オバさんの就職(1)

結婚して子育てがひと段落して働き始めたのは近所のスーパーのレジだった。

その次に通所の介護施設で働いていたが、その頃に夫が急死して葬儀をすませて暫くボーッとしていたがとりあえず毎日どこかへ行かなくてはと車で30分程のレタスハウスに午前中だけ行って収獲作業を手伝った。

レタスハウスは知り合いが経営していたのだが、福祉施設に売ったようだった。
行くところをなくした私は何処かに働きにいかねばと派遣会社に登録することにした。

履歴書を書いて、パソコンの入力スキルをテストされ、どうにか登録が完了して工場の棚卸しの入力作業という単発の仕事を3日やってみた。

それから、隣町の製薬会社の子会社に胃腸薬の袋詰めの検査業務をやった。
流れてくる3連の胃腸薬が真ん中に収まるようにして束ねていくのだ。

この仕事は向いていなかった。
まず、頭の先から足元までのツナギの着脱、暗い工場の仕事場所の5階までの階段の昇り降りに時間がかかる。

慣れてる人の速さについていけない。昼休みにもそのツナギの着脱をして階段を降りてお弁当を食べる。明らかにもたつく私は4人いた作業員に相手にされず、休憩所にある丸いクッキー缶のなかにあるアメを一つももらえなかった。

それでも、三か月ほど続けたが係長のような男の人にもう来なくていいよと言われた。
そりゃそうだよな。仕事も出来ず、私がラインに入ると薬の縁が左右対称でなく、結構な量廃棄した。人間関係も、娘のような派遣に話し方がおかしいと注意されたことがあり、正直なところ本当に驚いた。

こういう感じ昔もあったな。自分のポンコツぶりに、これからどうやって生きていこうかと考えてしまった。

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