休前の土曜日、4月29日でどうかとのこと。メンバーの都合も良さそうなので、その日を第一候補として仮の日程を組む。仕事が早いNくんは、すでに会場選定にも動いたようで、無事、4月29日で会場も確保。会場には機材が備え付けられていないので、市内の楽器店にNくんが出向いて機材一式レンタルも手配。流石だよ、Nくん。情熱ある大人の仕事の早さよ。素晴らしい。


春の歌

 発表会の開催も決まって、いよいよ本番をイメージした演奏も意識して練習するようになった。まずは楽曲の順番、セットリストを決めなければならない。全部演奏しても10曲に満たないし、発表会自体もメンバーの家族を中心に、身近な人だけを集めて小規模にやるものなので、それほど曲順にこだわる必要もないんだけど、やっぱり有名どころからやった方が良いよねってことで、まずは『空も飛べるはず』をオープニングに持ってくることに決定。たまたまなのかもしれないけど、課題曲にしていた曲はそれぞれ違った感じの曲で、バランスは取れているという話になった。そもそも、スピッツの曲はどれを取っても素敵だけどね。
 その後もセットリストをみんなであーだこーだ考えているとき、春の歌についての話題になった。スピッツの春の歌といえば、もちろん『春の歌』です。それは満場一致だったけど、その後、Nくんが「この流れだと、『冷たい頬』と『春の歌』で、春の歌が2曲続くってことになるね」と発言。ん?『冷たい頬』も春の歌なの?と、メンバー間でちょっとした議論に。私は『冷たい頬』は、言葉の印象だけで冬の歌かと思い込んでいたけど、Nくんが言うには、この曲のリリースが3月で、春の歌として聴いたほうがしっくりくるとのことだった。もうずいぶん昔、Nくんと私が高校を卒業した1998年3月のことだね。

 『冷たい頬』、みなさんはどの季節の歌だと思いますか?


発表会に向けて

 発表会の会場は、定員が40名ほどの市民センターの練習室です。メンバーの家族が優先ということで、私も家族に聞いてみたところ、子どもたちは是非行きたいとのこと。そうなると、必然的にカミさんも来ます。そして、私の母親もスピッツファンなので来てもらうことにしました。Tくんも声をかけるのは家族だけと言っていました。NくんとSくんは、職場の人にも声をかけるとのこと。どれぐらいの人数になるのかは分かりませんが、まずは、このバンド活動に理解を示してくれているメンバーの家族に、こんなメンバーで、こんな感じでやっていますとの報告になれば良いと思います。あと、偶然ですが、4月29日は私の両親の結婚記念日でした。母へのささやかなプレゼントになれば良いですね。
 肝心の演奏も、あと一カ月ちょっとでどれぐらいの完成度になるかは未知数ですが、観に来てくれた方々に少しでも楽しんでもらうことができるよう、練習していきたいです。少なくても、私たちメンバーが楽しむことが一番大事なので、楽しむことだけは忘れないようしたいと思います。



つづく

サポートいただけたら、デスクワーク、子守、加齢で傷んできた腰の鍼灸治療費にあてたいと思います。