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【第221回】 Journey Builder の最後に存在する待機アクティビティについて

Journey Builder のパフォーマンス最適化に関するヘルプドキュメントが大幅に改訂されました。

Salesforce Marketing Cloud を活用しているユーザーにとって、このようなパフォーマンス最適化の最新情報をキャッチアップしていくことは非常に重要です。是非一読いただき、効果的な運用に役立てください。

さて、今回の改訂で気になる文章がありました。それは「待機アクティビティ」の箇所です。

待機アクティビティは慎重に使用してください。ジャーニーの最初のステップとして待機アクティビティは追加しないでください。15 分未満の待機アクティビティは使用されないようにしてください。

デフォルトでは、1 つの待機アクティビティがキャンバスに表示され、1 日の期間に設定されます。ほとんどのシナリオでは、これらのジャーニーの最後に必須の待機アクティビティは、連絡先のジャーニーに影響せずに 1 分まで短縮できます。これらの最終待機アクティビティを減らすことは、システムの負荷を減らし、ジャーニーの予測可能なパフォーマンスを向上させることができます。

ジャーニーの途中にある待機アクティビティが 3 分以下の場合、そのアクティビティは、ジャーニーに終了条件または終了条件が設定された目標が設定されていない限り無視されます。

さて、この中で何が気になったかと言いますと、『 ジャーニーの途中にある待機アクティビティが 3 分以下の待機アクティビティは、終了条件や目標活動が設定されていない場合、システムによって無視される 』と記載されている点です。これは、何か違和感があります。

まず、ジャーニーの「途中」の待機アクティビティに関しては、たとえ「1 分」の待機期間であっても、「1 分」の待機期間として機能していることは確認しました。もし、これが本当に無視されて機能しなくなってしまうと非常に困りますよね。

そして、「途中」ではなく、「最後」の待機アクティビティに関しても、念のため確認しました。この「最後」の待機アクティビティに関しては、これまでは、エントリモードが「いつでも再エントリ」または「再エントリなし」で、目標アクティビティがない場合には、ジャーニーパスの「最後」の待機アクティビティは「無視される」仕様になっていました。つまり、「3 分以下の場合」のような条件は入っていませんでした。

このことは、以下のヘルプドキュメントには、まだ記載が残っていますが、今回、パフォーマンス最適化のヘルプドキュメントからは削除されました。

Journey Builder 全体のパフォーマンスを向上させるため、次のシナリオでは [ Exit(終了)] の前の Journey Builder パスの最後の待機は無視されます。

再エントリモード が いつでも再エントリ または 再エントリなし になっている
・ かつ、ジャーニーに 目標アクティビティがない 場合

今回の改訂で、これが「3 分以下の場合」という新たな条件が追加されたように見えるため、念のため調査してみました。


調査開始

以下通り、ジャーニーの最後に 1 週間の待機アクティビティを設定します。

今回の調査の時点で、下の結果となれば、「3 分以下の場合」という条件は追加されていないことになります。

「終了後にのみ再エントリ」の場合 ⇒ 無視されず、1 週間待機する
「いつでも再エントリ」の場合 ⇒ 無視されて待機しない
「再エントリなし」の場合 ⇒ 無視されて待機しない

逆に、「3 分以下の場合」という条件が追加されている場合は、以下のようになりますね。

「終了後にのみ再エントリ」の場合 ⇒ 無視されず、1 週間待機する
「いつでも再エントリ」の場合 ⇒ 無視されず、1 週間待機する
「再エントリなし」の場合 ⇒ 無視されず、1 週間待機する

今回の調査では、連絡先が終了にまで達したか否かは、ジャーニーの履歴を確認して、「Stop Interaction」アクティビティが存在するかと、「Wait」アクティビティの「Complete」ステータスが存在するかで判断します。

それでは、以下が調査結果です。


調査結果

①「終了後にのみ再エントリ」の場合

Stop Interaction(Activity):存在しません
Wait(Activity)の Complete(Status):存在しません

つまり、最後の待機アクティビティが Complete していないので「待機中」ということになります。

※ 円グラフが黄色になっており、青色が表示されていないので、このことからも終了している連絡先がいないことを示します。

②「いつでも再エントリ」の場合

Stop Interaction(Activity):存在します
Wait(Activity)の Complete(Status):存在します

つまり、最後の待機アクティビティが Complete していますので、すでに「終了」している状態になります。

※ 円グラフに青色が表示されましたので、終了している連絡先が発生したことを示します。

③「再エントリなし」の場合

Stop Interaction(Activity):存在します
Wait(Activity)の Complete(Status):存在します

つまり、最後の待機アクティビティが Complete していますので、すでに「終了」している状態になります。

※ 円グラフに青色が表示されましたので、終了している連絡先が発生したことを示します。


いかがでしたでしょうか。

今回の調査結果から、「3 分以下の場合」という条件は、現時点では追加されていないことがわかりました。そのため、最後の待機アクティビティの期間がどのような待機時間であっても、以下の結果となります。

「終了後にのみ再エントリ」の場合 ⇒ 無視されず、待機する
「いつでも再エントリ」の場合 ⇒ 無視されて、待機しない
「再エントリなし」の場合 ⇒ 無視されて、待機しない

※ いずれの場合も「目標」アクティビティがない場合です。

今回の Journey Builder のパフォーマンス最適化に関するヘルプドキュメントの改訂は、現在の Journey Builder の推奨事項(システム負荷軽減対策)に合わせて書かれていると思いますが、結果的に、最後の待機アクティビティは「3 分以下」でなくても「無視される」ので、特に待機時間の変更は不要という認識です。

なお、今回は特に触れていませんが、ジャーニーに「目標」アクティビティが設定されている場合には、①②③ いずれの場合であっても、最後の待機アクティビティは無視されずに、待機することを確認しました。

そして、「終了条件」アクティビティが設定されている場合は、最後の待機アクティビティは無視されます。終了条件としての評価も行われません。この辺りも一切変更無しです。参考までにお伝えしておきます。

今回は以上です。


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