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オーストラリアの病院で必ず聞かれる質問

はぁ やれやれ...


と思うのは

「あなたの痛みは1から10のうちどれくらいですか?」

という質問です。こっちの病院で痛みを訴えると必ず尋ねられるんですね。

初めて聞かれたのは、10年位前に原因不明の腹痛で救急車を呼んだときでした。

予測していない質問にうろたえて

も、もしかして、オーストラリアでは身長や体重みたいに数値化できる「全国共通痛みレベル表」があるのかも!?

永住ビザを取るときに教わったかも!?

どっかに小さく書いてあったかも!?

と、素人の泥棒みたいに片っ端から記憶の引き出しをひっくり返しても何も見つからず、というか、元から知らないんだから何しろ思い出すこともできず

いやいや、もしかすると「この人の痛み基準」で尋ねてるのかも!?

と、その救急隊員は自分の傷も自分で縫っちゃうような雰囲気だったので、

この人にとって、私の今の痛みは4ぐらいにカウントされるのであろうかと考えながら

いやいや...

いやいや...

もしかして「私が今まで経験した中で最大の痛みを10として」ということなのかも!?

と思い当たり、でも、痛みで七転八倒している今は

自分の昔を懐かしく振り返ってるタイミングではないし

そもそも私の過去最大の痛みをなぜこの人が知っているのか!?

と混乱をきたし

すみませんねぇあたしゃもう何も分かりませんわ、てへへ

とニヤニヤし始めたらそれを見た救急隊員が「こりゃまずい!」と血圧計を出して測ったらびっくりするほど低かったので、急げー-!!とばかりに搬送してくれたのでした。

切ないのはどんな状況でも「質問されると答えようとしてしまう」人間の習性です。


泥棒に「トイレどこですか」と聞かれたら即答しないでいられる自信がない。

幸運にも、最近は病院と縁はないのですが、また痛みレベルの質問を受けることがあったらなんて答えようかなと考えます。痛みの物差しはゴムでできているから持つ人によりますね。病院まで行って3や4じゃ叱られそうな気がするし、かといって「10!」なんて言ったら病院くらいじゃ済まない気がして恐ろしい。

えーと、「7...?いや、8くらい、ですかね...?」

なんて相手の反応を見ながら「自分の痛みレベル」を申告するのは、あまりに情けない!

今朝は食洗器のドアを開けっぱなしにしたまま、何を思ったか、ものすごい勢いでむこうずねを角にぶつけまして、しばし息が止まりながら、新体操の点数札をパッパッと挙げるみたいに、痛みレベルは3!4!と心の中で点数をつけておりました。誰も聞いてないのにね

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