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【第111回】 Journey Builder でメールアドレスを持っていない人が強制退出するのを回避するアイデア

Salesforce Marketing Cloud の Journey Builder において、メールアドレスを持っていない人は、メールアクティビティに到達したときにジャーニーから強制的に退出してしまいます。下図の通り、メールアクティビティを通過して、待機アクティビティに到達している人が一人少なくなっていますね。

以前に Journey Builder で「どの連絡先がメールアクティビティを通過できるのか?」という内容の記事を書きましたが、私はこの記事でもメールアクティビティを通過できない連絡先の例として「メールアドレスを持っていない連絡先」を挙げていました。

では、そのような状態の連絡先が、ジャーニーからの強制退出を回避する方法を考えてみたいと思います。今回は 2 つ提案してみたいと思います。

方法 1 : 判断分岐で回避する方法

1 つ目です。まず思い浮かぶのが、判断分岐による回避です。メールアクティビティの直前にメールアドレスが NULL の場合、別のパスに誘導する条件を持った判断分岐を設定することで、その連絡先を迂回させることができます。下図のような形となります。

この方法ではキャンバス上に見える形で判断分岐の設定がありますので、確実、かつ安全に回避できるという利点があります。私も実装時はこの方法を採用しています。但し、もしメールアクティビティが大量にあったらキャンバス上が煩雑になりそうですよね。

方法 2 : 除外スクリプトで回避する方法

次に提案するのが、2 つ目の除外スクリプトで回避する方法です。

これは事前に SQL を用いてメールアドレスが NULL の連絡先に対して「ダミーのメールアドレス(dummy@xxxwatanabexxx.com など)」を持たせます。その後、ダミーのメールアドレスだった場合は「除外」というロジックで、除外スクリプトを各メールアクティビティの配信オプション上に記述すれば、メールアクティビティを通過するようになります。

emailaddr == 'dummy@xxxwatanabexxx.com'
dummy@xxxwatanabexxx.com 宛には送信されない
(すべての購読者のメールアドレスを使用する)

email == 'dummy@xxxwatanabexxx.com'
dummy@xxxwatanabexxx.com 宛には送信されない
(ジャーニーデータのメールアドレス項目 email を使用する)

下図の通り、メールアクティビティを通過することができましたね。

この方法は、除外スクリプトの場合はメールアクティビティを通過するという性質を利用しています。これでキャンバス上の見た目は煩雑化することなく、すっきりした形で実装できるかと思います。

ここでメールアドレスが NULL なので、AMPscript の Empty() を使用できるのでは?と考えた上級者の方もいるかと思いますが、評価の順番がポイントとなります。除外スクリプトの評価は、メールアドレスが無くて退出する評価や List Detective のため退出する評価が行われた後に評価となります。よって、残念ながら Empty() を使用する方法は採用できません。

方法 2 にもデメリットがあります。除外スクリプトを用いる場合は、判断分岐とは違ってキャンバス上で目視の確認ができません。また、ダミーのメールアドレスを持つ連絡先に対して間違えてメール送信してしまった場合、大量のハードバウンスが発生する可能性があります。注意してください。

今回は以上です。


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